強力な補正能力が特徴の、空間光学ブレ補正機能がついにアクションカムに搭載されることになりました。
6/20付で、4K対応のFDR-X3000と、FullHDまでのHDR-AS300の2モデル(と、それぞれのライブビューリモコンキット)が発表になっています。
ソニー、空間光学ブレ補正搭載アクションカム。4K&超広角で強力補正 - AV Watch
空間光学ブレ補正
SONY独自の「空間光学手ブレ補正」ですが、イメージセンサも含めた光学系全体を駆動してブレ補正する構造のため、一定の大きさが必要と考えられ、従来はビデオカメラ(Handycam)のみに搭載されていました。
今回発表された2モデルは、小型のアクションカムであり、大幅な小型化に成功したことになります。なお、搭載されるのは「空間光学ブレ補正」となっており、「手」ブレ限定に限定されていません。
冒頭に掲載したAV watchの記事によれば、
空間光学手ブレ補正を備えたビデオカメラのレンズ前玉はゆらゆらと動いているが、アクションカメラでは前玉は動かず、その後ろにあるレンズやセンサーが動く仕組み
とのことで、大きく重量のある前玉を駆動させないことでアクチュエータやメカ部の小型化を実現したのではないかと考えられます。
ただし、
空間光学ブレ補正を搭載した事で、カメラにある一定の高周波振動が加わると、空間光学の機構が共振したような状態になり、画像が歪んだり、ピントにボケが出る可能性があるという。具体的には、バイクのハンドルに取り付けて、その取付場所や、エンジンの回転数、走行スピード、乗り方など、特定の条件が重なった時に発生が確認されている。ただし、ソニーによれば、発生する可能性としては稀で、発生した場合もハンドルの取り付け位置などを変えて周波数を変えると直る事もあるという。
との記載もあり、車載用途のような一定周期の高周波振動環境では共振による問題が生ずることもあるようです。
元々、手持ち撮影時の手ブレを補正するための機能だったことから、手振れよりも周波数の高い揺れについては万能ではないのも致し方ないところではあるのでしょうけれど、SONYの言う「稀」がどの程度なのかが気になります。
イメージセンサ
こちらも2モデル共通で、1/2.5型 Exmor R CMOSセンサー(約857万画素)となっています。
FDR-X3000とHDR-AS300の4K対応可否はエンコーダチップの差異によるものと考えられます。
イメージセンサもレンズも同じなので、光学系まるっと2モデル共通なのでしょう(このため価格差も1万円しかない?)。
【参考】SONY製イメージセンサを搭載した4K撮影対応アクションカム/スマートフォンの一例
※動画撮影時は下記アクションカム/スマートフォンは全て電子式手ぶれ補正(Zenfone3シリーズの光学式手ぶれ補正は静止画撮影時のみ)。
- IMX377, 1/2.3, 12.35MP
- YI 4K Action Camera, Google(LG) Nexus 5X, Google(Huawei) Nexus 6P
- IMX318, 1/2.6, 22.5MP
- Asus Zenfone3 Deluxe
- IMX298, 1/2.8, 16MP
- Asus Zenfone3, Xiaomi Mi5
スマートフォンだと静止画画質も重要視されるため、デジタルズームや閲覧時の拡大用途のため、高画素である必要性もあるのでしょうけれど、動画がメインのFDR-X3000とHDR-AS300に搭載の857万画素というのは、画素混合無し4K(4画素混合FullHD)を狙ったスペックなのでしょう。