Financial Timesに以下の記事が出ていた。
GoPro to axe low-end action cameras - FT.com
関連して、日本語記事でも以下の記事が出ている。
GoPro、最悪の決算 財務責任者の辞任を発表 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
これらの記事によると、前四半期は芳しくない決算だったそうです。昨年夏に400ドルで投入したGoPro Hero 4 Sessionが伸び悩み、12月には200ドルに割り引いたこともあっての決算だそう。ローエンドが具体的にどのモデルを指しているかは明示されていないけれど、記事中の画像や本文中で指摘されているGoPro Hero 4 Sessionのことであると思われ、これを打ち切るということみたいです。
なお、GoPro Hero 4 Sessionは、Polaroid Cubeに酷似しているとして訴訟を起こされていることも打ち切り要因の一つかもしれません。
GoPro is being sued by the company behind the Polaroid Cube | The Verge
GoProがアクションカムのマーケットを切り開いたことは疑いようのない事実だと思いますが、後追いしてきた他社製品に類似した製品を出したのはマズかったかもしれませんね。中身のスペックは異なりますが、類似した外観デザインでPolaroid Cubeの方が圧倒的に安いとなると、違いが良く解らないエントリーユーザーなどはGoPro Hero 4 Sessionを敢えて買おうとは思わないかもしれませんし。
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そもそも、個人的にはGoProが上場した時からちょっと過大評価されてるような気がします。アクションカムってちょっとしたブームで販売数量が伸びただけで、恒久的に売り上げが伸びるようなものではないと思うのですが。それでも定番製品になれば、ハイエンド寄りモデルは放送局やコンテンツ制作会社向けに薄く長く売れるような手堅い商売にできる可能性はあるでしょうけど、アクションカムだけで成長が維持できるとは考えにくいと思います。
実際、定番製品というよりはアクションカムの代名詞的存在にはなったのでしょう。テレビ番組などでGoProを見かけることがある一方、他社製のアクションカムも同じように見かけます。元々SONYやPanasonicは国内外の放送局に機材を収めている関係性もあるでしょうし、番組スポンサーの関係も有ったりするでしょう。GoPro的なものに需要があることは間違いないけど、GoProである必然性を訴求できないと、ローエンドをやめたところで今後も苦戦するのではないでしょうか。
GoPro Hero 4 Blackなどハイエンド寄りの製品は高ビットレートで記録できるのが魅力的ですが、電子部品によるスペック競争が行われた他の製品ジャンルを振り返ると将来性はどうでしょうか。競争激化による価格下落や陳腐化が激しく、同等のエンコーダーチップが安価に出回れば他社製品に駆逐されてしまうリスクもあるでしょうし。
GoProが今後も魅力的な製品をリリースし続けられるのかに期待ですね。
以上。