SUNEAST NVMe SSD SE900 1TBを買った

 激安SSDで有名なSUNEASTのSE900シリーズのM.2 NVMe(PCIe Gen3x4)接続の1TB版SE900NVG3-01TBを購入しました。
 選定理由はNVMe接続でPCIe Gen3x4インタフェースのSSDの中で、最安かつ近い価格帯の中では表記上のスペックでは最速だったため。

 HPのmt46 mobile Thin Client*1に標準装備されているM.2 SATA接続のSSDと交換して、普通に動いています。
 

パッケージ

 紙箱の中にブリスターパッケージが入った構造です。Amazonで購入したところポスト投函で配達されましたが、ポストのフラップに挟まれた程度では壊れないであろうと思われる程度の十分な強度があります。

SE900パッケージ(表)

 国内3年保証と、1Tではなく1024GBと表記してあるのが特徴でしょうか。

SE900パッケージ(裏)

 主な仕様を抜粋すると以下の通りです。

  • 3D NANDを採用
  • MTBF: 1500000時間*2
  • TBW: Max. 448TB*3

 普通の使い方をしていたらTBW到達前にPCを買い替えると思いますので、発売元の旭東エレクトロニクスの3年保証が活かせるうちに壊れることは偶発的故障を除けば無さそうです。偶発的故障もMTBFの約171年を信じると、ロット不良のような重大なやらかしが無い限りは殆どのユーザーは遭遇しないのではないでしょうか。
 

SE900本体

SE900NVG3-01TB(ラベル面)

 ラベル面にはNANDフラッシュメモリだけではなくチップコンデンサなども何もありません。

SE900NVG3-01TB(NAND実装面)

 チップが実装されている面には以下のようなキーパーツが確認できます。

  • 水晶振動子: 25MHz
  • コントローラ: MAXIO MAP1202A-F1C
  • NAND: YMC3G002Tb64CA1C0

 コントローラは中国のMaxio Technology(联芸科技股份有限公司)のMAP1202Aが採用されています。同社としては第二世代のコントローラのようで、低発熱でヒートシンクレスで使えるのが特徴なようです。中華SSDでの採用事例が多そうですが、それに限らず検索してみるとボリュームゾーンを狙ったお手頃価格のSSDで採用されているようです。
DRAM-less PCIe(NVMe)控制芯片 | Maxio

 NANDフラッシュには製造元が判る刻印が無いのですが、型番を検索してみると本投稿記載時点では4件しかヒットしません。
 そのうち、5chの書き込みによれば同じNANDチップはSiliconPower P34A80 1TBにも採用されているようです。
SSDの価格変動に右往左往するスレ162台

 また、中国と思しきサイトにはYMC3G002Tb64CA1C0について「闪存颗粒则是来自长江存储」と書かれており、「长江存储」という企業の製品のようです。
https://post.smzdm.com/p/agqoo99d/
 この企業名をGoogle翻訳にかけると「長江ストレージ」と訳されたり「揚子江ストレージ」と訳されたり、何故か翻訳内容がたびたび変わります。DeepL翻訳にかけてみると「CKストレージ」と訳され、英語に翻訳しても"CK Storage"と訳されます。個人的にCKストレージという会社を知らないのですが、海外サイトの情報によればiPhone 14 ProやiPhone SE3に使用されているNAND供給元の一つのようです。
Apple iPhone 14 / Pro series equipped with CK Storage NAND - TechGoing

 メジャーメーカー製NANDチップではないものの、Appleサプライヤーになれる品質を備えた製造元で、シリコンパワーも同型番のチップを採用しているあたりから察すると、(ハイエンドではないが)粗悪品のようなものではなく、ボリュームゾーンを狙ったコスパ優良品と捉えればいいのではないかと思います(主観)。
 



以上。

*1:シンクライアントを名乗っていますがElitebook筐体に4コア8スレッドなRyzen3を積んだもので、ハードウェア的にはパワフルなノートPCです。恐らくベースモデルはElitebook 845 G7シリーズでM.2スロットはSATAだけではなくNVMeにも対応しています。

*2:24時間365日連続使用と仮定して、約171年という計算。

*3:SE900の他の容量でも共通して、全記憶領域を448回洗い替えたらNANDが持たないという計算。