Micron MTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABYYを買った

 先日各所でスポット入荷していた破格の大容量SSD、MicronのMTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABYYを購入しました。
 ¥39800という売価はHDDなら高額ですが、SSDなら特に珍しくない価格帯に位置します。が、この製品は2TBの大容量で、SSDの容量単価としては恐らく過去最安ではないでしょうか。
 Impressの以下の記事でこの情報を知って秋葉原まで買いに行こうと思っていたところ、通販のNTT-Xでも同価格で在庫有り表示だったため購入しました。
Micronの2TB SSDが激安の税込39,800円!複数のショップがセールを実施 (取材中に見つけた○○なもの) - AKIBA PC Hotline!
 

パッケージ

 Amazonでフラストレーションフリーパッケージ(FFP)のSDカードなどを購入した時の個装と同じような紙封筒状のパッケージに封入されていました。
 HDDと異なり可動部品が無いため、このような簡易梱包も可能なのでしょう。それでも製品単価としてはそれなりに高額なこともあってか、さすがにこの状態でのままで配送されたわけではなく、段ボールに入って届きました。
Package
 

パッケージ内梱包

 紙封筒を開封すると、中はいわゆるプチプチ袋に封入されていました。バルクのHDDを購入すると、プチプチ袋の中に、シーリングされた静電気防止袋に入ったHDDが入っていることが多いですが、このSSDではプチプチ袋だけで、静電気防止袋や帯電防止袋の類はありませんでした。
Packing
 

MTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABYY本体

 Micron 1100シリーズであることが判ると共に、ModelがMTFDDAK2T0TBNで、P/NがMTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABYYのようです。
Product

 ところで、Micron公式WEBを確認するとMicron 1100シリーズは3D TLC NAND Flashを搭載しており、2TBには暗号化機能の有無でMTFDDAK2T0TBN-1AR12AB、MTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABの2製品が掲載されています。
1100 | Solid State Storage
 暗号化機能のない方のモデル(MTFDDAK2T0TBN-1AR1ZAB)とよく似たP/Nですが、購入した製品のP/N末尾には"YY"が付いています。これが何を意味するのかはデータシートに掲載されており、Customer Designator(顧客指定)を識別するコードで、"YY"は"Standard"を意味するそうです。そして、Customer DesignatorはStandardだけしか存在しないようなので*1、MTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABそのものと見て問題無いと思われます。
1100 2.5-Inch and M.2 SATA NAND Flash SSD
 

保証期間

 パッケージラベルには3年保証が謳われています(冒頭にも記載したように、私の個体はNTT-Xで購入したものです)。
Package label

 ところで、冒頭に貼ったImpressの記事中の画像をよく見てみたり各販売店の販売ページを参照すると、販売店によって保証期間は様々なようで、バルク版として3カ月だったり、普通のPCパーツと同じ1年だったり、期間だけではなく書き込み回数の制限もあったりと様々なようです。

 SSDは寿命が気になる製品ですが、NTT-Xで販売された3年保証版は恐らく購入者にとって最も有利な保証条件になっていると思います。
 何故販路によって保証期間が異なるのか気になるところですが、前述のMicron公式から入手できるデータシートには以下のように記載されています。

Warranty: Contact your Micron sales representative for further information regarding the product, including product warranties.

 「保証ついて:製品保証を含め製品についての詳細はMicron販売代理店に聞いてくれ」的な文言が掛かれているのみで、Micronが保証期間を定めているわけでは無いようです。なので、販路や流通経路によって保証期間がまちまちなのだと思われます。

 ちなみに、NTT-Xの販売ページやパッケージには記載されていないのですが、納品書にはメーカー名として「サンマックス・テクノロジーズ」が印字されています。
 サンマックスは(ニッチな)メモリ系製品のメーカーだと私は認識していました*2が、輸入代理店っぽい業務も行っているということになるようです。
Invoice

 まだ一部の店舗では散発的にMTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABYYが同価格で販売されていることもあるようですが、保証期間の違いには留意した方が良いでしょう。
 なお価格は多少高くなっているようですが、3年保証が明記された製品もまだNTT-Xで販売されているようです(記載時点)。

 

