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平成28年度防災アプリ大賞が発表された…が、メディアで報道されていない

 2016/12/8に国土交通省国土地理院国土交通省水管理・国土保全局、内閣府(防災担当)の連名で「平成28年度 防災アプリ大賞」が発表されました。
平成28年度 防災アプリ大賞を決定|国土地理院
 
 ですが、何故か既存メディアは全く報じていないようなのですので紹介します。
 

 上記報道発表資料のURLのヘッドラインには、

スマホで浸水の危険性がわかります
-平成28年度 防災アプリ大賞を決定-

 とあります。スマホアプリで防災絡みと言えば、個人的には「Yahoo!防災速報」を思い浮かべますが、そんな感じの有益なアプリが他にもあるのでしょうか。
 

 報道発表より引用すると受賞作は以下の通り。

賞名 アプリ名 受賞者
防災アプリ大賞 ハザードチェッカー 兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 有馬研究室
防災アプリ賞 地域防災マップ作成支援システム GIS大縮尺空間データ官民共有化推進協議会支援グループ
登山・防災用GPSオフラインマップアリ:SkyWalking DEEPKICK.com  本多 郁
防災教育ガイドアプリ -ココだけタイムライン- 玉野総合コンサルタント株式会社
goo防災アプリ2016 NTTレゾナント株式会社

 大変失礼ながら、全部知りません。どういったアプリなのか知るためにも、以下のPDFを参考に個々のアプリを見てます。
審査委員会で選定した5つの防災アプリの概要(PDF)
 

防災アプリ大賞

ハザードチェッカー/兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 有馬研究室

 以下のURLが当該アプリだそうです。報道発表のヘッドラインからはスマホアプリを連想していましたが、WebアプリですのでPCからでも利用できるようです。
現在地危険性確認システム「ハザードチェッカー」

 GPS位置情報を利用した現在地について、または手入力した住所やランドマークについての現在の危険性を確認できるようです。知っていれば普通に便利に使えそうです。
 適当に「東京タワー」と入力して試してみたところ、正常に機能しましたが、「東京スカイツリー」ではエラーが発生しました。
f:id:kachine:20161208194658p:plain
 適切にハンドリングされているエラーではなく、そのままぶん投げられているように見えます。ちなみに、「とうきょうスカイツリー駅」では正常に機能します。

 これらの挙動から察するに、エラーハンドリングが怪しい、GISというかPOI情報の鮮度が怪しいの2点について改善が必要なのではないかと感じました。
 また、災害時にアクセスが急増した場合、負荷分散が図られていたりクラスタリングされていたりするのかも不明で、まともに機能するのか怪しいとも思います。そもそもサーバーがロリポップですが、禁止事項として「サーバーに高負荷をかけるコンテンツ」はご遠慮くださいとされていますし。
禁止事項 / お申込み - レンタルサーバーならロリポップ!

 以上より、有益なアプリケーションながらも、現状このままでサービスインして問題ないと言える品質には達していないと感じました。
 そもそも大学の研究室としての活動のようですから、どこかの公的機関や企業と組むなりして財源を確保しないと難しいと思いますが、今後の改善・進化に期待したいアプリだと思いました。
 

防災アプリ賞

地域防災マップ作成支援システム/GIS大縮尺空間データ官民共有化推進協議会支援グループ

 こちらもWebアプリのようです。アカウント登録しないと使えないようなので今回は試していません。
GIS大縮尺空間データ官民共有化推進協議会 - Home

登山・防災用GPSオフラインマップアリ:SkyWalking/DEEPKICK.com

 こちらはiOS用アプリです。無料ダウンロードできますが、App内課金で「機能制限なし有料版」が480円となっています(記載時点)。

SkyWalking - 登山・防災用GPSオフラインマップ

SkyWalking - 登山・防災用GPSオフラインマップ

  • DEEP KICK.com
  • ナビゲーション
  • 無料

防災教育ガイドアプリ -ココだけタイムライン-/玉野総合コンサルタント株式会社

 再びWebアプリです(接続すると位置情報を要求されます)。位置情報提供を拒否したため、メインとなるコンテンツは機能していないようでしたが、サンプルは見れました(画面サイズとコンテンツの表示サイズが適切に連動していないようで、見難いものとなっていました)。
 まさに教育用アプリといった感じで、普通の人が自分のために使うアプリではないようです。学校教育で使うとか、お子さんの教育に生かすような場面で利用するのでしょう。
防災教育アプリ

goo防災アプリ2016/NTTレゾナント株式会社

 PDFではAndroidアプリと記載されており、以下のURLが入手先として掲載されています(ID/Passwordが要求されますが、上記のPDFに記載されています)。
http://sta.bousai.goo.ne.jp/apps_gsi2016/
 所謂、野良apkとしてAndroid端末に導入することができそうですが、セキュリティ観点のリスクを考慮して、今回は導入していません。
 一方で、GooglePlayやAppStoreで「goo防災アプリ」と検索すると、それらしきアプリが登録されています。それが今回受賞したアプリと同一機能なのか、別バージョンのアプリなのかはよく判りません。
 

まとめ

 以上を振り返ってみると、多様な研究機関や企業がこのジャンルに取り組んでいることが解ります。一方で、各組織が好き勝手に取り組むのはもちろん自由ですが、本気で広く普及させることを狙っているのかよく解りません。というか、コンセプト実証用(PoC)に造られたと思われるアプリや、実際にサービスインしているアプリなど、単純に比較できないレベルのアプリが混在しており一般個人の目線ではかなりカオスです。
 国土交通省国土地理院国土交通省水管理・国土保全局、内閣府(防災担当)といった公的機関主催の賞ですが、研究機関によるPOCを評価しているのか、災害時のアクセス集中やネットワーク分断に耐えうる冗長性・負荷分散といった観点でのバックエンドの取り組みまで評価しているのか、何を評価しているのかもよく解りません。
 もう少し「実用化済の(直ぐに使える)アプリ」的なジャンルと、「研究中のアプリ」的なジャンルに分割するなど、一般個人にも理解しやすいよう賞を整理した方が良いのではないかと感じました。
 



以上。