映像加工の実験用に4K撮影対応カメラを探していたところ、所謂GoProクローンの一つとしてEKEN H9というのが見つかりました。
こちらの記事によると秋葉原の店頭で輸入品が売られていたりするようです。
4K対応/無線LAN搭載で実売9,980円のアクションカメラが販売中 - AKIBA PC Hotline!
GearBest等の海外通販で探すと、現在ならわずか5000円前後で購入できるようです。
そんなに安いのならと軽い気持ちで買ってみるかという気にもなるのですが、スペックを調べたところ残念なことが解りました。
どうやらイメージセンサにOmnivisionのOV4689が搭載されているようです。
このセンサは最大解像度2688x1520の4MPでしかなく、4K(3840x2160)に必要な約8MPの半分の画素数しかありません。
ということで、水平垂直方向に約1.43倍の画素補間を行って4K映像を生成しているわけで、4Kの最大(にして唯一)のメリットである解像感には期待できないようです。
なお、EKENは大量にGoProクローン系のアクションカムをリリースしているようです。
4K Action Cam
その中にはH8というモデルもあり、H9より小さい番号なので廉価モデルかと思いきや、逆に上位モデルのようです。
H8を海外通販で探すとH9の倍近い価格にはなりますが、それでも1万円前後で購入できるようです。
以下に、EKEN H9とH8のセンサ回りの簡単な比較をまとめます。
EKEN H9/H8搭載センサ比較
Model | Chipset | Image Sensor | Sensor Native Aspect Ratio | Sensor Native Pixels |
---|---|---|---|---|
EKEN H9 | Sunplus 6350 | Omnivision OV4689 | 16:9 | 2688x1520(4MP) |
EKEN H8 | Sunplus 6350 | Sony IMX078 | 4:3 | 4072x3044(12.4MP) |
Omnivision OV4689
- 最大解像度での読み出し: 2688x1520@90fps
- 最速フレームレートでの読み出し: 180fps@1344x760
- 1080p以上での最速フレームレートと解像度: 120fps@1920x1080
SONY IMX078
- 最大解像度での読み出し: 4000x3000@42fps
- 最速フレームレートでの読み出し: 1000fps@1332x74
- 1080p以上での最速フレームレートと解像度: 60fps@2000x1126
EKEN H9/H8録画モードと搭載センサスペックから判断した画素補間有無
EKEN H9
- 画素補間有
- 4K @ 25fps (3840*2160 pixels)
- 2.7K @ 30fps (2704*1524 pixels)
- 画素補間無
- 1080p @ 60fps (1920*1080 pixels)
- 1080p @ 30fps (1920*1080 pixels)
※OV4689は前述の通り2688x1520以上の画素は無く、4K及び2.7Kには画素が足りない。
このため、Sunplus 6350側で記録解像度に応じてアップスケール(拡大)処理が行われていると判断。
EKEN H8
- 画素補間無
- 4K @ 30fps
- 2.7K @ 30fps
- 1080p @ 60fps
- 1080p @ 30fps
- 720p @ 120fps
※IMX078には3840x2160、1920x1080、1280x720といった標準的な動画解像度での読み出しモードは無い。
このためSunplus 6350側で記録解像度に応じてクロップまたはダウンスケール(縮小)のいずれかの処理が行われていると考えられる(どちらかは不明)。
ダウンサンプリングでもリスケーリングの発生が許せないなら、SONY FDR-X3000等の機材を検討するのが無難でしょう。
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以上。