CrystalDiskInfo

 SATA-USB変換コネクタを噛まして繋いでみたところ以下の通りでした(掲載用にシリアルナンバーは削っています)。
Crystal Disk Info

----------------------------------------------------------------------------
 (2) Micron_1100_MTFDDAK2T0TBN
----------------------------------------------------------------------------
           Model : Micron_1100_MTFDDAK2T0TBN
        Firmware : M0MU031
   Serial Number : ************
       Disk Size : 2048.4 GB (8.4/137.4/2048.4/2048.4)
     Buffer Size : 不明
     Queue Depth : 32
    # of Sectors : 4000797360
   Rotation Rate : ---- (SSD)
       Interface : UASP (Serial ATA)
   Major Version : ACS-3
   Minor Version : ---- [006Dh]
   Transfer Mode : SATA/600 | SATA/600
  Power On Hours : 0 時間
  Power On Count : 1 回
     Host Writes : 0 GB
Wear Level Count : 1
     Temperature : 18 C (64 F)
   Health Status : 正常 (100 %)
        Features : S.M.A.R.T., 48bit LBA, NCQ, TRIM, DevSleep
       APM Level : ----
       AAM Level : ----
    Drive Letter : 

-- S.M.A.R.T. --------------------------------------------------------------
ID Cur Wor Thr RawValues(6) Attribute Name
01 100 100 __0 000000000000 Raw Read Error Rate
05 100 100 _10 000000000000 Reallocated NAND Blocks
09 100 100 __0 000000000000 Power On Hours
0C 100 100 __0 000000000001 Power Cycle Count
AB 100 100 __0 000000000000 Program Fail Count
AC 100 100 __0 000000000000 Erase Fail Count
AD 100 100 __0 000000000001 Average Block-Erase Count
AE 100 100 __0 000000000000 Unexpected Power Loss Count
B7 100 100 __0 000000000000 SATA Interface Downshift
B8 100 100 __0 000000000000 Error Correction Count
BB 100 100 __0 000000000000 Reported Uncorrectable Errors
C2 _82 _63 __0 002500120012 Temperature
C4 100 100 __0 000000000000 Reallocation Event Count
C5 100 100 __0 000000000000 Current Pending Sector Count
C6 100 100 __0 000000000000 Smart Off-line Scan Uncorrectable Error Count
C7 100 100 __0 000000000000 Ultra DMA CRC Error Rate
CA 100 100 __1 000000000000 Percent Lifetime Used
CE 100 100 __0 000000000000 Write Error Rate
F6 100 100 __0 000000000000 Total Host Sector Writes
F7 100 100 __0 000000000000 Host Program Page Count
F8 100 100 __0 000000000058 Background Program Page Count
B4 __0 __0 __0 000000002482 Unused Reserve NAND Blocks
D2 100 100 __0 000000000000 Successful RAIN Recovery Count

 SSDだけに寿命が気になりますが、SMART情報のうち総書き込み量(Total Host Sector Writes)や書き込みエラー率(Write Error Rate)辺りを気にしてあげれば良さそうですが、何パーセント寿命を使ったか(Percent Lifetime Used)というそのものずばりのSMART情報もあるようなので、定期的にチェックしていれば比較的安心して使えるのではないかと思います。
 なお、前述のMicron公式のデータシートから抜粋すると、平均故障時間(MTTF)は1.5 millionすなわち150万時間、寿命(総書き込み量)(Drive Lifetime (Total Bytes Written))が400TBとされています*3

 個人的にはこれまでにIntel, Samsung, Micron, OCZ, Teamといった各社のSSDを使用した経験がありますが、寿命で壊れたものはありません。初期のSLCはもちろんMLCの製品でも同様です*4*5
 普通に使ってる分にはどうせ壊れないだろうとは思っていますが、今回は初の3D TLC製品ということもあるので、多少はSMART情報を気にしながら運用しようと思います。
 



以上。

*1:PCメーカー向けにOEMで出荷されたりすると、"YY"以外の識別子になるのだと思われる。

*2:近年はサンマックス製品を購入したことは個人的にはありませんでしたが、過去にはLet'snote専用の特殊形状のメモリを購入したこともあります。

*3:詳細な条件等はデータシートをご参照ください。

*4:初期の製品は小容量のため引退していたりするので、耐久性評価としては不十分な情報しか持ち合わせていませんが…

*5:但しOCZのMLC初期不良でOSセットアップ後の環境構築中に壊れたことがある。