2016年9月16日からFujifilmのXマウントレンズが値上がりする
フジフィルムがXマウントレンズ製品の値上げを行うようです。
ミラーレスデジタルカメラ用交換レンズの希望小売価格設定と出荷価格の一部改定について : お知らせ | 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
上記のお知らせには、「希望小売価格設定」「出荷価格の一部改定」という2つの内容が混在していますので、まずは価格改定という事実上の値上げについて記載した後、希望小売価格設定について紹介します。
値上げについて
公式には以下のように記載されています。
レンズ交換式カメラ市場に本格的に参入して以来、原材料費などの製造コストの大幅な高騰があったものの価格維持に努めてきましたが、昨今の継続的な高騰により、自助努力だけでは吸収できない状況となっています。
このため止むを得ず、発売初期の製品で、特に製造コストの高騰が著しい8品種の出荷価格を改定させていただきます。
今年3月のNikonのレンズ製品の値上げについては以下の投稿で紹介しましたが、同様に原材料の高騰を理由に挙げています。具体的に何が高騰しているのかは不明ですが、複数社がこのように主張しているということは実際に高騰している部材があるのでしょう。
wave.hatenablog.com
なお、フジフィルムがミラーレスに参入したのは最後発の2012年2月ですから、他社製品でも同時期或いはそれ以前に発売されたレンズは値上げの動きがあっても不思議ではありません。
値上幅と実施日
製品ごとの具体的な値上げ率は明示されていませんが、1割から2割程の値上げ幅となるそうです。
- 出荷価格改定の内容
10％～20％程度の出荷価格の値上げ
- 実施時期
2016年9月16日（金）
日銀のインフレターゲットですら2年で2%を目指している(そして、それは達成できそうもない)のに、その5～10倍の大幅な値上げ。
9/16まで残り少ないですが、検討しているレンズがあれば今のうちに買ってしまった方が良いかもしれませんね。
対象製品
以下の8製品(色違いで9SKU)が値上げ対象とされています。(私は持ってませんが)好評をよく見かけるXF35mm F1.4 Rも値上げ対象に含まれています。
| 製品名 | JAN | 希望小売価格(新設) | Amazon |
|---|---|---|---|
| XF14mm F2.8 R | 4547410227598 | ¥112,000 |  FUJIFILM XFレンズ FUJINON F XF14mm F2.8 R 単焦点 広角 F XF14MM F2.8 R
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| XF18mm F2 R | 4547410206142 | ¥81,000 |  FUJIFILM XFレンズ FUJINON XF18mm F2 R 単焦点 広角 F XF18MMF2 R
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| XF23mm F1.4 R | 4547410261417 | ¥124,000 |  FUJIFILM XFレンズ FUJINON F XF23mmF1.4R 単焦点 広角
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| XF27mm F2.8 ブラック | 4547410251388 | ¥62,000 |  FUJIFILM XFレンズ FUJINON XF27mm F2.8 単焦点 広角 F XF27mmF2.8 ブラック
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| XF27mm F2.8 シルバー | 4547410260069 | ¥62,000 |  FUJIFILM XFレンズ FUJINON XF27mm F2.8 単焦点 広角 F XF27mmF2.8S シルバー
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| XF35mm F1.4 R | 4547410206159 | ¥81,000 |  FUJIFILM XFレンズ FUJINON XF35mm F1.4 R 単焦点 標準 F XF35MMF1.4 R
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| XF60mm F2.4 R Macro | 4547410206166 | ¥87,000 |  FUJIFILM XFレンズ FUJINON XF60mm F2.4 R 単焦点 中望遠マクロ F XF60MMF2.4 R MACRO
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| XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS | 4547410227345 | ¥81,000 |  FUJIFILM XFレンズ FUJINONXF18-55mm F2.8-4 R OIS 標準ズーム F XF18-55mmF2.8-4 R
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| XF55-200mm F3.5-F4.8 R LM OIS | 4547410248524 | ¥93,000 |  FUJIFILM フジノンXFズームレンズ XF55-200mmF3.5-4.8RLMOIS
