KORG iMono/PolyをiPhone 5sで試す

 2017年8月末にiOS向けのiMono/PolyがKORGよりリリースされました。
 その名の通り、KORGのかつてのアナログシンセサイザーMono/Polyをソフトウェアで再現したアプリとなっています。

 なお、9月末までリリース記念価格の2400円で販売されていましたが、通常価格は3600円となっています。
 まだまだ使い込んではいませんが、iPhone5sの小さな4inchのタッチパネルでどんな感じに使えるのかを紹介します。
 

ファーストインプレッション

 前作のiOSアプリ、KORG ARP ODYSSEiで経験したのと同様に、小さなスクリーンでは使いにくいであろうことは予期していましたが、その予想通り操作し辛いです。
wave.hatenablog.com

 iPhoneシリーズでもPlusのようにスクリーンサイズの大きめの端末であれば、また違った操作性になるかと思いますが、やはり大画面のiPadシリーズで利用するのが快適だと思われます。

 なお、アナログシンセMono/Polyの実機は所有していないため、出音の再現性については私には判りません。同じアナログシンセでも音色メモリが可能なPolysixとは異なり、Mono/Polyはメモリが不可能でしたし、両機ともMIDI非対応だったのが、ソフトウェア化によりMIDIコントロール可能になるのは大きなメリットでしょう。外部シーケンサから演奏させることもできますし、KORG Gadgetを導入していればGadgetとして扱うこともできますので、現代的な楽器としての利便性を享受することができます。
 

画面構成

 iPhone 5s(1136x640pixel)で取得したスクリーンショットを元に加工していますので、より高解像度なiPhone/iPadでは異なる画面表示となる可能性が有る点にはご留意ください。
 

VCO/VCF/VCA

iMono/Poly VCO/VCF/VCA screen
シンセサイザーとしての主要なパラメータはこの1画面に収まっており、合理的な配置であるものの如何せん小さくて操作し難い感じ。リアルタイムパフォーマンスは無理。ちょこちょこパラメータ弄って音作りするような用途では我慢できる(主観)。
Polysixと異なりクロスモジュレーションが使える点も、もちろん再現されている。
 

EFX

iMono/Poly Effect screen
↑主にエフェクター(とアルペジエーター)が配置された画面。実機と異なり、コンプ、リミッター、EQ、エンハンサー、エキサイター、トーキングモジュレータ、デシメータ、フランジャー、フェーザー、コーラス、ディレイ、リバーブといったエフェクトをいずれか2系統使用可能となっています。その中には"Polysix Ensemble"という名称のエフェクトも有り、Polysix実機のBBD素子によるアンサンブル効果をシミュレートしたとされています。
 

PATCH

iMono/Poly Patching screen
↑パッチと言っても音色プログラムの意味の方ではなく、モジュレーション元と先を繋ぐ方のパッチです。スクリーンショットから明らかなように、8系統のパッチングが可能です。
 

XY Pad

iMono/Poly XY Pad screen
↑KAOSSPAD同様の2つのパラメータを同時に可変できる2軸のパッドが2系統利用可能です。
 

Program Load

iMono/Poly Program select screen
↑音色プログラムはカテゴリ分けされており、比較的探しやすく整理されています。なお、上部のプログラム名の右側に表示された▲▼ボタンで音色プログラムを切り替えることも可能です*1
 

Program Save

iMono/Poly Program save screen
↑音色プログラム保存機能はアプリ化の最大のメリットかもしれません。
 

Settings

iMono/Poly setting screen
↑音色プログラムに依存しない系の設定が集約されています。
 

Info

iMono/Poly information screen
↑たいした情報はありませんが、バージョン情報などが確認できます。
 

In-App Purchase

iMono/Poly In-App purchase screen
↑追加の128音色を600円で購入可能。
 

MIDI Control Change Settings

iMono/Poly MIDI CC setting screen
↑各パラメータに対応するコントロールチェンジ番号を変更可能となっています。
 

iOS側の設定画面

iMono/Poly settings
↑アプリの挙動の根幹にかかわる系の設定が集約されています。
 

取扱説明書

 詳細な説明はKORG公式のPDFマニュアルに概ね掲載されています。
iMono/Poly 取扱説明書 J1 | KORG
 

KORG Gadget内のiMono/Poly

 KORG Gadget内ではiMono/Polyに相当するGadgetはMontpellierという名称になっており、フランスの都市名(モンペリエ)が使われています。Mono/Polyとフランスのモンペリエに何か関連があるのかは見当がつきませんが、Mono/PolyのようにMで始まりPが途中に使われている世界中の都市名を適当に探したらMontpellierがヒットしたとかだったりするのでしょうかね?
 

初回起動時

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↑iMonoPolyの音色をKORG Gadgetで使用するか確認されます。インストールを選択することで、Montpellierが使用可能になります。
 

縦画面時

 以下のように、Synth/Mod/Amp/Efxの4つの画面を切り替えて使用することになります。

  • Synth
    f:id:kachine:20171004081928p:plain
    ※以下、上部のシーケンサ部を除去してMontpellier部分のみを掲載
  • Mod
    f:id:kachine:20171004081955p:plain
  • Amp
    f:id:kachine:20171004082018p:plain
  • Efx
    f:id:kachine:20171004082056p:plain

 

横画面時

 以下のように、Synth/Amp/Efxの3つの画面を切り替えて使用することになります。縦画面時のSynthとModが統合されて横画面のSynthになっているような構成です。

  • Synth
    f:id:kachine:20171004082137p:plain
    ※以下、上下のトラック名とトランスポート部を除去してMontpellier部分のみを掲載
  • Amp
    f:id:kachine:20171004082204p:plain
  • Efx
    f:id:kachine:20171004082227p:plain

 

 主観ですが、縦・横いずれの場合も画面が狭くて積極的に音作りをしようとはあまり思えません。やはりiPadで使用するのが適しているのだと思います。

 



以上。

*1:この場合、選択中のカテゴリ内でサイクリックにプログラムが切り替わる動作をし、カテゴリを跨いでプログラムチェンジされるわけではない模様。