Adobe Lightroom Classic CCがリリースされた

 2017/10/19にLightroom Classic CCがリリースされました。
 今回は久々の大型Updateで名称まで従来のLightroom CCから変わっています。ややこしいですが同日リリースのClassicが付かない方のLightroom CCは従来のLightroom CC 2015.12の直接の後継製品ではありません。
 今回のUpdateではリブランドを伴っており、従来型LightroomはClassicという語が追加された名称になり、Classicが付かない方のLightroom CCはクラウドベースのアプリケーションとしてデビューしたとのことです。
Adobe Creative Cloud Lightroom Classic Update Notify

 ちなみに直前のバージョンはLightroom CC 2015.12 (6.12)/Adobe Camera Raw 9.12.1でした。今回のLightroom Classicには年号のようなバージョン表記は打ち出されていないようで、7.0となるようです。また、Adobe Camera Rawは10.0に更新されています。

 なお、日本語では以下のページに新機能が掲載されています。
新機能 | Adobe Lightroom Classic CC
 

インストールと初回起動など

インストール

 今回の更新では6.12から7.0へメジャーバージョンが変わっていることもあってか、既存バージョンを残したまま新規バージョンをインストールすることも可能になっています。
 Creative Cloudの画面から[アップデート]を押した後、[詳細オプション]を押すと、以下の画面表示となります。
Adobe Creative Cloud Lightroom Classic Update
 デフォルトでは「以前のバージョンを削除」にチェック入っているので、チェックボックスを非選択状態にしてから[アップデート]を押すと既存バージョンも維持できます。
 

初回起動

 既存カタログの変換が必要なようで、以下のようなダイアログが表示されます。Lightroom 4から5に変わった時と同様に、今回も従来バージョンとカタログファイルの後方互換性が無いようです。
Adobe Lightroom Classic CC Catalog upgrade dialog
 変換後のカタログは変換前のカタログと同一パスに、"元のカタログファイル名-2"という名称で作成されるようです。

 なお、変換後数回いじってしまった後ですが、参考までにデータボリュームを比較すると以下の通りでした。

- 変換前 変換後 備考
.lrcatファイル 1.28GB 781MB 約59.4%に縮小
Previews.lrdataディレクト 75.7MB 15.3GB 約200倍に増加

 カタログファイル本体は小さくなっていますが、プレビューサイズが約200倍に激増しています。これが後述の画像選択の高速化などに寄与しているのかもしれません*1

 カタログ変換後には、新機能を紹介する以下のスプラッシュが表示されます。
Adobe Lightroom Classic CC New feature
 

バージョン情報

 Lightroom Classic CCのバージョン表記はシステム情報ダイアログ及びAboutダイアログで確認できます。
Adobe Lightroom Classic CC 7.0システム情報ダイアログ
Adobe Lightroom Classic CC 7.0

 なおExifの"Software", "Creator Tool", "History Software Agent"の3つのキー項目に記録されるメタデータは"Adobe Photoshop Lightroom Classic 7.0 (Windows)"となっています。
 直前の2015.12こと6.12ではこれらのキーに格納されたのは"Adobe Photoshop Lightroom 6.12 (Windows)"でしたから、メタデータにもバージョン番号が反映されただけではなくClassicへの名称変更もしっかりと反映されています。
 

新機能

 前述の初回起動時のスプラッシュスクリーンと同じですが、冒頭に記載したAdobeのサイトに拠れば以下の4件が新機能として挙げられています。

  • 新しい名称:Lightroom Classic
  • パフォーマンスの大幅な向上
  • より迅速な画像選択
  • 精細な選択範囲の調整に使用する範囲マスク

 1点目は名前が変わっただけなのでどうでもいいですが、2点目,3点目は使い勝手や作業効率に大きく影響を与えるだけに地味ながらうれしい改善点です。
 実際に新機能と呼べそうなのは4点目だけで、加工対象とする領域を指定するマスクの機能が拡充されました。
 
 Update後に何枚か現像してみましたが、実際にパフォーマンスが若干改善されているのが体感できました。

 が、Updateに伴う不具合らしき挙動も確認しています。

 具体的には映像ファイルを含むディレクトリを、カタログにインポートしようとすると、固まったようになります*2
 以前も以下の投稿に記載しましたが、dynamiclinkmediaserverというプロセスが延々と映像を読み込んでいるようです。
Lightroomの読み込みが異様に遅い/SDカードが取り外せなくなる - 記憶は人なり
 このdynamiclinkmediaserverプロセスを強制終了することで静止画だけは普通にカタログにインポートされます。但し、映像ファイルに問題があるかのようなダイアログが表示され、カタログに映像ファイルは登録されません*3
Adobe Lightroom Classic CC video import failed

 また、Update前からメモリ消費量は激しいため、Updateに伴う不具合というわけではありませんが、メモリ食い過ぎでWindowsに殺されそうになることがあります*4。パフォーマンスの大幅な向上が謳われてはいますが、メモリマネジメントは相変わらずのような気がします…。
Adobe Lightroom Classic CC memory shortage

 なお、プラグインは従来のものがそのまま動作するようです。全てを検証したわけではありませんが、Lightroom SDK 6.0を利用したLUAで記述した自作プラグインなどはそのまま動作しました。
 

新しいカメラとレンズのサポート

 Camera Raw 10でも個人的に期待しているYI M1のサポートは相変わらずまだですが、新たに9モデルのカメラがサポート対象になりました。
 但しCANON EOS M100、SONY RX10M4についてはpreliminary supportとのことで、まだ完全サポートではありません。また、SONY RX0についてはAdobe Standard color profile以外のカラープロファイルは含まれないようです。

 また、レンズではカメラレンズ24製品とApple iPad Pro及びSamsung Galaxyの一部が新たにサポートされるようです。

 



以上。

*1:だとするならば、遅いHDDベースのマシンではむしろパフォーマンス悪化しそうな気も。

*2:実際には激烈にパフォーマンスが悪いだけかもしれませんが、とても耐えられるパフォーマンスではありません。

*3:個人的には映像をLightroomで扱うことはないので、実用上問題は感じませんが…。

*4:相変わらず空きメモリではなく搭載メモリの全てをLightroomで使用可能だと思ってそうな挙動のような気が…。