楽天miniでIIJmioとiPhone7で楽天回線運用

 Rakuten Mini (C330)で試用していた楽天モバイルの1年間無料期間が終わってから、数か月使用した感想を記してみます。
※記載内容は2021年9月時点までの体験に基づくもので、今後の楽天モバイルの設備増強等によって現状と乖離する可能性があります。
 

無料期間中の使用感

 私の日常的な行動範囲は主に都内で、地図上では全て楽天圏内となっています。ですが、実際には電波を掴まず繋がらないエリアが存在します。この場合、au回線にローミングで繋がるわけでもなく、通信圏外になります。電波の入りにくい建物内に限らず、屋外でも特定の路地が圏外になったりします。
 これがよく買い物に行くスーパーやコンビニで散発的に発生し、QRコード決済が行えずに慌てて財布を取り出すようなことが起きるのでメインの回線として使用するのは現状では無理だと判断しました。

 アプリ経由で楽天のサポート宛に当該事象が発生する地域等を詳しく説明した改善要望を送ったところ、一週間後位には改善していてスゲーなと思ったことがあるのですが、その後時間帯なのか何なのか、再び改善効果が感じられないこともあり、結局元通りに通信不安定な感じとなっています。楽天モバイルはやたらと仮想化を投資家向け(?)に訴求していますが、たとえソフトウェア無線(SDR)のような技術を投入していたとしても最終的な無線装置(RF)はハードウェアで実装せざるを得ないはずですから、何某かのソフトウェア上のパラメータを変更して、劇的に通信品質を改善させるようなことは考えにくいことです(それを前提とした特殊なハードウェア構成になっているのなら別ですが)。

 以上より、私の感覚では使用料払ってまで常用したいレベルの品質には未だ達していないという判断になりました。
 

無料期間終了後

 月1GBまでは無料で利用可能なため、解約はしないことにしました。どう運用するか考えた結果、楽天回線は物理SIMカードに切り替えて、他の端末で使用することにしました。現在では楽天モバイルSIMカードやeSIMの再発行手数料は無料化されているため、特に費用は掛かりません。
 (楽天モバイルとは無関係に)個人的に新品購入のiPhoneで不快な思いをした経験があり、もうApple製品はなるべく買わないと決めていますが、趣味の音楽系アプリ*1の意欲作がiOSでリリースされることも多く、さすがに手持ちのiPhone5Sではもうつらいので、これを機に楽天回線で動作確認されているiPhone7の中古を購入することにしました。
 また、これまで楽天回線で使用していたRakutenMini(C330)は仕様変更でバンド1非対応になった個体ですが、docomo回線を利用したIIJmioのeSIMで運用することにしました。

 

iPhone 7 with 楽天回線

 普通に使える場所では何の問題もありません。ですが、電波が弱めの場所などではRakutenMiniで使用していた時よりも、通信品質が良くないような感じがします。総じて感度が低いような。また、一度圏外になると、電波が掴める場所に移動してもなかなか圏内表示に復帰してくれないことも多々あります。このような場合は機内モードON-OFFの切り替えで圏内に復帰できますが、率直に言って面倒です。
 国内版のiPhone 7は無線機としては3キャリアどれでも同じ仕様だと思いますが、楽天モバイルのバンド3との親和性はあまり良くないのでしょうか?*2
 というわけで、私の行動範囲では楽天回線をiPhone 7で使用することにしたのは失敗でした。また、久しぶりにiPhoneを購入したので失念していましたが、Androidと異なりiOSにはデータ通信量に応じて警告したりデータ通信を停止する機能が今でも無いようで、無料の1GBを超えそうになったら警告するとか通信を止めるとかいった設定をすることができません。
 日常的な行動範囲内で快適に楽天回線で通信が行えるユーザーなら、上限3278円でデータ通信使い放題なのは悪くないと思います。残念ながら私の利用環境には現状ではマッチしないので、屋外はもちろん建物内でも安定して通信できるよう、改善を続けて欲しいものです。
 

RakutenMini(band1無し) with IIJmio (docomo回線)

 前述の通り私が使用しているのは主に都内で、コロナ禍もあり行動範囲は狭まっていますが、楽天回線で電波が弱かったり入らなかったりした場所でも面白いほど繋がります。band1が使えないため、docomo網とは言えエリアカバレッジは厳しいのではないかと予想していたのですが、いい意味で裏切られました。全然使えます。
 確かにアンテナピクトは最強表示でないことが多いのですが、それでも楽天回線で運用していた時よりも安定して通信が行えているように思えます。ここで言う安定とは、ちゃんと繋がるという意味です。例えば、楽天回線の電波が微弱な屋内でQR決済アプリが数十秒以上応答しないようなことが何度もあったのとは対照的に、ドコモ網のIIJmioではアンテナピクトが最強表示でなくても圏内なら普通にスムーズに決済できます。
 もともとRakutenMiniはおサイフケータイとして使えますが、IIJmioのeSIM契約でQR決済も安定して利用できるようになりました。つまり、小型決済用端末としてとても優秀に利用できるようになりました。この快適性はガラケー時代のSO902iに近い体験で、大画面や高性能を要求しない用途なら、楽天ミニとIIJmioのeSIMの組み合わせはかなり快適です。
 



以上。

*1:特にソフトウェアシンセサイザーの類。

*2:私が購入したiPhone 7は同じくバンド3を使用するauから販売されていた個体をSIMロック解除した個体です。