Q506/MEのリアパネルとバッテリの取り外し

 年始にジャンクのFujitsu ARROWS TAB Q506/MEがイオシスで格安で放出されていました。
 ジャンク理由はバッテリ膨張のためだそうで、私が購入した個体はキャップ類の欠損や筐体の傷なども特にありませんでした。付属ケースにはそれなりに使用感がありますが、端末本体についてはバッテリを除けばかなり程度の良い状態でした。

 なお、このQ506/MEのバッテリ膨張について、ASCIIなどでは使用上問題ないとメーカーがアナウンスしていると記されています。
https://weekly.ascii.jp/elem/000/000/438/438531/

バッテリー膨張と聞くとやや不安だが、メーカーでも「使用する上で問題はない」とアナウンスしており、基本的な運用には問題なさそう。

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なお、やや心配なバッテリー膨張については、「メーカー側でもバッテリー膨張による使用に影響はないとアナウンスしている」(ショップ)とのことで、実際の運用上における問題はないようだ。

 ですが、富士通のサイトを検索してみた限りでは、上記のようなアナウンスは発見できません。膨張した状態のリチウムイオンバッテリは、一般的には安全上問題がある状態と見做されているはずです。
 というわけで、安全性の観点から膨張したリチウムイオンバッテリを取り外して使用したいと考えました。

【警告】
※Q506/MEのバッテリは近年の殆どのスマートフォンタブレットと同様にユーザーが交換可能な構造になっておらず、取り外しには分解が必要でメーカー保証外*1の行為になります。
※本記事を参考に分解などの作業を行った結果、端末の故障などの問題や、リチウムイオンバッテリの爆発による家屋延焼などの被害が生じても私は一切責任を負えません。自己責任で実施できない方はメーカーに修理扱いで作業を依頼してください。

 

分解する前に

  • 必要なデータはバックアップを取得する
  • ACアダプタを取り外す
  • 安全のため必ずバッテリ残量を空にしておく*2
    (残存エネルギー量を最小化しておくことで、万一作業中にバッテリを損傷し発火(爆発)させてしまった際の被害を最小限に抑えることが期待できます)
  • 周囲に可燃物を置かない

 

リアパネルの取り外し方法

 検索してみると既に分解している方は多くいるようで、リアパネル(リアカバー)がツメで固定されていることは判るのですが、ツメ位置が分かる情報がありませんでした。
 とりあえず、以下のようなスマートフォンタブレットを開ける三角形のギターピックのような工具を用意して、USBポート付近から工具を差し込んで順次ツメを外してリアパネルを取り外しました。

ツメ位置

 結果的に、以下の画像で赤丸で印をつけた個所にツメが存在することが判りました(リアパネル内側の画像なので、実際に作業する際とは左右逆になります)。
Q506/MEリアパネル・ツメ位置

注意点

 なお、リアパネル内側には>PC+ABS-FR(40)<の刻印がありますので、難燃剤*3を含むポリカーボネートとABS樹脂の複合材料で出来ていることも判ります。
Q506/MEリアパネル材質表示
 リアパネルを取り外す際には上記ツメ位置に留意しながら、ツメを折らないように、かつリアパネル自体を割らないように注意して作業する必要がります。リアパネル表面には細かいドットパターンが形成されていることと、冬の室温の低さもあってか、取り外し時に強めの力が加わると、ひび割れします(実際にやらかしました)。リアパネルを引き上げる力がツメの延長線上に集中すると割れるので、力加減には十分に注意した方が良いでしょう。

その他

 リアパネル内側には、PU-151223AKSHというシールが貼られていました。富士通のパーツナンバーか何かかと思いましたが、検索しても何もヒットしませんでしたので、リアパネルを破損させてしまうと部品として購入するのは難しそうです。
Q506/MEリアパネルPU-151223AKSH
 

バッテリの取り外し方法

 リアパネルを取り外すと以下のような状態になっており、Q506/ME本体にバッテリが取り付けられた上に透明のシートが貼られているのが確認できます。バッテリを取り外すためには、この透明シートを剥がす必要があります。
Q506/MEリアパネル除去後

