MVNOからJアラート絡みの案内が来た
個人的にmineo、so-net改めnuroモバイル、楽天モバイルの3社のMVNO回線を利用していますが、mineoから"【重要】Jアラートによる弾道ミサイル発射情報等の受信に関するお知らせ"というタイトルのメールが届きました。
既にSIMロックフリー端末ではJアラートによる弾道ミサイル発射情報が受信できるか不明確という趣旨の報道がなされていますが、(私が利用中の)MVNO各社がどういった案内をしているか調べてみました。
mineo
mineoによればSIMロックフリー端末及びmineo端末では「エリアメール・緊急速報メールは受信いただけません。」と表記されています。
mineo端末にはSHARPやFUJITSUといったおサイフケータイに対応するなど国内向けにローカライズされた国内メーカーのSIMロックフリー端末もあるのですが、文面を愚直に信じるならそれらの端末でも非対応ということになるようです。
なお、IIJのリリースではiPhoneなら受信可能という発表もありましたが、mineoの案内にはそのような表記はありません。
IIJmio:Jアラートの配信による緊急速報の受信に関するお知らせ
実際のところは解りませんが、恐らく受信可能な端末であってもmineoが実際に検証したわけではないから、受信できなかった場合の莫大なリスクを鑑みて「受信できない」と言っているのかもしれません。
mineoの案内を以下に引用します。
mineoサービスにおけるJアラート(全国瞬時警報システム)による弾道ミサイル発射情報等の受信に関して、お知らせいたします。
政府がJアラートを通じて発信する国民保護情報(日本に向けた弾道ミサイル発射等に伴う災害・避難情報)は、携帯大手事業者を経由しエリアメール・緊急速報メールで配信されていますが、mineoサービスではご利用の端末により受信可否が異なります。
そのため、Jアラートによる災害・避難情報の受信が可能となるスマートフォンアプリ「Yahoo!防災速報」のご利用をおすすめいたします。▼「Yahoo!防災速報」
⇒ https://emg.yahoo.co.jp/
端末による受信可否の詳細については、以下をご確認ください。
【mineo端末・SIMロックフリー端末をご利用の方】
エリアメール・緊急速報メールは受信いただけません。
【docomoブランド端末・auブランド端末・SoftBankブランド端末をご利用の方】
一部の端末を除いて、基本的にエリアメール・緊急速報メールを受信いただけます。
ただし携帯大手事業者および弊社が受信を保証しているものではなく、SIMロック解除を行っている場合、端末によって受信いただけないおそれがございます。■携帯大手事業者の対応機種一覧
▼NTTドコモ
⇒ https://www.nttdocomo.co.jp/service/areamail/compatible_model/index.html▼KDDI、沖縄セルラー
⇒ https://www.au.com/mobile/anti-disaster/kinkyu-sokuho/enabled-device/▼ソフトバンク
⇒ http://www.softbank.jp/mobile/service/urgent_news/models/
国民保護情報の配信については、総務省消防庁の報道資料をご確認ください。
⇒ http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h29/05/290511_houdou_1-1.pdfJアラートによる情報伝達について - 内閣官房 国民保護ポータルサイト
⇒ http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/nkjalert.html
なお、同内容がmineo公式サイトのニュースにも掲載されています。
mineoユーザーサポート|お知らせ|詳細
楽天モバイル
nuroモバイル同様に特にJアラート絡みの案内メールは届いていません。
が、公式サイトには2017/4/24付で「緊急速報への対応について」という情報が掲載されています。煩わしい販促メールは大量に送られてくるのに、大事なことはしれっとWebに掲載するだけ…。
楽天モバイル:楽天モバイルの緊急速報への対応について
上記ページには「一部の端末では(中略)対応が確認できておりません。」と表記されていますが、一部端末がどの端末なのかについての言及はありません*1。
楽天モバイルの案内を以下に引用します。
全国瞬時警報システム(Jアラート)について
楽天モバイルの一部の端末では、地震や津波、弾道ミサイルの発射などの緊急事態が発生した際に、国から直接情報を知らせる「全国瞬時警報システム(Jアラート)」への対応が確認できておりません。
プッシュ通知型の防災情報アプリをインストールすることで、緊急情報の受信が可能です。プッシュ通知型の防災情報アプリには、以下がございます。
ETWSで飛んでくる情報なので基本的にはMVNO事業者によって受信可否の差異は無いはずですが、表現が異なるのは興味深いところです。
いずれにせよSIMロックフリー端末を使用している方は、MVNO各社も推奨しているYahoo!防災速報アプリを入れておくのが良さそうです。
防災速報 - 地震、津波、豪雨など、災害情報をいち早くお届け - Google Play の Android アプリ
Yahoo!防災速報 - 地震や豪雨など災害情報をいち早く通知を App Store で
Yahoo!防災速報アプリ
Android/iOS共に設定画面の下の方にある「国民保護情報」という項目が「オン」になっていないとJアラートは通知されません。デフォルトでは「オン」になっているようですが、今回話題になる以前から導入しており設定を変更している方は念のため確認しておいた方が良いかもしれません。
また、新規に導入したAndroidユーザの場合は、省電力系のツールを利用していると自動起動が妨げられる可能性が有ります。例えば私のZenfone 2 Laserに導入したところ、ASUS標準でインストールされている自動起動マネージャによって自動起動が「無効」に設定されてしまいましたので手動で「許可」に変更しています。各社の省電力系ツールやユーザが個別に導入しているツールによって設定方法は異なりますが、省電力系ツールの対象から除外しておかないと、いざというときに機能しない可能性が有りますので併せて確認しておいた方が良いでしょう。
雑感
このよく判らないカオスな状態を本質的に解消するには、公的機関が強制力を持って端末メーカーまたは販売店に対応状況の開示を義務づけるべきだと思います。
例えば、総務省が携帯電話の技適認証の書面提出時に緊急地震速報やJアラートの受信可否情報の提出を端末メーカーに強制できるよう法令を改正するとか、消費者庁が国内で販売される携帯電話の緊急地震速報やJアラートの受信可否の表示を義務付けるとか、そのくらいのことを行ってしかるべきだと思います。
とはいえ、携帯電話のネットワークを流れるのはJアラートそのものではなく、Jアラートを受信したキャリア側設備からETWSメッセージとして送出されるようになっていることを考えると、具体的にどんなETWSメッセージが送出されるのか、技術仕様を握っているのがキャリアなのかもしれません。とすると、受信可否を検証し、その検証結果の妥当性を担保できるのは誰なのかというとキャリアであり、キャリア端末でしかそんな検証はしないというのも理解できます。ですが、それって公共の利益に反する状況でもあるわけで、技術仕様の開示及び受信可否検証はSIMロックフリー端末に対しても製造メーカーなり販売代理店からの委託を受けて実施できるような体制に改善していくべきではないでしょうか。
以上。