ミラーレス後発組のCanonが満を持して投入したはずのEOS M(初代)。発売当初からAFが遅いだとかで不人気だった機種ですが、私は愛用しています。が、最近壊れた画像が散発的に記録されるようになっており、私の手元の個体はそろそろ寿命が近いのかと思っています。
壊れた画像例
fig.1 下半分の2/3程度が壊れている
fig.2 上下で壊れ方が異なる
fig.3 右下1/2程度が壊れている
以下、壊れた画像から適当に考察してみたいと思います。
前提条件
用語定義
「壊れた画像」には主に以下の2種類に分類できる
- 記録に失敗し、正しく読み出せない画像(ファイルとして壊れている)
- 正しく読み出せるが、記録されている像が壊れている画像(ファイル及びファイルフォーマットとしては正常であるが、記録された像が異常)
本投稿で「壊れた画像」と言っているのは後者である。RAW記録を行っており、正常なRAW(CR2)ファイルとして取り扱うことができるのだが、記録されている像が例示した通り損壊している。
撮影枚数
これまでに約25万6千枚撮影した(新品で購入し、修理歴もない)。ミラーレス機なこともあって、主要な可動部品はシャッターユニット程度しかないが、素晴らしい耐久性。
電源
互換バッテリーを使用したこともあるのだが、上記の壊れた画像が撮影されたのは純正バッテリ―使用時。また、電池残量アイコンは3/3で十分に電力が残存している状態で撮影。
ファームウェア
インターバル撮影のためMagicLanternを使用。
考察
以下、左右の表現は画像を横長として考えた場合の表記である。
- 左右で画像の損壊状況が異なることから、EOS MのCMOSイメージセンサは読み出しの際、単純に行毎に列数回読み出すのではなく、左右を2分割することで並列化し読み出しの高速化を図っているのではないか
- 右全体、左全体が必ず損壊する訳でもないことから、左右だけではなく列も分割し、並列読み出しを行っているのではないか
- そのように分割された領域単位で画素リセットや読み出し動作が行われるのではないか
- その結果、問題が生じた領域のみ損壊した像が記録されているのではないか
- RAWファイルとしては壊れていないことから、CMOSイメージセンサのアナログ部から出力された異常データが、そのままA/D変換されているのではないか
- だとすれば、CMOSイメージセンサのAFEに異常検出機能が無い(或いは壊れている)?
- 根本的にはCMOSイメージセンサに異常が生じている?
なお、過去にも同じ場所で問題なく撮影しているので東京スカイツリーや東京タワーの発する電波による影響は考慮していない。冬季の寒さ、長時間露光等も今回に限った話ではないため特に考慮していない。
まとめ
ピンポイントでの原因特定は難しいが、おそらくイメージセンサのAFEに近いところの不良であろうと想像される。とは言っても現状では常時画像が壊れるわけではなく、千数百枚中数枚程度の壊れた画像が発生する。
この比率が上昇するようであれば、メーカー保証期間はとっくに過ぎているため残念ながら引退してもらおうかと。細かいことを言えばダイヤルやボタンの反応も悪くなってきているし。
メカニカルな可動部品の故障は致し方ないけれど、有機材料を使っているわけでもない電子部品が先にダメになるのは意外。そういうこともあるんですね。
以上。