読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

TOSHIBAの海外版UHS Speed Class 3対応microSDで記録エラー

 以前以下の投稿で、TOSHIBAのEXCERIAブランドのUHS Speed Class 3に対応したmicroSDのTHN-M302R0640A2を購入した旨、記述しました。
wave.hatenablog.com

 いい感じの記録パフォーマンスで、Panasonic GM1sに挿して使っていたのですが、使用を重ねるうちにあれっ?と思う事が散発的に起きていました。具体的には、

  1. インターバル撮影枚数が増えてくると(300枚前後で)、突如記録が追い付かなくなる
  2. AVCHD録画中に「カードの書き込み速度不足のため記録を終了しました」と表示され録画が強制終了されることがある

 といった事象が目に付きました。
 

 上記の1,2それぞれについての詳細は以下の通り。

問題点

事象1

 カメラシステムとして記録に割ける時間が一定となる撮影セッティングで、1秒間隔でインターバル撮影を開始すると何故か300枚前後で記録が追い付かなくなります。前提条件に記載の通り、AFに時間がかかった或いはシャッタースピードが遅くなったために記録時間が足りなくなったわけではありません。
 なお、シャッタースピード1/2秒で1秒インターバルの場合は、約7枚で記録が追い付かなくなります。が、これは不具合ではなく、GM1sの内部処理とバッファ容量の兼ね合いでの限界だと想像しています(GM1sの連射可能枚数は7枚)。
 一方、シャッタースピードを1step速くした1/2.5秒では1秒間隔のインターバル撮影でも安定して撮影が可能です。が、何故か300枚前後で記録が追い付かなくなります。一度追い付かなくなるとまた300枚程度安定して撮影できるわけでもなく、ランダムに追い付かなくなるような感じです。もう1stepシャッタースピードを速くした1/3秒の場合でも同様に300枚前後で記録が追い付かなくなります。

 ところで、GM1sのRAWファイルは1枚約20MBです。GM1sが全く並列処理ができず、露光中に前回撮影画像の記録処理が行えないと仮定しても、シャッタースピードが1/2.5秒でインターバル1秒なら、1.5/2.5=0.6秒の間に内部処理と記録処理が完了すれば安定して撮影可能な計算になります。(内部処理を無視して考えると)20MBを0.6s以内に記録せよということは、SDカードには約33.33MB/s以上の記録速度が要求されます。同様に、シャッタースピード1/3の場合は、2/3≒0.67秒で内部処理と記録処理が完了すればよく、SDカードには30MB/sの記録速度が要求される計算になります。

 UHS Speed Class 3とは「読み書き時のデータ転送速度が最低 30MB/秒」を意味するクラス定義であり、上記の計算でシャッタースピード1/2.5秒の場合の33.33MB/sは満たさない可能性があります(最低30MB/秒なので、カードによっては満たします)。一方、1/3秒の場合の30MB/sは丁度満たしているはずにもかかわらず、1/2.5秒の場合と同様のタイミングで記録が追い付かなくなる現象が発生します。
 

事象2

 そもそもこのSDカードはUHS Speed Class 3であると共に、4K対応も謳っているので、AVCHDのFullHDごときの録画に支障をきたすはずがありません。
 が、「カードの書き込み速度不足のため記録を終了しました」というエラーが発生します。過去1回しか起きていなかったため、偶然かと思い気にしていなかったのですが、再発しました(合計2回起きています)。
f:id:kachine:20161205033826j:plain
 読み書き最低30MB/sを謳うUHS Speed Class 3のカードで、まさか24Mbps(=3MB/s)の映像が書き込み速度不足で記録できないなんて。
 今回再発した際は30分弱の長回しをしていた際に発生しましたが、こんな有様では撮り直しのきかない録画には信頼して使えません。
 ちなみにこの症状が発生した場合、GM1sの画面表示は上記画像のように書き込み中アイコンが表示されたままとなります。そして、数秒や数分で記録が完了することも無く、バッテリーが切れるまでこの状態のままとなります(電源スイッチをOFFにしても切れません)。バッテリーを引っこ抜けば良いのかもしれませんが、その場合記録中の映像が失われる可能性もあり、(すぐに撮り直せるのでない限り)試行してみるのは厳しいでしょう。すなわち、この状態のGM1sはただのバッテリーを食い潰すだけの荷物と化します。
 なお、バッテリーが放電し尽した後に、別のバッテリーを投入して確認したところ、問題が発生した際に記録していた映像は再生画面に現れず、失われたかのように思えました。が、帰宅後PCで確認してみると、

