DAISOのeMarker内蔵USB PDケーブルでPC給電/充電できた

 両端USB Type-Cのケーブルがだいぶ前からDaisoで売られていますが、最近はUSB-PDに対応し、eMarkerを内蔵し、100Wまで対応したケーブルも売っているようです。
 実際に入手することが出来たため、PCへの充電・給電用に実用的に使えるのか試してみました。
 結論を先に書いておくと、特に問題無く使えました。詳細は以下。
 

550円のケーブル

 正式な製品名は「100W PD対応ケーブル 1m 専用スタンド付き」(JANコード: 4560348443762)のようです。

100W PD対応ケーブル 1m 専用スタンド付き
パッケージ表面
100W PD対応ケーブル 1m 専用スタンド付き (パッケージ表面)
パッケージ裏面
100W PD対応ケーブル 1m 専用スタンド付き (パッケージ裏面)

 ケーブル単体では外観からスペックが識別不能になるので、パッケージに記載の主要スペックを拾っておくと以下の通り。

  • 最大20V/5A (100W)
  • USB2.0対応
  • USB-PD対応
  • eMarker搭載
  • ケーブル長: 1m
  • 発売元: 株式会社E Core

 実際に使用して気付いた点は以下の通り。

  • コネクタ部に"PD 100W"の刻印があるのでパッケージを処分してもUSB-PD 100W対応ケーブルであることが目視で識別可能
  • パッケージには「断線保護」の文字と共にコネクタ部に付属スタンドを取り付けた写真があるが、この状態ではノートPC本体と干渉してコネクタが挿せない

 

330円のケーブル

 正式な製品名は「充電・転送ケーブル(USB POWERDELIVERY、100W 対応、Type-C)」(JANコード: 4550480159218)のようです。

充電・転送ケーブル(USB POWERDELIVERY、100W 対応、Type-C
パッケージ表面
充電・転送ケーブル(USB POWERDELIVERY、100W 対応、Type-C) (パッケージ表面)
パッケージ裏面
充電・転送ケーブル(USB POWERDELIVERY、100W 対応、Type-C) (パッケージ裏面)

 こちらもパッケージに記載の主要スペックを拾っておくと以下の通り。

  • 対応電圧: 5~20V、電流: 最大5A、電力: 最大100W
  • USB2.0対応
  • USB-PD対応
  • eMarker搭載
  • ケーブル長: 1m
  • 発売元: (株)大創産業

 実際に使用して気付いた点は以下の通り。

  • コネクタ部に何も刻印が無いので、目視でUSB-PD 100W対応ケーブルか確認できない

 

550円のケーブルと330円のケーブルの比較等

 いずれもケーブルやコネクタが異常発熱するようなこともなく、普通に使用できています。
 550円のケーブルも330円のケーブルもスペックは同等であることから、機能的には同等に使用できていますが、違いをまとめると以下のようになります。

- 550円のケーブル 330円のケーブル
付属品 スタンド付き 無し
その他 コネクタに"PD 100W"の刻印有 コネクタに刻印無
取扱店 近所のDaisoどこにでもあった 大きなDaisoにしかなかった

 これまでに記載した通りですが、スタンドはPC側コネクタに取り付けると干渉するので使用できませんので、この付属有無はPCで使用する分には特に気にする必要は無いかと思います。普段使いする上ではコネクタ部の"PD 100W"の刻印有無が使い勝手に影響するかもしれないという程度の差しか感じません。コネクタ部の刻印に220円相当の価値を見出せるか否かで選ぶと良いのではないでしょうか(両端USB-Cのケーブルを複数持っている場合、330円のケーブルはどれが100W対応ケーブルなのか目視しただけでは解らなくなってしまいます)。

 何れの場合も机の上に配置されたコンセントのようにノートPCまでの距離が1m以内ならいいのですが、オフィスや使用環境によっては床や壁に埋め込まれたコンセントから給電するような場合には1mのケーブルでは足りないでしょう。Amazon.co.jpで探してみると、似たような価格・スペックで2mのケーブルもあるようです(あまり長くなりすぎると電力損失が大きくなるので、OAタップなどで100Vの電源ラインを延長した方がいいかと思います)。

 なお、eMarker付きの100W対応ケーブルで330円を下回る価格の製品は本投稿記載時点ではAmazon.co.jpには存在しないようです。
 

検証に使った機器

ノートPC
  • Dell Latitude 5290 (2in1ではない)、Core i5-8350U(TDP 15W)搭載モデル

※マニュアルや仕様にはUSB-Cポートから充電可能という記載は見当たらないが、給電/充電出来た

  • Fujitsu ARROWS Tab Q508/SE、Atom x5-Z8550(SDP 5W)搭載モデル

※マニュアルや仕様にはUSB-Cポートから充電可能という記載は見当たらないが、給電/充電出来た

  • HP mt46 Mobile Thin Client、Ryzen3 PRO 4450U(TDP 15W)搭載モデル

※マニュアルや仕様にはUSB-Cポートから充電可能という記載は見当たらないが、給電/充電出来た

(追記ここから)
 前述のDAISOで販売されている2種類のケーブルとは別に、330円で販売されていた3mのeMarker無しのUSB-PD 60W対応ケーブルでも給電を試してみました。

  • Dell Latitude 5290
    起動時に以下の警告が表示されました。

You have plugged in a lower wattage power adapter, USB-C charging device, or power pass-through device.
Your system will continue to work, but may not perform at its peak.


Strike the F3 key (before the F1 or F2 key) if you do not want to see power warning message again.
Press F1 key to retry boot.
Press F2 key for setup utility.
Press F5 key to run onboard diagnostics.

 意訳すると、「ワット数の低い電源に繋がってるから、多分動くけど最高のパフォーマンスでは動作しないかも」といった意味の警告です。F1キーを押すとWindowが起動します。この状態でソフトウェアエンコードのような連続した高負荷をかける検証はしていませんが、ブラウザはもちろんDAWも普通に使えました。

  • HP mt46
    特に警告も無く通常通り使用可能でした。RyzenAPUに内蔵のハードウェアエンコーダを使用しても全く問題ありませんでした(僅か数ワットでHEVC(H265)エンコードできます!*1 )。

(追記ここまで)
 



以上。

*1:従来はIvy bridge世代の古いXeon搭載Workstationに差したRX470でHEVCエンコードしていましたが、所要時間も画質も概ね同等で大幅に消費電力が下がりました!