RaspberryPi PICOのビルド環境構築 on Linux

 Linuxが動く従来のシングルボードコンピュータのRaspberryPiシリーズとは異なり、もっと素朴なマイコンボードのRaspberryPi PICOが2020年に発売になりました。しばらく入手困難な状況でしたが、やっと定価で店頭購入できるような状況になってきたようです。

 単なるマイコンボードなら各種Arduino(及び互換機)を使えばいいのでは?と思うわけですが、RaspberryPi PICOはUSBコントローラを内蔵しているのが大きな違いだと思っています。ほとんどのArduino系のマイコンボードはUSBシリアル変換チップを搭載し、マイコンそのものはシリアル通信しかサポートしてないことがほとんどです*1。ですが、RaspberryPi PICOはUSBコントローラを内蔵しており、USBデバイスを作ることができます。さらには、このコントローラはUSBホストにもなることができるそうです。
 つまり、Arduino系でUSB機器を自作しようと思ったら、基本的にはUSBシールドのようなオプションが必要になります*2。一方、RaspberryPi PICOなら単体でUSBを扱うことができるので、安価かつコンパクトに実装することができます。

 というわけで、RaspberryPi PICOを入手し、Ubuntu20.04に開発環境構築したので手順を残しておきます。

*1:ProMicroのATmega 32U4のように例外もあります

*2:ATmega 32U4のような例外を除く

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YAMAHA YM2414 (OPZ)のWaveform

 YAMAHA DX7に代表される6オペレータFM音源のYM2128 (OPS)や、DX21系の4オペレータFM音源のYM2164 (OPP)ではオペレータの出力波形はサイン波のみでした。後の4オペレータFM音源YM2414 (OPZ)では8種類の波形を選択することができるように機能拡張されました。

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20世紀のKORGのFMシンセサイザー

 FM音源YAMAHAが製品化したことは有名ですが、21世紀に入ってからKORGもFMシンセサイザーを発売しています。2016年のvolca fmや2020年のopsixがそれです。
 実は20世紀にもKORGからFM音源を搭載したシンセサイザーが発売されていました。1986年のDS-8と1987年の707がそれです。DS-8も707もKORG公式には単に「デジタル音源」と称していますが実体はFM音源で、YAMAHA YM2164(OPP)が搭載されていることが明らかになっています。
 と、ここまでは愛好家には有名な話ですが、実はもう1機種あったのをご存じでしょうか?私は知りませんでしたが、1989年のZ3というシンセサイザーが存在したのです。

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