ADTECのUSBPDトリガケーブルとチャージャー

 最近のノートPCはUSB-PDで充電可能なモデルがかなり多くなっています。
 USB-PDで電力供給されるための端子を備えていない機器をUSB-PDチャージャーで動作させたい。と思ったら、比較的怪しいUSB-PDトリガケーブル(或いは基板)を使用して、所望の電圧を取り出すことになります。もちろん、メーカー保証も無く自己責任ですが。
 この類のUSB-PDトリガはノーブランドの中華製品ばかりで、比較的大電力を扱うこから異常時を考えると常用するのはちょっと怖い感じがあるのですが、まともな日本企業の製品があったので購入してみました。既に約1か月使用したので、レビュー書いておきます。

<<警告>>
非純正ACアダプタの使用は自己責任となります。万一事故が発生しても、著者は一切責任を負いません。

 

ADTEC

 見つけたのはADTEC(アドテック)の製品です。若い方などアドテックを初見の方は広告屋か?と思うかもしれませんが、ネット広告とは無関係でかなり昔から存在するPC用メモリなどを販売してるブランドです。確か亜土電子工業といって今は無きT-ZONEでよく見かけたような偽記憶が頭に浮かんだのですが、改めて確認してみると亜土電子工業とアドテックは関係ない別会社のようです。いずれにせよPC-9821辺りの時代から存在するPC系のサードパーティで、当時のメルコ(現バッファロー)やIO DATAなどと似たような会社だと思っています*1
 

ADTECのUSB-PD製品の種類

 主要各社のノートPCのプラグ形状に対応した複数のプラグ部分を同梱したUSB-PDトリガケーブルと、

 Let'snote対応プラグのUSB-PDトリガケーブルの2種類がありました。 いずれもeMarkerを搭載し、対応電圧は15~16Vと19-20Vで自動調整されるようです(この電圧範囲外の例えば12VのタブレットPC等では使用できません。)。
 私が当面使用したいと思っているLet'snoteの場合、使用するUSB-PDチャージャーが15V/4A出力に対応している必要があるとのことですが、それに対応したANKERなど有名どころの製品は現時点では存在しないようです。このため、15V/4A出力に対応したADTECのUSB-PDチャージャーが同梱されたセットモデルも存在します。
 というわけで、ケーブルの種類とチャージャーの出力ワット数違いの組み合わせで多様なセットモデルと単品が存在します。

 多様なプラグを同梱したUSB-PDトリガケーブルの方を購入すれば多様なノートPCに使用できて万能そうな気もしますが、Amazonの商品ページをよく読むと、これでは対応できないLet'snoteが一部存在するようです。このため、Let'snote対応ケーブルと65Wチャージャーの組み合わせのパッケージ(APD-A065AC-wP3-BK)を購入しました。

 

APD-A065AC-wP3-BK

パッケージ
APD-A065AC-wP3-BKパッケージ

 簡素な白い紙箱にラベルが貼られたパッケージが届きました。

APD-A065AC-wP3-BK内容物

 白い紙箱の中には単品売りしているLet'snote用USB-PDトリガケーブル(APC-A095CM-5525P)と65Wチャージャー(APD-A065AC-BK)がそのまま入っているだけです。なお、製造国は中国のようです。*2
 

APD-A065AC-BKスペック
APD-A065AC-BKスペック表記

 最大出力電流等の表記がAPD-A065AC-wP3-BK、APD-A065AC-BKの外箱にも書いてありますが、本体表記のほうが詳細です。以下はパッケージから読み取れない情報です。

  • 5V出力時に3A供給が可能なのは、QC2.0/QC3.0/AFCの場合のみで、USB-PDの場合は2.4Aまで
  • Qualcomm QC(QuickCharge)2.0/3.0やSamsung AFC(Adaptive Fast Charging)にも対応

 Let'snoteで使用する際に要求される15V/4AはTypeCポート単独で使用した場合のみ出力可能で、TypeAポートも併用すると15V/3Aまでになってしまうため、使用できないことも読み取れます。
 なお、PPS(Programmable Power Supply)には非対応だとAmazonの商品ページのQ&Aに書いてありました。
 

APD-A065AC-BKサイズ感
APD-A065AC-BKと500円硬貨
APD-A065AC-BKと500円硬貨

 個人的にはAmazonの商品ページの画像から想像していた印象よりも小さく軽いのは良かったです。

APD-A065AC-BKとLet'snote純正ACアダプタ

 Let'snote NX3の純正ACアダプタとざっくりと比較すると、長辺で半分、短辺は同等、厚みも同等といった感じです。持ち運びの際にはコンセントからACアダプタまでのメガネケーブルが不要(APD-A065AC-BKのコンセントプラグ部分は折りたたみ式)なのが地味に嬉しいです。(逆に、床にしかコンセントが無いオフィスなどでは別途延長コードを用意するなどしないと困るかもしれません。)
 

APC-A095CM-5525Pプラグ部分
プラグ部分比較(左:Let'snote NX3純正,右:APC-A095CM-5525P)

 Let'snote NX3純正の方を見ると金属端子の根元部分が二段の樹脂があることが解ります。この一段目まではLet'snote NX3本体内に押し込まれます。Let'snote SZ5ではこのような構造にはなっておらず、SZ5にNX3の純正ACアダプタを取り付けると1段目の樹脂部分が出っ張ったような状態になります。この変則的なプラグ形状に対応するために、ADTECのUSB-PDトリガケーブルにはわざわざLet'snote対応品が存在するようです*3

APC-A095CM-5525Pのプラグ部分は取外し可能

 なお、Let'snote対応品でもプラグ部分一体形成ではなく取外し可能になっています*4。USB-PDトリガケーブル自体はマルチプラグ版の製品と同じなのかもしれません。
 

使用例
Let'snote NX3とAPC-A095CM-5525P

 Let'snote NX3では特に何事も無く使用できています。

Let'snote SZ5とAPC-A095CM-5525P

 Let'snote SZ5では非純正ACアダプタを使用した際に現れる警告表示*5が現れます。また、物理的に約1mm未満の金属端子部分が露出した状態になりますが、実用上特に問題無く使用できています*6

 何れのLet'snoteの場合も、使用中はAPD-A065AC-BKがほんのりと暖かく感じますが、GaNの効果もあってか純正ACアダプタの発熱相当未満な感じがします*7。また、Let'snoteのバッテリ充電が完了し、本体がシャットダウンまたはスリープ状態にある場合には発熱は知覚できません。但し、この状態でコンセントに差しっぱなしにしているとAPD-A065AC-BKのUSB-Cポート付近の青色LEDが常時点灯しているので、設置環境によっては目障りに感じることもあるかもしれません。
 



以上。

*1:今となっては知名度全然違いますが。

*2:比較的どうでもいいですが、APD-A065AC-BKのパッケージラベル表記のGaNは"対応"するものではなく"採用"の誤記ですよね?

*3:あるいはセンター+極性、内径2.5mm、外径5.5mmで端子部が長めの形状をしていれば多くの東芝/富士通/NECなどのノートPCでも使用できるからかも知れません。

*4:特にロック機構はありません。AppleのMagSafeのように足を引っ掻けるなどの強い力で引っ張られると抜けると思います。

*5:Windows上のユーティリティ及びシステム起動時

*6:センター+極性ですから、万一露出している外側の金属端子に触れても0Vです。

*7:測定したわけではありません。