最近になって、ASUS Zenfone 3 Laserが発表されました。後でチェックしようと思っているうちに、既に発売になっているようです。
そもそも、無印Zenfone3にもレーザーオートフォーカスが搭載されたのに、何でZenfone3 Laserを発表したのか謎だったので両モデルの違いを調べてみました。
ASUSの公式サイトには製品比較の機能が無いようなので、両機のスペック表を見比べながらまとめたものが以下になります。
比較表
日本版Zenfone 3 Laser(ZC551KL)とZenfone 3(ZE520KL)の主要項目を比較すると以下の通り。
Item | Zenfone3 Laser | Zenfone3 |
---|---|---|
Model | ZC551KL | ZE520KL |
OS | Android 6.0.1 | Android 6.0.1 |
Processor | Snapdragon430 (octa-core/1.4GHz) | Snapdragon625 (octa-core/2.0GHz) |
Memory | LPDDR3 4GB | LPDDR3 3GB |
Storage | 32GB | 32GB |
LCD size | 5.5inch | 5.2inch |
LCD resolution | Full HD | Full HD |
LCD type | IPS | IPS+ |
GPU core | Adreno505 | Adreno506 |
Camera Pixels | 13MP | 16MP |
Image Sensor | SONY IMX214 | SONY IMX298 |
Aperture | F2.0 | F2.0 |
Focus System | Laser Autofocus | Laser Autofocus |
Image Stabilization | EIS (3axis) | EIS (3axis), OIS (4axis) |
Front Camera | 8MP | 8MP |
Hi-Resolution audio | n/a | max. 192kHz/24bit |
WiFi | IEEE802.11b/g/n | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 | 4.2 |
FDD-LTE band | B1, B2, B3, B5, B6, B7, B8, B18, B19, B28 | B1, B2, B3, B5, B7, B8, B18, B19, B26, B28 |
TD-LTE band | B38, B41 | B38, B39, B40, B41 |
Carrier Aggregation | n/a | 2CA |
W-CDMA band | B1, B2, B5, B6, B8, B19 | B1, B2, B5, B6, B8, B19 |
GSM/EDGE frequency | 850, 900, 1800, 1900MHz | 850, 900, 1800, 1900MHz |
USB connector | microUSB | USB type-C |
SIM card slot | microSIM, nanoSIM*1*2 | microSIM, nanoSIM*3*4 |
Battery Capacity | 3000mAh | 2650mAh |
Power Consumption | max. 5W (approx.) | max. 10W (approx.) |
Size | 149x76x7.9mm (approx.) | 146.8x73.9x7.69mm (approx.) |
Mass | 150g (approx.) | 144g (approx.) |
Source: Zenfone 3 Laser(ZC551KL)詳細仕様(PDF)
Source: Zenfone 3(ZE520KL)詳細仕様(PDF)
主要差異
差異を箇条書きで表現すると、以下のような感じになります。
- 全般
- Laserの方が廉価版プロセッサだが、メモリ搭載量は多い
- Laserの方が少し大きくわずかに重いが、無駄にデカいわけではなく画面もバッテリも大きい
- 通信
- LaserはFDD-LTEのB6にも対応した反面、B26には非対応
- LaserはTD-LTEのB39,B40に非対応
- Laserはキャリアアグリゲーション(CA)非対応
- LaserはDSDS不可(昔ながらのDual-SIM機と同様)
- LaserはIEEE802.11a,acに非対応(5GHz帯のWiFiに非対応?)
- カメラ
- LaserもSONY製イメージセンサ搭載になったが、無印より小型センサで同等の画質は期待できない(後述)
- Laserには光学式手ぶれ補正は無い
- オーディオ
- Laserはハイレゾ非対応
なおスペック表上の差異が無いため上表にも掲載していませんが、Laserも無印もセンサ回りは一通り同じ種類のもの(GPS、加速度センサ、電子コンパス、光センサ、磁気センサ、近接センサ、ジャイロスコープ、指紋センサー、RGBセンサ)を搭載しているようです*5。
カメラ周りの差異
カメラ周りの差異を掘り下げてみると以下の通り。
イメージセンサ
Laserに搭載されるIMX214は対角線5.87mmということで、1/3.06型になるようです。(デジタルカメラとしてみると悲壮感がありますが、)スマートフォンとしては一般的な小ささです。
IMX214 | Sony Semiconductor Solutions
一方、無印の方に搭載されているIMX298は対角線6.521mmで1/2.8型となり、かつての(比較的安価な)普及型コンパクトデジタルカメラと同等のセンサーサイズです。
IMX298 | Sony Semiconductor Solutions Corporation
画素数13MPと16MPという差もあるので、単純に小さいからLaserの方が画質が劣るという話ではありませんが、昨今のミラーレスや一眼レフはもちろん、1インチセンサ搭載のコンパクトカメラ辺りの代用にはならないでしょう。もちろん、用途によってはこれでも十分すぎる性能でしょうけれど。
(なお、IMX214には4K映像出力モードがあるのですが、Laserでは4K動画撮影機能は謳われていません。上位モデルとの差別化のために、実は4K撮影可能だけれども訴求していないのか、敢えて機能を無効化或いは実装していないのか、何らかのアプリやカスタムファームウェア等を導入すれば可能になるのか等、実機をいじってみないと判らないこともあります。)
手ぶれ補正
Laserでは3軸の電子式手ぶれ補正(EIS)のみの搭載となっています。無印は3軸EISに加えて、4軸の光学式手ぶれ補正(OIS)を搭載しているため、この点でもスペックダウンしていることが判ります。(が、価格を見ればコストダウンのためのスペックダウンだということも理解できます。)
まとめ
個人的にはZenfone 2 Laserがリリースされた際にはZenfone 2のカメラ機能強化版だと思っていました。が、末期の凄まじい投げ売りなどから判断するに、Laserはカメラ強化モデルではなく廉価版なのではないかとも思っていました。新モデルのZenfone 3 Laserを見るとやはり廉価版という性質が強く出ていると思います。それでも、従来のZenfone 2、Zenfone 2 Laserが樹脂筐体だったのに対して、Zenfone 3はガラス筐体、Zenfone 3 Laserは金属筐体とモノとしての高級感を高めることには注力しているようです。
廉価版といえどもメタル素材で安っぽさを感じさせず、搭載イメージセンサもSONY製になり、コストをかけるべきところにはしっかりコストをかけつつ、全体のバランスを図りつつ低価格化を実現しているのは好印象を受けます。もちろん上位モデルと比較すれば、プロセッサが遅い、高速なWiFiに対応しない、キャリアアグリゲーションに対応しない、2枚のSIMで同時待受けできない、光学式手ぶれ補正がない、4K動画撮影ができない、ハイレゾオーディオに対応しない、といったデメリットはありますが、どれほどのユーザーが必要としているのでしょうか。それが必要なら無印Zenfone 3(或いはDeluxe)を、そうでなければお買い得なLaserという選択肢を用意してくれたとも考えられますね。
個人的には安価に処分されていたZenfone 2 Laserを購入したばかりなので、Zenfone 3 Laserをすぐに購入することはありませんが、これから買い替えるなら丁度いい端末なのではないかと思いました。
エイスース SIMフリースマートフォン ZenFone 3 Laserシルバー ZC551KL-SL32S4
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以上。