\PRIVATE\AVCHD\BDMV\STREAM

 に格納される映像ファイル本体(%05d.mts)は、録画が停止した直前まで幸いなことに普通に記録されていました。一方、

\PRIVATE\AVCHD\BDMV\CLIPINF

 に映像ファイルごとに作成されるCPIファイル(%05d.cpi)が、問題が発生した映像については0バイトとなっており、このためにGM1s本体では認識できなかったのだと考えられます。AVCHD規格としての整合性が崩れている状態のため、データを別のストレージに移動してフォーマットするまで、このSDカードで撮影を継続するのは危険な感じがします。
 

偽物?

 THN-M302R0640A2は東芝の海外市場向け製品ということで安価に購入しており、国内の東芝のサポートは受けられないことは認識しています。ところで、海外市場向けというのは、どこの市場に向けた製品なのでしょう?そこで、海外のTOSHIBAを調べてみることにしました。
 アメリカの東芝の製品情報にはこのmicroSDについて記載されていません。というか、言語指定:英語でこの製品名をbingで探したところ、ebayしかヒットしませんでした。一方、言語指定:繁体字簡体字でbingで検索すると多くのページがヒットしました。但し、toshiba.*的なドメイン名のページは見当たりません。
 探し方が悪いのかもしれませんが、THN-M302R0640A2の公式な製品情報を見つけることは出来ませんでした。ただ、日本国内でも特定の量販店向けのオリジナルモデルを称する製品などでは、製造元メーカーサイトに掲載されていなかったりするので、直ちに偽物であると判断することはできないでしょう。
 

SDカードの製造情報を調べる

 SD insightを使ってTHN-M302R0640A2の情報を読み出してみたところ、以下の通り。
f:id:kachine:20161207192722j:plain
 SDカードのCID領域には製造元/OEM共に、正規の東芝のIDが記録されていました。2016年8月製造という点も、流通サイクルを考えると製品パッケージに記載されていた台湾製表記と、10月に日本国内で購入した事実と照らし合わせてそんなもんなのかなと思えます。
 CID自体を捏造した模造品という可能性も否定はできませんが、そんなもんが出回っているなら東芝なりSDAが知的財産権侵害で怒りの鉄槌を下しているはずなので、可能性としては低いのではないかと思います。

 ということで残念ながら客観的には本物とも偽物とも断定できる材料が無く、判断が付きません。製品パッケージに東芝ホログラムがあったことと、SDカード自体に記録されたCID情報から察するに、主観では本物でろうと思います(期待します)が。
 

まとめ

  • 記録パフォーマンスが安定しないSDカードが存在する
    • UHS Speed Class 3でも、そのクラス基準に反し24MbpsのAVCHD記録でさえ間に合わないSDカードが存在する
      • 外市場向け製品では不良品としてクレームを出す先がない
        • 販売店の初期不良交換期間内に、問題点を洗い出すため酷使するテストを実施する必要がある
          • 時間的余裕がある時に、安価なSDカードは購入した方が良い
          • 或いは初期不良交換期間が長い販売店で購入した方が良い
  • こういった面倒を避けるには、時間を金で買う的発想で高価でも国内正規流通品を購入するべき

 SD規格の大本であるSDAの創設企業であるPanasonic/TOSHIBAの機器-メディアの組み合わせでもこんなことが起きるなんて、(偽物ではない前提で)ちょっと意外です。microSDをアダプタ介して標準サイズのSDカードとして使用している点も一因ではないかと気にはなりますが、今回はmicroSDに同梱のアダプタを使用しているため基本的には問題ないはずです。
 とりあえず、対策としては異常時に困らないように複数の機材・メディアを持ち歩き、撮り直し出来ない系の撮影時には(手元の機材で厳しめの条件で検証済の)十分信頼できるメディアを使うようにすることでしょうか。 
 



以上。