Windows98世代のころは自作PCを組んでましたが、昨今は主にノートPCばかり使っており、デスクトップPCは暫く使っていませんでした。そんなわけで最近のデスクトップPC事情には疎いのですが、OpenCLや機械学習のためにディスクリートGPUを使いたいと思い、完成品のデスクトップPC(正確にはHP製のワークステーションZ220)を入手して準備していました。
そんな中、最近話題になったマイニング用RX470の放出品を手に入れたので、装着していたところ気づきました。
マイニング用RX470には8ピンのPCIe補助電源入力端子が付いているのに、このマシンのPCIe補助電源は6ピンしかないと…。
注意事項
私が試したHP製ワークステーションZ220や、後述のAmazonレビューで見かけたMacProが大丈夫だからと言って、他のマシンでも安全に試せるわけではありません。
75Wの負荷しか想定していないケーブルに、150Wの負荷を接続したら最悪燃えます。要するに、6.25Aまでしか流せないケーブルに、2倍の12.5Aの電流を流したら過電流で最悪燃えます。
PCを壊すどころでは済まず、火災の危険性があります。何の思慮もせず無暗に試さないでください。
以下、試す場合はリスクを認識の上、自己責任で実行してください。私は何の責任も負えません。
事前調査
RX470の購入前に消費電力が150Wであることは確認していました。また、手持ちのHP製ワークステーションZ220のオプションには150WのGPUが存在していたことから、電源は大丈夫だろうと思っていましたが、結果的には読みが甘かったです。
仕方ないので電源の買い替えも考えたのですが、HPのマザーボード側の端子が普通のATX規格とピン数が異なり、自作PCのように電源ユニットを交換することはできません。
そもそも150WのGPUがZ220の純正オプションで存在するのだから、PCIe補助電源コネクタのピン数が違うだけでRX470も動かせるのでは?と、考えて調べてみました。
ピンアサイン
PCIe補助電源の6pinと8pinのピンアサインは以下のようになっているようです。調べるサイトによって微妙に違うことが書かれているのですが、概ね下図のような感じみたいです。
ざっくりとした理解では、6pinは最大75Wまで、8pinは150Wまで供給可能で、6pinの右端にGNDとSense2を追加したのが8pinと理解すれば良さそうです。
6pinの下段中央はNo Connectionと書かれていたり12Vと書かれていたりします。また、Sense1, Sense2はGNDに落としていれば良いようです。
ピンアサインを見たところ足りない2pinはどちらもGNDで電力供給に寄与するものではないし、6pinの下段中央に12Vが出力されていれば、そもそも150WのGPUが搭載可能なマシンなのだから8pinと同様に実は150W供給できるのでは?という思いが強まりました。
PCIe 6pin to 8pin変換ケーブル
Amazonを探してみるとPCIe補助電源の6ピンから8ピンに変換するケーブルが見つかりました。
AD-DA™ グラフィックボード・電源コンバータープラグ[ 6pin (メス)ー>8pin(オス)]Apple Mac Pro/Windows PC 対応
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IPOTCH 6ピン?8ピン PCIe エクスプレス パワー コンバータ アダプタ ケーブル グラフィックカードに対応 耐久性 互換性
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安価な中国発送の品のため、届くまで1週間程度かかりましたが、以下のケーブルが届きました。
8ピン側は各端子から各1本の配線が出ています。
6ピン側のGNDとSense1の2端子については画像では見えにくいですが各2本の配線が出ています。これで不足する2端子分をGNDに落としているわけですね。
動作確認
電源投入後に異臭・異常発熱・発煙・発火等の異常が発生した場合に速やかに問題検知するため、ケースの蓋は閉めずに動作確認をすることを強くお勧めします。また、この類の異常が発生した場合には、データやシステムの損傷などは二の次で、火災抑止のため直ちに電源供給を遮断できるよう準備しておきましょう。
また、高負荷を連続して与えても異常が発生しないことを確認できるまで、念のため蓋は閉めない方がよいでしょう。
結果的にHP製ワークステーションZ220では異臭や異常発熱・発煙・発火することもなく、マイニング用RX470を動作させることに成功しています*1。
Windows10環境でCPU及びGPUに連続12時間以上の高負荷を与え続けても問題なく安定動作することが確認できています。
以上。