(本文末尾に追記有)
Eye-Fi, Inc.から「あなたの Eye-Fiカードに関する重要なお知らせ」というメールが届きました。
※本文中では7/6付となっていますが、米国時間表記のようで、実際には日本時間7/7に届いています。
端的には、「旧製品のサポート終了するからもう使うな」ということのようですが、齟齬の無いよう原文を引用すると以下の通り。
このメッセージは、Eye-Fi Pro X2またはそれよりも前の世代の製品を2015年3月以前にお買い上げいただいたお客様へお送りしています。本日2016年7月6日より、弊社では旧製品ラインのサポートを停止させていただきます。対象となる製品の全リストは、以下でご覧になれます。2015年半ばより、弊社では対象製品の「サポート終了 (EOL)」手続きを準備してまいりましたが、この通知を持ちまして、公式にその最終段階に入らせていただきます。2016年9月16日には、対象製品が利用している主要サービスの一部が停止されることになっておりますので、それまでに全てのお客様には製品の使用をやめていただきますようお願いいたします。2013年以降にMobiまたはMobi Pro製品をお買い上げいただいたお客様には、この通知は影響いたしません。
対象製品は以下が挙げられており、Mobi, Mobi Pro, Eyefi Cloud以外の全てのようです。
対象製品のリスト
Eye-Fi 1.0の製品ラインおよびEye-Fiプレミアム購読が、今回のEOLプロセスによって影響を受けます。2016年9月16日をもちまして、以下の製品はご利用いただけなくなります:Eye-Fi 1.0 製品:
- オリジナルpre-X2の全製品 (オリジナル、ホーム、共有、探索、ビデオ共有、ビデオ探索、プロ)
- 4GB Geo X2
- 4GB Connect X2
- 8GB Explore X2
- 8GB Mobile X2
- 8GB Pro X2
- 16GB Pro X2
- Visioneer X2
- Sandisk X2
- Eye-Fi Windows デスクトップソフトウェア (Eye-Fi センター)
- Eye-Fi Mac デスクトップソフトウェア (Eye-Fi センター)
- iOSのEye-Fi アプリ
- AndroidのEye-Fi アプリ
- Eye-Fi センターウェブアプリ (center.eye.fi)
Mobi, Mobi Pro とEyefi Cloud の製品およびアプリケーションは対象外ですので、引き続きご利用いただけます。また、今後の開発も予定されています。
なお、FAQとして以下が掲載されています。
X2カードを購入したばかりなのですが、なぜサポートが受けられないのでしょうか?
Eye-Fiは、2012年にX2 製品ラインの販売を徐々に停止し始めました。同社の製造した最終バージョンが米国の正規販売経路を通して販売されたのは2015年3月のことです。Eye-Fiは、正規販売経路を通じた出荷を停止していますが、それ以降も一部の製品は第三者やアフターマーケットの転売者によって販売されていました。弊社の正規販売経路を通じて購入された製品のEye-Fi’s保証期間は、既に失効しております。
旧製品を買うのがいけない。流通在庫なんか知るか。的な、あまり感心できない趣旨に読めます。
(ところで「Eye-Fi’s保証期間」という妙なローカライズから、サポート終了コストの圧縮姿勢が伺えます。)
現在(7/7)時点でも例えばAmazon.co.jpで"Eye-Fi X2"で検索すると、まだ販売されているようですが、買うべきではないということでしょう。
サポート終了の事実を認識したうえで、ジャンク品的な位置付けで買うなら止めませんが…
9月16日以降もまだEye-Fi Centerアカウントを作ることはできますか?
いいえ。Eye-Fi Center アカウントの作成および 既存のEye-Fi Centerアカウントへのログインはできなくなります。
9月16日以降もEye-Fi Center のアプリケーションをダウンロードしてインストールすることはできますか?
Eye-Fi Centerのアプリケーションをインストールすることはできますが、アカウント作成やログインは利用できなくなりますので、アプリケーションは作動しなくなります。
要するに、文字通りのサポート終了だけに留まらず、事実上使用不能になるようです。
PC/MacのEye-Fi Centerだけではなく、iOS/AndroidのEye-Fiアプリもサポート終了対象製品リストに掲載されているため、WiFi機能を内蔵した単なるSDカードとしての利用しかできなくなると考えるべきでしょう。
2016年9月X日以降Eye-Fi 1.0カードを使用することはできますか?
ディレクトモードなど一部の機能はEOLプロセスの直接的な影響を受けない場合があります。ディレクトモードをお試しになりたい場合、EOLの期限前に設定することが必要です。ディレクトモードの設定法については、Androidのお客様はこちら、iOSのお客様はこちらから。
ディレクトモードは直接影響を受けないかもしれませんが、Eye-FiアプリケーションはOSのアップデートにともなってアップデートされることはありませんので、機能するかどうかは保証できません。また、ディレクトモードの機能性および設定に関してのサポートも提供されません。2016年9月16日のサービス停止以後、ディレクトモードの設定が機能するかどうかは保証されませんのでご了承ください。
ここにも「ディレクトモード」なる謎単語が出てきましたが「ダイレクトモード」の事と思われ、サポート終了のためのローカライズには当然金かけないという姿勢が垣間見えます。
で、ダイレクトモードなら使えるかもしれないが、それもサポート終了前に設定しないと使えなくなると。前述の通り、WiFiの受け側となるPC/Mac/iOS/Androidアプリのサポートも終了するため、OSアップデートなどでそれらのアプリが使用不能になったらそれまで。OSアップデートに限らず、セキュリティに問題が見つかっても対策されないという事態も当然予想されますので、積極的に利用する理由は全く見当たりません。
なお、「その他のよくある質問は、こちらから」と張られているリンクは何故か本件にフォーカスしたものでは無さそうです。
X2 Migration
それよりも公式コミュニティへの以下の投稿が、ユーザの意見を代弁しているのではないでしょうか。
Eyefi you have lost another supporter and client – X2 Migration
適当に抜粋して意訳したうえで紹介すると、
「もうすぐ私のカードは単なる遅いSDカードになってしまうことに気付いた。二度とEye-Fi製品は買わない。」
的な投稿に続き、
「それは色眼鏡で*1見過ぎだ。Eye-Fiは単なる遅いSDカードなんかじゃなく、普通のSDカードより早くバッテリーを使い果たせる。」
的な皮肉もあったりして、面白い。
企業側の一方的な都合で、購入した製品が使えなくなるという事態はユーザーには受け入れられないってのはグローバル共通みたいですね。
(2016/9/1追記ここから)
Eye-Fi Centerの代替となる旧モデル延命用ソフトウェアが公開されています。
wave.hatenablog.com
(2016/9/1追記ここまで)
以上。
*1:今回の事象で"seeing through rose-colored glasses."という英文表現を知ったのが唯一の収穫。