KORG KA270が液漏れ(?)してた

 外出自粛が続いているので、数年しまい込んでいたKORG microXを引っ張り出しました。TRITON由来のHI Synthesis Systemを積んだ25鍵の小型シンセサイザーでUSB端子もついていますが、電力はACアダプタから供給します。
 付属のACアダプターがKA270なのですが、触ったら謎の液体で手が汚れました。買ったばかりの電機製品で感じることのあるような異臭もします。よく見るとACアダプタ表面の一部が濡れているように見え、ティッシュで拭うと茶色い液体が拭き取れました。
 

 乾電池の液漏れはよくある話ですが、ACアダプタの液漏れなんて個人的には聞いたことがありません。が、考えてみればコンデンサは経年劣化で容量抜けすることがありますし、電解液が外部に漏れ出すことも無い話ではなかろうと。実際、多くの電源回路には電解コンデンサが使われていますし。検索してみると、ACアダプタの液漏れ事例がいくつか個人ブログなどで見つかります。
 というわけで、この状態のKA270をコンセントに繋ぐのは危険と判断しました*1
 

microXの純正ACアダプター

 付属品はKA270ですが、現在KORGのWEBサイトで確認すると、KA310+DC-1800-D02LYと案内されています。
対応アダプター表 | KORG (Japan)
 KA310がACアダプタ本体で、DC-1800-D02LYがコンセントからKA310までの電源コード(いわゆるメガネケーブル?)のようです。

 純正品のKA310は結構お高いうえに、Amazon.co.jpKORG直販でも現在品切れ中のようです。microXやX50といった古い廉価TRIRON系の機材だけではなく、近年復刻されたARP ODYSSEYも同じKA310を使用するようですから、廃番が近いとか品薄にするような理由は考えにくく、昨今の世界的動向からサプライチェーンまたは物流上の問題が発生しているのでしょうか?
 

KA270の仕様

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 本体ラベルから、以下の情報が読み取れます。

入力
電圧AC100~240V、電流0.4A、周波数47~63Hz
出力
電圧DC12V、電流1.5A、センタープラス

 日本国内で使用する分においては、普通のコンセントからDC12V/1.5Aを供給するタイプのACアダプタと考えてよさそうです。
 が、microXと接続する部分のプラグが曲者です。よく見かける外形5.5mm・内径2.1mmのバレルプラグではなく、中央にピンが生えているタイプです。EIAJ極性統一プラグという日本ローカルな規格がありますが、それと同じように見えます。

 定規で雑にプラグ外径を測ってみた感じではEIAJ4に該当しそうです。EIAJ4は外径5.5mm・内径3.3mmでDC10.5~13.5Vに使用するように規定されていますので、電圧的にもEIAJ4で間違いなさそうだと思えます。
 

代替品

 以下、何が起きても私は責任を取れません。メーカー保証外の組み合わせです。お試しになる場合、自己責任にてどうぞ。

 現在流通している3.5インチHDDを使った外付けHDDでは、DC12Vで1.5Aや2.0AなどのACアダプタが同梱されていることが多いように思います。そして、その多くは外形5.5mm・内径2.1mmのバレルプラグが使われているかと思います。
 私の手持ちでは、国内ではELECOM扱いのSeagateブランドの外付けHDDの付属品がDC12Vの1.5Aで、外形5.5mm・内径2.1mmのバレルプラグが使われています。
 手持ちが無ければ秋月電子などでも比較的安価に同様の出力のACアダプタを購入することができます。

 ACアダプタのバレルプラグ部分を切断して、(KA270から移植するなり、別途購入するなりした)EIAJ4プラグをはんだ付けする方法もありますが、ACアダプタのPSE認証が無効になりますし、そもそも面倒ですからお勧めできません。
 外形5.5mm・内径2.1mmのバレルプラグ形状からEIAJ4に変換するプラグが存在するようですので、それを使った方が楽です。
 Amazon.co.jpで探したところ、私が購入した時点では以下の変換プラグが最も安価で数百円で購入できました(似たような価格帯で複数の販売者・製品があるようですから購入時に比較してみた方が良いと思います)。

 上記の変換プラグを手持ちの外付けHDDのDC12V/1.5A出力のACアダプタに取り付けて、microXに接続したところ普通に起動しました。
 KA270が正常に使えたころの録音データが無いので定量的な比較はできませんが、出力音声にノイズが乗ったりということも特に無さそうです。
 



以上。

*1:ねじ止めされてるわけでも無さそうなので、分解して内部を確認したわけではありませんので、実際に電解コンデンサの液漏れが発生していると断定できたわけではありません。