AQUOS ZETA SH-01Gの動画スペック詳細

AQUOS ZETA SH-01G camera
 docomoブランドで発売されていたSHARP製のAQUOS ZETA SH-01Gの動画機能を検証しています。静止画カメラとしてはRICOHが立ち上げたGR certified認定制度の第一号機となっていたり、動画についても4K解像度での撮影が可能であるといった特徴がありながらも、ビットレートやフレームレートはどんなもんなのか、或いは使われているイメージセンサは何なのかなど、公式スペックでは良く判らない点もあります。
 以下に実機を使ってみた上で判った情報を記載しておきます。
 

Android 4.4時

 まずはAndroid 5.0へUpdateする前のプリインストールされているSHカメラで撮影した映像ファイルを分析してみました。撮影解像度は4K(3840x2160)を指定しています。

ファイル形式
3gp
フレームレート
約30fps (VFR)
ビットレート
約32Mbps (映像+音声128kb/s)
映像コーデック
H264 (YUV420p)
音声コーデック
AAC (48KHz)

 音声付き動画のメタデータ例を以下に示します。

  Metadata:
    major_brand     : 3gp4
    minor_version   : 0
    compatible_brands: isom3gp4
  Duration: 00:00:37.16, start: 0.000000, bitrate: 31293 kb/s
    Stream #0:0(eng): Audio: aac (LC) (mp4a / 0x6134706D), 48000 Hz, stereo, fltp, 128 kb/s (default)
    Stream #0:1(eng): Video: h264 (Constrained Baseline) (avc1 / 0x31637661), yuv420p, 3840x2160, 30998 kb/s, SAR 1:1 DAR 16:9, 29.74 fps, 90k tbr, 90k tbn, 180k tbc (default)
  Metadata:
    major_brand     : 3gp4
    minor_version   : 0
    compatible_brands: isom3gp4
  Duration: 00:00:30.93, start: 0.000000, bitrate: 31945 kb/s
    Stream #0:0(eng): Audio: aac (LC) (mp4a / 0x6134706D), 48000 Hz, stereo, fltp, 128 kb/s (default)
    Stream #0:1(eng): Video: h264 (Constrained Baseline) (avc1 / 0x31637661), yuv420p, 3840x2160, 31746 kb/s, SAR 1:1 DAR 16:9, 30.71 fps, 90k tbr, 90k tbn, 180k tbc (default)

 

 音声無し動画のメタデータ例を以下に示します。ビットレートは音声付きの場合と変わらず約32Mbpsのため、音声無しで記録した方が、映像に割けるビットレートは128kb/s分だけ向上すると考えて良さそうです。

  Metadata:
    major_brand     : 3gp4
    minor_version   : 0
    compatible_brands: isom3gp4
  Duration: 00:00:08.80, start: 0.000000, bitrate: 32442 kb/s
    Stream #0:0(eng): Video: h264 (Constrained Baseline) (avc1 / 0x31637661), yuv420p, 3840x2160, 32076 kb/s, SAR 1:1 DAR 16:9, 30.91 fps, 90k tbr, 90k tbn, 180k tbc (default)
  Metadata:
    major_brand     : 3gp4
    minor_version   : 0
    compatible_brands: isom3gp4
  Duration: 00:00:07.83, start: 0.000000, bitrate: 32415 kb/s
    Stream #0:0(eng): Video: h264 (Constrained Baseline) (avc1 / 0x31637661), yuv420p, 3840x2160, 32001 kb/s, SAR 1:1 DAR 16:9, 30.92 fps, 90k tbr, 90k tbn, 180k tbc (default)

 

Android 5.0時

 OS Update後も同一ハードウェアですから、当然ながら基本的に同じ映像スペックとなっています。約30fps(VFR)で約32MbpsのH264映像ですが、コンテナ形式は変わっており、3gpではなくmp4となっています。

 音声無し動画のメタデータ例を以下に示します。

  Metadata:
    major_brand     : mp42
    minor_version   : 0
    compatible_brands: isommp42
  Duration: 00:00:19.09, start: 0.000000, bitrate: 32274 kb/s
    Stream #0:0(eng): Video: h264 (Constrained Baseline) (avc1 / 0x31637661), yuv420p, 3840x2160, 31935 kb/s, SAR 1:1 DAR 16:9, 30.91 fps, 90k tbr, 90k tbn, 180k tbc (default)
  Metadata:
    major_brand     : mp42
    minor_version   : 0
    compatible_brands: isommp42
  Duration: 00:00:16.21, start: 0.000000, bitrate: 32349 kb/s
    Stream #0:0(eng): Video: h264 (Constrained Baseline) (avc1 / 0x31637661), yuv420p, 3840x2160, 31950 kb/s, SAR 1:1 DAR 16:9, 30.91 fps, 90k tbr, 90k tbn, 180k tbc (default)
  Metadata:
    major_brand     : mp42
    minor_version   : 0
    compatible_brands: isommp42
  Duration: 00:00:18.08, start: 0.000000, bitrate: 32175 kb/s
    Stream #0:0(eng): Video: h264 (Constrained Baseline) (avc1 / 0x31637661), yuv420p, 3840x2160, 31817 kb/s, SAR 1:1 DAR 16:9, 30.91 fps, 90k tbr, 90k tbn, 180k tbc (default)

 

Cinema FV-5

 (機種に依存するものの、)ISO感度の指定や露出補正が可能なスマートフォンにしては豊富なマニュアルコントロールが可能なビデオカメラアプリのCinema FV-5でどこまで制御可能か試してみました。

  • Cinema FV-5でも4K解像度での撮影が可能。
  • 一度録画すると、ライブビューを一旦終了して再度ライブビューを開始するまで(一旦設定画面などに遷移して、再度撮影画面に戻ってくるまで)、ISO感度や露出補正の設定変更を行ってもライブビューに反映されません。
    • そもそも、録画開始前のライブビュー画面では一見するとISO感度の指定や露出補正が可能ですが、最初の1フレーム目以外はフルオートで撮影されてしまうようで、正しく機能しないようです。
  • Cinema FV-5ではAFポイント指定後撮影開始すればフォーカスポイントが動くことはないはずですが、画面内の動きにつれて標準カメラアプリのようにフォーカスポイントが不本意に動いてしまうことがあるようです(気付かないうちに画面に触れてしまったため、リフォーカス動作となっただけかもしれませんが、原因は切り分けできていません)。
  • MFは使えないようです。
  • ビットレートの指定は有効に機能する(但し最大32Mbpsまでしか指定できない)。*1
  • フレームレートの指定も有効に機能していると思われる(VFRのため完全に指定した通りのフレームレートとはならない)。

 



以上。

*1:長時間撮影の実験は行っていないが、10分程度なら32Mbps指定時でも安定して録画可能だった。