MicrosoftのフリーメールサービスHotmail*1をGoogleのGmail経由で利用しているのですが、どうも今月(2021/6)初頭から繋がらなくなっているようです。一時的な問題かと思い放置していたのですが、継続して繋がらないので調査・対応しました。
発生事象
私のGmailアカウントでからPOP3でHotmailに接続できない状況が2021年6月初頭から発生しました。
Gmail側の履歴を確認すると以下のように"Logon failure: Request Timed Out."と記録されています。
調査
Gmailからは継続的にログオン不能な状態ですので、まずは直接HotmailのWebメール画面(outlook.live.com)にログインを試行してみました。その結果、普通に入れました。つまりHotmail側のサーバーが落ちているとか、第三者にHotmailアカウントが乗っ取られてパスワードが不正に変更されたといった事態では無いことが判ります。
Hotmail側のPOP周りの設定を確認してみると、以下のようになっていました。
一方、Gmail側のHotmailアカウントに対するPOPの設定を確認すると、以下のように設定していました。
両者を比較してみると、POPサーバー名の設定が明らかに異なっています。Gmail側ではpop3.live.comを指定していますが、Hotmail側ではoutlook.office365.comと表示されています。長年のMicrosoftのサービスの変遷により、現在はHotmailはシステム上ではOffice365配下のOutlookの扱いとなっているようです。
対応
上記調査を踏まえ、Gmail側のPOPサーバ名の設定をpop3.live.comからoutlook.office365.comに更新してみたのですが、依然として繋がりません。
というかですね、調べてみるとpop3.live.comもoutlook.office365.comもCNAMEで結果的に同じサーバーを指すようになっています。
$ nslookup pop3.live.com 8.8.8.8 Server: 8.8.8.8 Address: 8.8.8.8#53 Non-authoritative answer: pop3.live.com canonical name = outlook-live.office365.com. outlook-live.office365.com canonical name = outlook.office365.com. outlook.office365.com canonical name = outlook.ha.office365.com. outlook.ha.office365.com canonical name = outlook.ms-acdc.office.com. outlook.ms-acdc.office.com canonical name = HND-efz.ms-acdc.office.com. # 以下略
つまり、POPサーバー名は新旧どちらでも問題なく、この問題の原因ではないことが判ります。
改めて、GmailとHotmailの設定を比較してみると、Gmail側では「取得したメッセージのコピーをサーバーに残す。」のチェックボックスを外しています(すなわちGmail側に取得したメッセージはHotmailから削除する)。一方、Hotmail側では「アプリやデバイスによるOutlookからのメッセージの削除を許可します」のラジオボタンが選択されていません。これは両者で矛盾した設定値に見えます。
受信したメールはHotmailから消えてもらって構わない(というか消えて欲しい)ので、Hotmail側で「アプリやデバイスによるOutlookからのメッセージの削除を許可します」のラジオボタンを選択し、Gmailから再接続してみたところ正常に繋がり、Hotmailアカウントで受信したメールもGmail側に流れてくる状態に回復できました。
これまで数年問題無かった設定でしたので、Hotmail側のラジオボタンの設定が最近追加されたのか、GmailまたはHotmailの内部の挙動に更新でもあったのでしょうかね？
以上。
*1:Windows Live Hotmailを経て現在はOutlook.com扱い
