クリプトン球をダイソーのLEDに変えた

 玄関の電球が切れたので、交換しました。
 

交換前の電球

 交換用電球を買うためには、口金サイズとワット数を把握する必要があるため、取り外した電球の刻印から確認します。
TOSHIBA KR100V54W

 TOSHIBA KR100V54Wの刻印がありますが、検索しても同じ型番の電球はヒットしません。似たようなKR100V54WWAという型番のミニクリプトンランプは東芝ライテックの商品ページでスペックを確認することが出来ました(が、既に生産完了品の表記があります*1 )。
商品詳細:KR100V54WWA | 商品情報検索(商品データベース) | 東芝ライテック(株)

 KR100V54WWAは口金サイズがE17で消費電力が54Wのようです。自宅から取り外した電球とは型番末尾が異なっているので、念のため現物の口金の直径を計ってみると約17mmだったので、E17で間違いなさそうです。また型番の雰囲気的にも54Wっぽい(60W相当の明るさの省エネ型で54Wっぽい)ので、これを目安に交換用電球を探すことにします。

 交換前と同じ東芝でE17の60W相当のLED電球を探すと、以下の製品が該当しそうです。が、安くはありません。

 なお、(配送料を含まず、)本体価格だけで調べると、500円弱でノーブランドのLED電球なら購入することはできそうです。個人的には、製造メーカーにこだわりはありませんが、どこの商品なのか判らないノーブランドの電気器具を使用して、事故が起きると悲惨です。数年後に製品事故が起きるかもしれないことを考えると、メジャーメーカーでなくとも、長期的に国内に販売拠点のある会社の商品を選びたいところです。となるとアイリスオーヤマとかドウシシャ辺りの製品が候補になります。が、ネット通販ではなく身近な実店舗のことも思い出すと、ダイソーという選択肢も浮かんできます。
 

ダイソーのLED電球

 近年では100円ショップのダイソーでもLED電球を扱っているらしい(ただし100円ではない)ので、店頭で確認してみました*2
 店舗により取り扱いは異なるかと思いますが、訪れた店舗では以下のようなラインナップでした。

E26シリーズLED電球

 紛らわしい配置ですが、E26では5種類のLED電球の取り扱いがありました。
ダイソーLED電球(E26)
 整理すると下表のようになります(画像から読み取れない情報は-表記)。

口金 W相当 光束 消費電力 寿命 税抜価格
E26 40 485lm 4.4W 15000h 昼白色 -
E26 60 - - - 昼白色 150 JPY
E26 60 810lm 8.1W 15000h 電球色 150 JPY
E26 60 810lm 7.3W 40000h 昼白色 400 JPY
E26 40 485lm 4.4W 40000h 昼白色 300 JPY

 当然ですが、スペックが高いほど価格も高い(寿命が長い方が値段が高い、明るい方が値段が高い、消費電力が低い方が値段が高い)と言えます。

E26以外の電球

 E26以外のLED電球では、E17の40W相当(光束:440lm, 消費電力:4.3W, 寿命: 40000h, 電球色, 200円)が1種類あるだけでした。E17に関しては、LEDではないクリプトン球(60W)もありました。その他、蛍光灯照明器具でよく使われているE12のナツメ球やFG-1Eグロー球の各3個パックもありました。
ダイソーLED電球(E26以外)
 

ダイソーLEDミニ電球砲弾型(LDA4L-G-E17-T/40W)

 前述の通り、私が訪れた店舗にはE17のLED電球はこの1種類しかなかったので、選択の余地は無くこれを購入しました。
ダイソーLEDミニ電球砲弾型パッケージ

 裏面にはスペックや注意事項などが、詳細に記述されています。
パッケージ裏面

 「省エネ法2017年度目標基準値達成」と表記されているのが目につきます。本投稿記載時点では2019年ですが、簡単に調べてみた限りでは新しい基準値は無いようで、古い基準しか満たせていないという訳ではないようです。
 経済産業省資源エネルギー庁エル・イー・ディー・ランプのエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等(PDF)より、抜粋・引用すると、

