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15年前に焼いたCD-Rの劣化具合

PC

 昔は結構な枚数のCD-Rを焼いていたような気がします。ですが、最近はCD-R/RWを使う機会は全くなくなってきました。
 私の場合、DVD-R/RWやBlu-rayも年に一度焼くかどうかといった感じです。その代わり、NASや外付けHDDは増殖し続けていますが…。或いは種類によってはクラウドに格納しているデータも多いのではないでしょうか。

 CD-Rに話を戻すと、長期保存には向かないだとか、メディアによっては劣化して読めなくなるだとかいった話も見かけますが、実際どうなのでしょうか。

 今回、長期間放置していたCD-Rを発見したため、どんな感じに劣化が進んだかの一例として、紹介します。
 

保管状況

保管場所
室内(非エアコン常時稼働)
収納形態
CDバインダー(チャックを閉じた状態)
その他
直射日光は当たっていない
CDバインダー外観

f:id:kachine:20160507205738j:plain
比較的かさばらずに、複数のDISCを収納可能な、よくある入れ物。

CDバインダー(スリーブ付近アップ)

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バインダーのビニール状のスリーブの切り欠け箇所が、日焼けしたように色が違う。
元々が金色だったか銀色だったか記憶に無く、切り欠け箇所が黄変したのか、スリーブに接触していた領域が退色したのかは解らない。

DISC表面(印字面※無地)

f:id:kachine:20160507205538j:plain
薄っすらと裏面に記録されたトラックが透けて見える一方、スリーブの跡が鮮明に見える。
前述の通り、黄変か退色かは解らないが、バインダーに入っていた10数枚全てのDISCが同様に変色していた。
劣化していないDISCの多くは、光にかざせばトラックが見えることはあっても、通常の室内照明ではほとんど見えないため、トラックが透けて見えるのは経年変化と思われる。
なお、メディア製造メーカーが特定できる情報は見当たらないため、恐らくノーブランド品と思われる(具体的に今回発見したDISCを焼いた記憶は無いのだが、安価なノーブランドのメディアを多用していた記憶はある)。

DISC裏面(記録面)

f:id:kachine:20160507205645j:plain
目視の限りでは記録面は普通っぽく見える。
 

読み出し

  • 記録されたファイルのタイムスタンプから、今から約15年前の2001年9月頃に焼いたCDであることが解った。
  • 動画ファイル(.MPG)が記録されていた。
  • 再生を試みると、凄まじく低解像度の映像にも係らず、断続的にコマ落ちのような突っかかりが発生し、まともに見れない(Core i7搭載機で試行したので、スペック起因とは考えにくい)。
読み出し速度

正常にファイルが読み出せるかの確認も兼ねて、一旦HDDにファイルをコピーしてみた。
f:id:kachine:20160507212648p:plain
⇒1.15MB/s

f:id:kachine:20160507212657p:plain
⇒710KB/s

同一バインダーに収納されていた複数のCD-Rで試行したが、1~2MB/s程度のDISCが多く、最も速いDISCでも3MB/s台だった。
久しぶりに凄まじく遅いI/Oを体感したと思ったのだが、CDの標準速とされる150KB/sと比較すれば約7~20倍速での読み出しが出来ている計算になる。
そうは言っても、LTEはおろか3.5世代携帯に相当するFOMA Highspeedの理論値14Mbps(1.75MB/s)にも及ばない速度であり、ローカルストレージのくせに十分な遅さを体感できる。

なお、遅いながらも試行した全てのDISCでエラー表示が出ずに読み出しができた。
また、HDDにコピーしたファイルは(全ての再生を試みたわけではないものの、)特に突っかかりなく再生できた。

動画ファイル情報

動画のビットレートにI/Oが追い付いていないため、CD-Rから再生すると突っかかり、コピーしたHDDからは正常に再生できるのではないかと仮説を立てた。
このため、動画ファイルの仕様を確認してみた。

Duration: 01:00:01.73, start: 0.340078, bitrate: 1394 kb/s
  Stream #0:0[0x1e0]: Video: mpeg1video, yuv420p(tv), 352x240 [SAR 200:219 DAR 880:657], 1150 kb/s, 29.97 fps, 29.97 tbr, 90k tbn, 29.97 tbc
  Stream #0:1[0x1c0]: Audio: mp2, 44100 Hz, stereo, s16p, 224 kb/s
Image Width                     : 352
Image Height                    : 240
Aspect Ratio                    : 4:3, 525 line, NTSC, CCIR601
Frame Rate                      : 29.97 fps
Video Bitrate                   : 1.15 Mbps
MPEG Audio Version              : 1
Audio Layer                     : 2
Audio Bitrate                   : 224 kbps
Sample Rate                     : 44100
Channel Mode                    : Stereo
Image Size                      : 352x240
Megapixels                      : 0.084

今となっては超低解像度(352x240)のMPEG1映像で、MPEG1映像にMPEG1 Layer2音声の組み合わせであることからVideoCD相当のファイルとなっている模様。
映像・音声合わせて約1.3Mbps(0.16MB/s)のビットレートとなっており、ファイルコピー時の平均的なI/O速度と比較すればI/Oが間に合っていないわけではなさそう。
⇒エラー訂正処理が続いた場合などに、突っかかってコマ落ちのような状態となるのかもしれないが、原因特定には至らず。
 

まとめと考察

  • 今回発見した15年前のCD-Rの例では、外観の顕著な劣化が確認された一方、データは正常に読み出すことができた。
  • 但し、読み出し速度はDISC毎に異なり、顕著に遅いものは劣化が進んでいると考えられ、同一環境下で保管されたDISCでも劣化の進行状況は個体差が大きいと考えられる。
  • 当時からノーブランドのDISCの品質は不安視されていたが、読み出せる程度には意外と丈夫。
  • とは言え、個体差はあるものの確実に劣化が進んでいることが確認されたため、永久保管的な用途には向いていないと再認識させられた。
  • 損失が許容できないデータは、(保管状況などによって異なるが、とりあえず読み出せた実績のある)15年程度のスパンで焼き直すか、別媒体に移行するなど対策が必要と考えられる。
  • 長期間放置しているものの、損失が許容できないメディアがあるならば、劣化具合を確認するため、とりあえず読み出してみれば対策が考えやすく、安心できるのではないだろうか。
  • DVD-R/RWやBlu-rayはCD-R/RWよりも高密度で記録されることから、劣化による影響度合いが異なると考えられるため、CD-Rの事例はあまり参考にならないと考えられる。


以上。

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