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CASIO EX-FRシリーズ比較

機材

CASIOのデジタルカメラEX-FRシリーズ(カシオ的にはLIFE STYLEという分類)に、新モデルEX-FR200が登場するようです。

EX-FRシリーズはカメラ部と液晶モニタ部が分離することがハードウェアとしての大きな特徴で、一般的なデジタルカメラではとは異なったアングルからの撮影や、アクションカム的な用途での使用が訴求されています。
先述の通り新モデルEX-FR200が登場することもあってか、最初期のEX-FR10がかなり値崩れしており、販売店によっては興味本位で購入してみてもいいかなと思えるような価格になってきています。

いくら安くても、新モデルより顕著に劣っているのでは購入を躊躇してしまいます。というわけで、各モデルの差異を比較してみたいと思います。
まず主要スペックの比較表を掲載し、目についた違いを記載します。
 

比較表

EX-FR200 EX-FR100 EX-FR10
発売時期 2016年9月(予定) 2015年12月 2014年9月
イメージセンサ 1/2.3型裏面照射型CMOS 1/2.3型裏面照射型CMOS 1/2.3型裏面照射型CMOS
総画素数 2114万 1276万 1676万
レンズF値 F2.8 F2.8 F2.8
焦点距離(35mm換算) f=1.35mm(13.4mm)※円周魚眼 f=2.87mm(16mm) f=3.8mm(21mm)
絞り 無(F2.8) 無(F2.8) 無(F2.8)
光学ズーム
フォーカス パンフォーカス AF(コントラスト検出方式) AF(コントラスト検出方式)
フォーカスモード - AF、マクロ、パンフォーカス AF
撮影可能範囲 約40cm~∞ AF:約10cm~∞/マクロ:約3cm~約10cm/パンフォーカス:約55cm~∞ 約10 cm~∞
静止画最大記録画素数 3888x3888(全天周)/7456x1864(パノラマ)/3232x2424(超広角) 4000x3000 4320x3240
動画最大記録画素数 3840x2160(30fps) 1920x1080(30fps) 1920x1080(30fps)

 

レンズ

 EX-FR10から徐々に広角側にシフトしているだけに見えるかもしれませんが、単に若干広い範囲が映せるという話ではなく、EX-FR200では円周魚眼レンズとなっています。
 すなわちEX-FR200で広い範囲が映せることは事実ですが、湾曲した画像が記録されます。良く言えばダイナミックな、悪く言えば大きく歪んだレンズになったということです。すなわちオールマイティなカメラではなく、被写体を選ぶカメラだということです。広大な風景を撮るならば良い意味で活用できるでしょうし、人物を撮るのにはあまり向いていないと言えるでしょう。
 なお、EX-FR100、EX-FR10共に超広角レンズを搭載していますが、16mm相当となるEX-FR100の方が超広角の威力を楽しめるのではないでしょうか(例えば、逆さスカイツリーと呼ばれる写真を撮るには18mm相当より焦点距離の短いレンズが必要)。
 

イメージセンサ・静止画記録画素数

 EX-FR200はシリーズ中最大の画素数を持っているように見えますが、記録画素数を見るとそうでもないことが解ります。
 3つの記録モードがありますが、全天周ではアスペクト比1:1のフォーマット(3888x3888)で記録するため、約15MPしかありません。これではセンサ画素の内6MPほど捨てていることになります。恐らくは、魚眼レンズのイメージサークルに外接する正方形が3888x3888ピクセルだと考えられ、このクラスのイメージセンサのアスペクト比は4:3であることを考えると、5184x3888(約20MP)程度がイメージセンサのRAW出力なのでしょう(※EX-FRシリーズにRAW記録機能は無い)。
 パノラマではカメラ内の画像処理によって位置合わせ&結合処理を行った結果として7456x1864(アスペクト比4:1)になると思われ、超広角も同様に全天周画像をカメラ内の画像処理によって歪みを補正した後周囲をクロップした結果3232x2424(アスペクト比4:3)となるのだと想像されます。
 PCでの加工が面倒でない方にとっては、全天周で撮った画像をPCで加工した方が高画素のパノラマ画像を作成することが可能でしょう(超広角の補正はPCで行っても似たような画素数に落ちてしまいそうです)。
 
 そもそも、魚眼レンズの湾曲を打ち消した普通の画像が欲しいのであれば、EX-FR100やEX-FR10を使えばよいという話です。
 EX-FR100なら4000x3000(12MP)、EX-FR10なら4320x3240(約14MP)であり、新モデルのEX-FR200以上の画素数の画像が得られ、ソフトウェア的に魚眼レンズから超広角に画像処理しているわけでもないので、より高画質な画像が得られることが期待されます。
 一般に、同じ世代のイメージセンサで、同じセンサーサイズなら画素数が少ない方がダイナミックレンジやノイズの観点から有利ですが、EX-FRシリーズの場合いずれも同じセンサーサイズで、EX-FR200が最も高画素なのに記録画素が少ないという最も画質的に厳しい条件が揃っています。
 これらのことから判断するに、普通の写真を撮りたいのなら従来機を選択する方が合理的です。逆に円周魚眼のダイナミックな湾曲した写真を撮りたいのであればEX-FR200一択です。
 

動画記録画素数

 EX-FR200では4K(3840x2160)@30fpsでの記録に対応しているのが、従来機との大きな違いでしょう。
 従来機はFullHD(1920x1080)@30fpsまでの対応で、EX-FR200でもFullHD記録はもちろん可能ですが、30fpsだけではなく60fpsでの記録も可能となっています。
 また、従来機の音声はモノラル記録でしたが、EX-FR200ではステレオ対応したようです。
 動画周りで判断するならEX-FR200が文句無しに優れていると言えるでしょう。
 ※ビットレートについて明示されていないため、他社製品と比較してどうなのかは不明。
 

フォーカス

 EX-FR200ではアクションカムのような割り切りでパンフォーカスだけになってしまいました。40cm以上離れた被写体にピントが合っているように見えるので、まさにアクションカム的な用途では特に不都合は無いのかもしれませんが、それより近い範囲の被写体にはピントが合いません。一般的なデジタルカメラ的な用途では使えない場面も多くあるでしょう。
 ひとつ前の従来機EX-FR100がフォーカス周りでは最も充実しており、普通のオートフォーカスに加えてパンフォーカスとマクロモードを切り替えられます。普通のデジタルカメラに近い感じですね。無限遠は無いですがパンフォーカスがありますし、このクラスのカメラでマニュアルフォーカスを使う機会も殆どないでしょうから、必要十分なのではないでしょうか。
 初代のEX-FR10にはオートフォーカスしかありませんが、よほど悲惨なアルゴリズムでない限りは普通に使えるのではないでしょうか。近接した被写体や、コントラストの低い被写体の撮影時にストレスを感じる可能性はありますが、実機を触ってみないとそこら辺はよく解りません。
 

まとめ

 以上より、EX-FR200は既存モデルの後継機ではなく、派生モデルと言えそうです。動画機能の進化だけを見れば後継モデルと解釈もできないことも無いですが、搭載レンズの差異が大きすぎます。
 前後に魚眼レンズを搭載した全天球カメラのRICOH THETAに対し、その片面の全天周バージョンがEX-FR200といったような感じで、従来のEX-FRシリーズとは異なった被写体を捉えるためのカメラのようです。
 魚眼レンズや全天周に興味が無い方にとっては、EX-FR100/EX-FR10の方が適しているのではないでしょうか。

 



以上。

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