マウントアダプタTARION M42-EOSはEF-EOS M経由で使えない

 各マウントに対応した各種マウントアダプタが各社から発売されています。中でもM42マウントは、現行のほぼ全てのマウントで、マウントアダプタが発売されているのではないでしょうか。

 個人的には既にPentax K、Sony E、マイクロフォーサーズ向けのM42変換アダプタを持っているのですが、いずれも押しピン対応していないものです。当初はそれで困っていなかったのですが、ピンを押してやらないと絞りが動作せず、常に絞り開放となってしまう類のレンズを入手したこともあり、押しピン対応のマウントアダプタが欲しいと思っていました。かといって、押しピン対応のためだけに買い直すのももったいないと思っていたところ、押しピン対応かつ、所謂フォーカスエイドに対応したEFマウント用電子接点付きアダプタをAmazonで安価に見つけたので買ってみました。

 後述の通り、EF-EOSM経由でEOS Mでは正常に使えなかったものの、EOS 60Dでは正常動作したため、不良ではなく(明示されていないながらも隠れた)仕様としてEF-EOSM経由での使用には対応していないと思われます。EFマウント用マウントアダプタをEF-EOSM経由で使用することも検討する場合は、電子接点無しタイプを選んだ方が無難だと思われます。以下に、詳細を記述します。
 

梱包

 一応精密部品の類ですので、梱包を気にしていましたが、安価な製品なりに問題無いレベルだと思います。

  • Amazonのプチプチ封筒内に以下の製品パッケージが封入され、郵便ポストに投函された

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  • 中身は紙箱に入ったマウントアダプタ本体と、クリーニングクロス

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  • 紙箱の中はビニール袋に入ったマウントアダプタが収められていた

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使用

  • 電子接点

 Amazonレビューには、AF用チップを固定する接着剤がはみ出している事例が掲載されていたものの、私の個体は特に問題なさそうです。
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 フォーカスエイドの精度など詳細は確認していませんが、後述するEOS Mのような状態にはならず、普通に起動・撮影可能でした。

  • EF-EOSM経由でEOS Mに装着

 EFマウントをEOS Mシリーズ用のEF-Mマウントに変換するCanon純正マウントアダプタのEF-EOSMを経由し、EOS Mに装着して電源を入れたところ、以下のようにファームウェア更新が失敗したというエラー画面が表示されます。
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OKを押すと、以下のようにレンズのファームウェアが入ったSDカードが必要だと表示されてしまいます。
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何を押しても先に進めず、撮影画面に到達できません。

試しに、TARION M42-EOSを取り外し(レンズを取り付けない状態で)EOS Mの電源投入後、撮影画面になった後にTARION M42-EOSを取り付けると、以下のようにカメラとレンズ間の通信に失敗したため、接点を掃除するよう表示されます。
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やはり撮影画面に戻れず、使用できません。

回避策

 電子接点付きのメリットを完全に捨てることになりますが、一応使うことはできます。
 EFマウントもバヨネット式マウントであるため、カチッと固定されるところまで回さずに、その手前までしか回し込まなくても、不十分ながら半固定されます。この状態ではTARION M42-EOSの電子接点がEF-EOSMの接点と接触しないため、カメラ側からはレンズが装着されていない状態と認識されます。
 一般の電子接点のないマウントアダプタを使う場合と同様に、カスタムファンクション(C.Fn)からレンズ無しレリーズを有効に設定しておくことで、撮影可能になります。
 この状態でも光漏れは起きていないので、重量級のレンズなどでは落下の危険性などに注意が必要かもしれませんが、不便ながらもなんとか実用することはできそうです。
 



以上。