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ソニー熊本工場は震災前水準に出荷回復済

機材 経済 雑記

 イメージセンサを製造しているSONY熊本工場の復旧状況について、6月末に以下の投稿をしましたが既に10月となっています。
wave.hatenablog.com
 
 今回は現状を報じた以下のメディアの情報を整理してみます。
【熊本地震】ソニー、熊本工場が完全復旧−出荷回復、下期にフル生産へ | エレクトロニクス ニュース | 日刊工業新聞 電子版
ソニー画像センサーが下期フル操業に、スマホ向け好調 | ロイター
 

 上記の日刊工業新聞を要約すると、

  • 9月末に出荷ベースで震災前の水準に回復済
  • 今下期中にはフル生産予定
  • 今下期中に月産73000枚(現状70000枚)へ引き上げ見込み

 だそうです(なお、SONYの会計年度(FY)は4月始まりなので、「今下期」の指すところは2016年12月までではなく、2017年3月までだと思われます)。
 

 震災前水準に出荷が回復したことで供給先企業に怒られる可能性も減ったため、今月に入ってから自社新製品を発表しているのかもしれません。国内ではフルフレームAマウント機のα99IIが発表されました。

 これ以外にも海外ではボディ内手ぶれ補正搭載のAPS-C Eマウント機のα6500と、高画質コンパクトデジタルカメラのRX100シリーズの5代目にあたるRX100Vが発表されています。
ソニー、ボディ内手ブレ補正対応のα6500を海外発表 - デジカメ Watch
ソニー、1型ポケットカメラ最新機「RX100 V」を海外発表 - デジカメ Watch
 

 なお、ロイターも日刊工業新聞と同等の内容を報じています。

これまで月産7万枚(ウェハー投入量ベース)だった生産量を自社設備の上限である7万3000枚に引き上げるとしている。

 との記載があります。
 

 また、以前には何故か各メディアで異なる復旧時期が報じられていたことがありましたが、その原因と思われる記載も見つかります。

  • 7月末にウェハー投入量ベースで震災前の水準に回復
  • 9月末の時点で震災前と同等の出荷状態に回復

 何を基準に復旧したのか明示しないと、情報は錯綜するということがよく解ります。
 

 加えて、スマートフォン向けについても言及があり、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの上田康弘社長の発言として、

主力のスマホ向けについて「顧客の状況も今は良くなっている」と述べた。「特定メーカ―(アップルとサムスン)に偏っていた販売構成に最近強くなった中国メーカーを加え、偏らない構成に変化しつつある」と強調した。

 と紹介されています。

 日本未進出のXiaomiのMi5を筆頭にハイエンド寄りのスマートフォンにはSONY IMXシリーズのイメージセンサが搭載されています。一方で日本進出しているHUAWEIやZTEのモデルでは(見落としているだけかもしれませんが)ソニー製センサの搭載を訴求しているのを見かけたことがなく、実際にSONY製ではないのだと思われます。スマートフォンとしては日本進出していないLENOVOも同様にSONY製イメージセンサの搭載を訴求しておらず、SONY製ではないのだと思われます。
 が、これらの状況は最近動きがあったわけではありません。目新しいところでは、台湾のASUSがZenfone3シリーズになってからIMX298やIMX318といったSONY製センサを採用しましたが、ASUSを中国メーカーと括ってよいのかは色々な意味で微妙ですが、AppleSamsung以外に販路が拡大していることは好ましい状況なのでしょう。

 但し、Samsungスマートフォン向けイメージセンサの外販に積極的なようで、同社のISOCELLセンサ搭載を謳う中華スマートフォンも目立つようになってきています。他社センサより得られる画像が一見して優れていることから、この分野ではSONYの一人勝ちが続いてきましたが、供給力不足からSamsungセンサを搭載することもあるようです。実際に過去にはXiaomiが"SONY/Samsung Camera"搭載というどちらのセンサか判らないカメラを搭載したモデル(Mi4i等)を製造していたこともあります。

 継続的な供給力不足に対しては設備投資で対処するのが正攻法でしょうが、今回のような災害時には早期回復に向けた実効性のあるBCPの確立こそが求められるのでしょう。先のロイターの記事中には、

今回得た教訓の反映として、「ラインの立ち上げに3カ月間くらいかかったが、2カ月くらいに縮めることはでいないか考えている」と述べた。産業界の中で教訓を共有したいとしている。

 と記載されており、再生産までのリードタイムを約2/3程度に短縮できるようなBCPを検討しているようです。

 不運にも今度は阿蘇山が噴火しましたが、工場内の気密性の高いクリーンルームへの影響が無くとも、物流などへの影響は考えられます。工場の安定稼働へ向けて険しい道のりは続きますが、今後も素晴らしい製品を供給していただきたいものです。
 



以上。