ベルギーチョコレートのパッケージに"Belgian chocolate"と書かれていました。
チョコレートの綴りから英語表記だろうと思ったのですが、それなら"Belgium chocolate"ではないかと思ったのです*1。
で、調べてみたところ、英語の"Belgium"は「ベルギー」、"Belgian"は「ベルギーの」といった意味のようです。すなわち日本でいう、"Japan"と"Japanese"の関係に相当するようです。
ちなみに、外務省のサイトによれば2016年で日本とベルギーが修好通商航海条約を結んでから150年となったそうです。単純計算して1866年に条約を締結したことになりますが、この年は薩長同盟が成立した年でもあります。日本が開国して間もない頃からの長いお付き合いのある国ということになります。
外務省: ベルギーという国 - 日本・ベルギー友好150周年
ところで、Google翻訳で"Belgium"および"Belgian"を発音させると、カタカナ表記では「ベルジャム」、「ベルジャン」的な発音に聞こえ、何れも「ベルギー」とは聞こえません。
このことから察するに、日本語の「ベルギー」は恐らく英語圏ではない国に由来するのではないかと思われます。
当のベルギーの公用語を調べてみると、オランダ語、フランス語、ドイツ語の3つだそうです。
それぞれ、蘭語表記では"België"、仏語表記では"Belgique"、独語表記では"Belgien"となるようですので、この何れかが「ベルギー」的な発音なのでしょうか。
ということで、改めてGoogle翻訳に発音してもらい、無理やりカタカナ表記にしてみると、蘭語は「ベルヒエ」、仏語は「ベルジッキ」、独語は「ベギエン」的に聞こえます。
どれも「ベルギー」っぽく聞こえる音はありません。
ということで、何故日本語で「ベルギー」と発音・表記しているのかいまいち判りませんでした。
ちなみに開国前から出島で交易のあったポルトガルでは"Bélgica"だそうで、「ベルジカ」的な音に聞こえますので、ポルトガル語由来とも考えにくいです。
が、蘭語の"België"を英語として発音させてみると「ベルギー」と聞こえることに気付きました。
開国して間もない頃、日本政府筋に近い蘭語に疎い英語圏の人が、日本で"België"をベルギーと呼んでいたとかそんな事情があるのでしょうかね?
グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)を「イギリス」と呼称するぶっ飛んだ言語である日本語にしては、「ベルギー」は元の発音の面影が残っていると見るべきなのかもしれませんね。
以上。
*1:というか、個人的には"Belgian"という語を知らなかったということもありますが。