防水シート

 本来ならばこの透明シートの外周が隙間なく両面テープでQ506/MEに密着することで防水性を担保しているような構造に見えます*4。が、私の手元の個体はバッテリ膨張のため以下の画像のように透明シートの上側が剥がれており、水を被れば容易に浸水するであろうと察せられます。
Q506/ME防水用透明シートの浮き
 各種コネクタ部のパッキンが生きていても、バッテリが膨張している個体は同様に透明シートが浮いている可能性があります。この場合、防水性はありませんので、水を被れば一般の電気機器と同じくショートして端末が壊れる可能性がありますし、使用者自身も濡れていたりすれば感電事故の危険性もありますので、水回りでの使用は避けるべきです。
 バッテリ取り外しのためには、この透明シートを剥がします。両面テープで貼られているだけなので、引っ張れば剥がれますが、綺麗には剥がれません。以下のように両面テープはボロボロになります。故にQ506/MEの複雑な形状にフィットする純正品の両面テープを調達できない限り、バッテリ取り外し後に透明シートを戻しても防水性は失われます(ドライヤーなどで両面テープ部分を加熱しながら剥がせばキレイに外せるかもしれませんが、すぐ側に膨張したリチウムイオンバッテリがあるため、爆発等の危険性を考慮すると過熱するべきではありません)。
Q506/ME防水用透明シートの両面テープ
Q506/ME防水用透明シートの両面テープ

バッテリ取り外し

 バッテリはQ506/MEとケーブルで接続されているので、まずはこのケーブルを引き抜きます。このケーブルはQ506/ME側もバッテリ側もコネクタになっており、どちら側も外せますが、まずはQ506/ME側を外すのが良いでしょう。
 次に、バッテリの下側3か所で、Q506/ME本体に固定されているプラスネジを外すと、Q506/MEからバッテリを取り外すことができます。Q506/ME本体から取り外したバッテリから、必要に応じでケーブルを抜きます*5
 バッテリから取り外したケーブルを再びQ506/ME側に取り付けておくと以下のような状態になります。
Q506/MEバッテリ取り外し後
 なお、右側に見える銅色のパーツはヒートパイプ的なもののようで、この裏側にSoCのAtom X5-Z8500が存在すると思われます。ということで、透明シートやリアパネルを取り付けない方が放熱的には有利で、サーマルスロットリングを防いでパフォーマンスが良くなりそうにも思えます。が、透明シートにもリアパネルにもアルミシールのようなものが貼られており、EMIシールドの役割を果たしてそうですので、元に戻しておきます(前述の通り、透明シートの両面テープは激しく損傷していますので、防水性はありません)。

取り外したバッテリ

 激しく膨れ上がっているおかげで、3セルで構成されているのが良く判ります。また、いわゆる型番らしき番号が以下の3種類表示されているのも確認できます。

Product No. FPCBP500
型号 FPB0327
P/N CP710434-01

Q506/MEバッテリ(表)
Q506/MEバッテリ(裏)
 処分方法は自治体によって差異はあるかもしれませんが、基本的には小型充電式電池のリサイクル協力店に持ち込むことになるでしょう。
『協力店・協力自治体』検索 | 小型充電式電池のリサイクル 一般社団法人JBRC
 

バッテリ取り外し後

電源投入

 電源投入後、RTCのエラーが表示されます。バッテリが無くなったことで、RTCの電源も失われたようです。多くのPCにはRTC用のボタン電池が搭載されていますが、Q506/MEにはRTC用の電池は無いようです。
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BIOS画面

 「バッテリの情報が取得できません」という表示で、バッテリが無くなったことが認識されているようです。
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Windows画面

 普通のノートPCでバッテリを取り外した時と表示が違うような気がしますが、「充電していません」「0%」の表示となっています。
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富士通バッテリユーティリティ

 バッテリが存在しないのに、サイクル数表示と消耗状態表示が現れていますし、バッテリー図番CP695045-01というのもQ506/MEのバッテリのP/N(CP710434-01)とは異なります。
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 検索してみると、Q506/MEはサイクル数表示がやたら少なかったり、良く判らないタイミングでリセットされるという報告が多数見つかります。この辺りの実装やっつけなんでしょうかね?(富士通や他社のノートPCも使っていますが、バッテリを外してもこんな挙動はしません。)
 



以上。

*1:そもそもジャンク品なのでメーカー保証は無いですけど。

*2:ACアダプタを接続せずに、BIOS画面で電源が落ちるまで放置するのが良いでしょう。

*3:ハロゲンを含まない有機りん化合物

*4:ちなみに、リアパネルは本体との間にパッキンがあるわけでもなく、防水性には寄与していないと考えられます。

*5:交換バッテリが入手できた際に、このケーブルを再利用する必要があると思われます。