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ソニー熊本工場は10月以降にフル稼働に戻る模様(追記有)

経済 機材

 今年2016年4月の熊本地震で被災し、操業停止から順次再開しつつあるソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社の熊本テクノロジーセンターですが、フル稼働への目途が立ったようです。
 デジカメWatchを始め、いくつかのメディアに8月にフル稼働に戻る旨の記事が6/29付で出ています。
ソニー、熊本テクノロジーセンターを8月にフル稼働 - デジカメ Watch

 そもそも、「フル稼働」とは何なのか。
 震災前後で同じ数の従業員が働けることなのか、製品出荷数が被災前に戻る事なのか。
 デジカメWatchを始め多くの記事ではその辺よくわかりません。

 この情報が発表されたとみられるソニーの2016年度経営方針説明会についての公式なニュースリリースを見ても、本件については何も触れられていません。
Sony Japan | ニュースリリース | ソニー株式会社 2016年度 経営方針説明会

 少し調べてみたところ、8月に出荷数が戻るわけではないようです。
 

熊本テクノロジーセンター被災の影響

SONY製品

 冒頭の記事に先立って、6/27付で以下の記事が出ています。
ソニー、一部デジカメが当面供給困難に 熊本地震で - デジカメ Watch
 これについては、ソニー公式のお知らせにも同内容が公表されています。

熊本地震により被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
今回の地震により、一部のデジタル一眼カメラ商品の供給に関する影響が生じており、お客様をはじめ、お取引先様の皆様に、ご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
現在、商品を一日も早くお届けできるように鋭意努力しており、生産回復に向けての準備は順調に進んでおります。
しかしながら、一部の商品につきましては、基幹部品の調達に影響が出ており、当面の間、商品の供給が困難な見込みとなっております。

【対象商品】
デジタル一眼カメラα(アルファ)

  • α7
  • α7R
  • α7S
  • α5100
  • α77 II
  • α99

なお、上記以外のデジタルカメラ商品におきましても、一部品薄の状態が発生する場合がございます。
ご購入を検討していただいておりますお客様には、しばらくの間お待ちいただけますよう、お願い申し上げます。

熊本地震の影響による、デジタル一眼カメラ商品の販売に関するお知らせとお詫び(6月24日更新) | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
 

Nikon製品

 さらに少し前の6/24付ではNikonについての以下の記事が出ています。
ニコン、「COOLPIX B700」「COOLPIX A900」の発売を10月に再延期 - デジカメ Watch
 記事では「部品調達先の被災」とぼかされており、ソニーと明言されていませんが、これはNikon公式のプレスリリースでも同様の表記です。

ソフトウェアの調整に時間を要しているため発売を延期しました「COOLPIX A900」「COOLPIX B700」は、4月20日に、発売時期を7月に延期することを発表しましたが、平成28年熊本地震の影響で部品の調達に遅れが発生したため、10月に再延期させていただきます。

Nikon | ニュース | 報道資料:「COOLPIX A900」「COOLPIX B700」の発売に関するお知らせ
 過去のセンサ供給関係から見ても、今回のCoolPix A900/B700の部品調達先と言っているのがソニーであることは想像に容易いのですが、実際に朝日新聞の記事からもソニーであることが解ります。

一方、ニコンは13日、ソニーの被災などでカメラ生産が減る影響で、2016年9月中間決算で営業損益が100億円ほど悪化する見通しを示した。まだ部品在庫はあるが、今後は生産を縮小する見通しという。

ソニー、熊本工場の一部生産再開 完全復旧の時期は未定:朝日新聞デジタル
 

スマートフォン製品

 以下の記事によると、熊本テクノロジーセンターはデジタルカメラ向けのイメージセンサを製造しているそうです。
 スマートフォン向けイメージセンサを製造している長崎テクノロジーセンター、大分テクノロジーセンターは既に4/17から生産を再開しているとのことで、デジタルカメラのような大規模な影響は無さそうです。
熊本地震でソニーのイメージセンサー工場が停止中 - デジカメ Watch Watch
 

フル稼働とは

 ここで冒頭の話に戻りますが、日刊工業新聞に以下の記述があります。

ソニーは8月にウエハー投入ベースで通常状態に復帰し、10月以降には出荷ベースでフル稼働に戻る見通しだ。

半導体、熊本地震の業績影響出そろう。各社はBCPをさらに検証へ

 すなわち、

  • 8月にイメージセンサの材料となるシリコンウエハーの「投入ベース」で通常状態に戻る
  • 10月以降にイメージセンサの出荷ベースでフル稼働に戻る

 という意味のようです。

 このため、各社のデジタルカメラの出荷が通常に戻るのは8月ではなく、10月以降に成らざるを得ないはずです。
 実際にはソニーのイメージセンサ工場から出荷された後、最終的なデジタルカメラ製品が製造・出荷されるまでのリードタイムを考慮する必要があります。Nikonデジタルカメラの製造拠点がタイに、SONYは中国にといった事情も考慮すれば、輸送だけでもリードタイムが相当必要でしょう。その短縮のために船便ではなく空輸することも可能でしょうが、製品価格に転嫁されるのは自明の理。
 といったことから、年末にかけて本来意図した数量ベースでの流通状況に戻っていくであろうことが予想されるとともに、価格については例年より高止まりするのではないかという予想もできそうです。
 
 
(2016/10/11追記ここから)
 9月末時点で出荷ベースで震災前水準に戻っているようです。また、フル稼働は年度末までに達する見込みのようです。
wave.hatenablog.com
(2016/10/11追記ここまで)
 



以上。