スカイツリー10周年特別ライティング一覧

 2022年5月22日で東京スカイツリーが開業10周年を迎えました。例年は開業日前後にそれを記念した特別ライティングが実施されていましたが、10周年となる今年はライティングデザインの公募が行われ、今秋に点灯されています。
 

受賞作は10作品

 10/20に公募の結果発表が行われ、受賞した10作品の点灯が開始されています(11/9まで)。
東京スカイツリー® 開業10周年記念 特別ライティングデザイン募集 |イベント|東京スカイツリー TOKYO SKYTREE
 変則的な点灯スケジュールで、全作品が点灯されるのは土日のみ、しかも15分おきに10作品が点灯されるので全部観るには150分=2時間30分程度必要と、なかなか体力を要求されるものとなっています。
 

画像

 以下、各作品を撮影した画像です。※作品によっては動的な演出が加えられているため、その一瞬をとらえたものでしかありません。

東京スカイツリー開業10周年記念特別ライティング(1~5)
東京スカイツリー開業10周年記念特別ライティング(1~5)

 #01が最優秀賞、#02がパナソニック賞、#03~#10はその他の入賞作品となっています。

東京スカイツリー開業10周年記念特別ライティング(6~10)
東京スカイツリー開業10周年記念特別ライティング(6~10)

 

感想

 個人的にはパナソニック賞の作品が一番素敵だと思いました。スカイツリーのLED照明機器を手掛けるパナソニックが選定しただけのことはあって、発色というか全体のバランスが一番良いように感じました。といっても、応募作の「イラスト」から実際の照明点灯用の「制御データ」の起こし方次第で如何様にも変わると思うので、元のデザインの良し悪しではなく制御データの出来が一番好みなだけとも言えます。ちなみにスカイツリーの照明制御もDMXなんだそうです*1。ざっくりとDMXを説明すると、電子楽器などの音楽機材を制御するMIDIの照明機器版のような規格です。MIDIで同じ音源を鳴らす場合でもシーケンスデータの出来の良し悪しで、演奏される楽曲の印象が全然違うのと同じことがDMXでも起こるわけです。
 また、静止画では判別不能ですが#04の足元を照らす照明の照射範囲が動的に変わっているようで、派手な演出ではないものの、どのように実現しているのかその仕組みに興味が湧きます。スカイツリーの照明には直接光を見せる交点照明*2と、塔体を照らして反射光を見せる照明機材があるようですが、後者の機材の照射角を動的に大きく変えることで実現してそうな感じがします。似たような要素は開業5周年で通常ライティングに追加された「幟」にもあるような気がしますが、それよりもかなり大きく照射角を動的に変更できる能力があるようです。ステッピングモーター或いはサーボモーターが組み合わされた照明機材をDMXで動的に動かしているのでしょうかね?
 ちなみに、冒頭にリンクを張ったスカイツリー公式サイトに掲載されている情報を見る限り、受賞作10作品の内ほとんどが女性と思しき応募者名のようです。また、デザインコンセプトの説明文やイラストを見る限りでは子供の応募作と思しきものも複数見受けられます。この類のデザインに男性或いはおっさん層は向いてないのか、そもそも応募してないのか、統計的に興味深くもあります。
 開業後の10年間でスカイツリーのライティングも、ライティング機材もアップデートされていますが、撮影機材も進化しています。中でもスマートフォンのカメラ機能の進化が最も強烈だったのではないでしょうか。水面に映る逆さツリーの撮影スポットとして有名だった十間橋は去年夏頃(?)から三脚使用禁止の掲示がなされ、そうなるとミラーレスにしろ一眼レフにしろカメラ専用機の能力が十分に発揮できません。掲載画像はスマートフォンで手持ち撮影したものをPCで加工*3したものですが、等倍で観賞するとか巨大なサイズで印刷するとかしない限りは実用十分な画質に達していると思います*4
 次の10年の進化も楽しみですね。
 



以上。

*1:ソース: スカイツリーが“躍動感あるライトアップ”に。高さ497mの現場で見た新しい照明の仕組み - 家電 Watch

*2:ピントが合った写真にはほぼ輝点としか写らない。

*3:縦に3分割してスマートフォンで撮影した画像をGooglePhotosが自動でパノラマ合成した画像を基に、PCでクロップ・リサイズ・文字入れ・横に複数枚並べただけで、色や明るさノイズリダクションなど本質的な画は何も弄っていません。

*4:レンズのディストーションを補正したいなどの改善要望はありますが。