1. 判断の基準
目標年度(平成29年4月1日に始まり平成30年3月31日に終わる年度)以降の各年度において国内向けに出荷するLEDランプのエネルギー消費効率(3に定める方法により測定した数値をいう。以下同じ。)を次の表の左欄に掲げる区分ごとに出荷台数により加重平均した数値が、同表の右欄に掲げる基準エネルギー消費効率を下回らないようにすること。

区分名 光源色 基準エネルギー消費効率
1 昼光色・昼白色・白色 110.0
2 温白色・電球色 98.6

 

3 エネルギー消費効率の測定方法
1のエネルギー消費効率は、3-1に規定する方法により測定した全光束をルーメンで表した数値を、3-2に規定する方法により測定した消費電力をワットで表した数値で除して得られる数値とする。

 と規定されています*3。「平成29年4月1日に始まり平成30年3月31日に終わる年度」とは2017年度の意味ですから、パッケージの表示における2017年度目標基準値とはこれを指しているのでしょう。
 上記の経済産業省資源エネルギー庁のPDFに規定された算出式に、パッケージに表示された全光束(440lm)、消費電力(4.3W)を当てはめてエネルギー消費効率を算出すると、
\frac{440}{4.3} = 102.3
 となります。これは電球色相当のLED電球ですから、エネルギー消費効率が基準値の98.6を満たせばよいところ102.3ですので、基準値を余裕で達成しています(数値が大きいほど、少ない消費電力で多くの光を得られていることになり、エネルギー消費効率が良い)。
 

現物

 パッケージ裏面の注意書きと同様の、使用できない器具が印刷されています。
使用できない器具

 少し回転させるとDAISOロゴも印刷されています*4
DAISOロゴ

 さらに回転させるとPSEマークに係る表示が印刷されています。
PSEマーク

 無駄に大きな画像を載せましたが、金具のハンダの盛りや、ケースのバリの具合が視認できると思います。実用上何の問題もないのですが、この辺りは価格相応といったところでしょうか。
 

雑感

 交換前は54W(恐らく60W相当)のクリプトン球だったため、40W相当では暗くなってしまうことが懸念されました。が、主観では特に気になりませんでした(交換前のクリプトン球も劣化して暗くなっていた?)。
 消費電力について実測はしていませんが、仕様の4.3W通りとするならば交換前の54Wの僅か8%程度です。すなわち、約92%も消費電力が削減できたことになります。
 寿命も40000時間とされており、仮に24時間点けっぱなしでも約4年半、1日1時間点けたなら100年以上の寿命があることになります。実際そこまでの耐久性があるのか分かりませんが、200円で買える電球としては十分だと思います。
 メジャーメーカーのLED製品と比べるとどうなのかは判りませんが、省エネ基準を満たし、電気用品安全法を満たしたPSEマークも有り、何の支障もなく普通に使える安価な良い商品だと思います。
 



以上。

*1:一般白熱電球の製造中止のニュースリリースが2010年3月に発表されていますが、その中には「ミニクリプトン電球やハロゲンランプ、反射形電球など、現在のLED電球や電球形蛍光ランプに置き換えることが難しい特殊電球については当面製造を継続する予定」と記載されています。一般白熱電球の製造中止について年間約43万tのCO2を削減 | プレスリリース | 東芝ライテック(株) が、ミニクリプトン電球も既に製造中止となり、現行製品はLED電球に置き換わっているようです。 ミニクリプトン形 | LED電球 | 商品紹介 | 東芝ライテック(株)

*2:店内の画像は、撮影が許可されている店舗で撮影しています。

*3:ちなみに、トップランナー制度 世界最高の省エネルギー機器等の創出に向けて(2015年3月版)(PDF)の86ページにも同じ内容が示されています

*4:照明器具とLED電球の個体の組み合わせによると思いますが、家の玄関の場合、このロゴが見える位置で電球が固定されたためやや格好悪いかも。と、思いつつも、点灯中は明るくてロゴは視認できませんし、消灯時に電球を凝視する客人が居るとも考えにくいです。そもそも誰も電球なんて気にしないでしょうから、特に問題無いでしょう。