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希望小売価格設定について
公式には以下のように記載されています。
ミラーレスデジタルカメラ用交換レンズは、発売以来「オープン価格」を採用してきましたが、製品数が増えるにつれて、当社のラインアップの中でそれぞれのレンズの位置づけが分かりにくい、とのご指摘をいただくことが増えてきました。
このようなお客さまのご不便を解消するため、ミラーレスデジタルカメラ用交換レンズの全品種に希望小売価格を設定させていただきます。
「位置付けが解りにくい」に対するソリューションとして「希望小売価格設定」というのはちょっとズレてる気もしますけど、「Xマウントレンズが増えたら解りにくいって言われたから、価格で製品の良し悪しが判るようにしてみた」という感じの事を言いたいのでしょうかね。この理解の下では、高価なレンズが良いレンズだと暗に言っているようなので、今回発表された希望小売価格が高い順に掲載してみます。
Xマウント製品希望小売価格一覧
| 製品名 | JAN | 希望小売価格(新設) | 値上対象 |
|---|---|---|---|
| XF100-400mm F4.5-F5.6 R LM OIS WR | 4547410316193 | ¥281,000 | N |
| XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR | 4547410289862 | ¥218,000 | N |
| XF56mm F1.2 R APD | 4547410289855 | ¥206,000 | N |
| XF16-55mm F2.8 R LM WR | 4547410289879 | ¥162,000 | N |
| XF16mm F1.4 R WR | 4547410302783 | ¥149,000 | N |
| XF90mm F2 R LM WR | 4547410302776 | ¥137,000 | N |
| XF56mm F1.2 R | 4547410266627 | ¥131,000 | N |
| XF10-24mm F4 R OIS | 4547410263923 | ¥131,000 | N |
| XF23mm F1.4 R | 4547410261417 | ¥124,000 | Y |
| XF18-135mm F3.5-5.6 R OIS WR | 4547410282320 | ¥124,000 | N |
| XF14mm F2.8 R | 4547410227598 | ¥112,000 | Y |
| XF55-200mm F3.5-F4.8 R LM OIS | 4547410248524 | ¥93,000 | Y |
| XF60mm F2.4 R Macro | 4547410206166 | ¥87,000 | Y |
| XF18mm F2 R | 4547410206142 | ¥81,000 | Y |
| XF35mm F1.4 R | 4547410206159 | ¥81,000 | Y |
| XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS | 4547410227345 | ¥81,000 | Y |
| XF1.4xTC WR | 4547410310429 | ¥68,000 | N |
| XF2xTC WR | 4547410323375 | ¥68,000 | N |
| XF23mm F2 R WR ブラック | 4547410328813 | ¥62,000 | N |
| XF23mm F2 R WR シルバー | 4547410328820 | ¥62,000 | N |
| XF27mm F2.8 ブラック | 4547410251388 | ¥62,000 | Y |
| XF27mm F2.8 シルバー | 4547410260069 | ¥62,000 | Y |
| XF35mm F2 R WR ブラック | 4547410310405 | ¥56,000 | N |
| XF35mm F2 R WR シルバー | 4547410310412 | ¥56,000 | N |
| XC50-230mm II F4.5-6.3 OIS ブラック | 4547410301496 | ¥53,000 | N |
| XC50-230mm II F4.5-6.3 OIS シルバー | 4547410301502 | ¥53,000 | N |
| XC16-50mm II F3.5-F5.6 R OIS ブラック | 4547410301472 | ¥49,000 | N |
| XC16-50mm II F3.5-F5.6 R OIS シルバー | 4547410301489 | ¥49,000 | N |
予想通りというか何というか、XCレンズが最下位に並びます。
先の文言から解釈すると、フジフィルム的にはXCレンズは自社製品で最低の位置付けと表明したに等しいですが、XCレンズは「小型・軽量化を追及(製品ページの記述より抜粋)」した製品であり、その観点では最高の製品なのではないでしょうか。といったことから、「位置付けが解りにくい」に対するソリューションとして「希望小売価格設定」はズレているし、XCレンズなら小型・軽量という特徴こそがその位置付けとして訴求すべきなのではないでしょうか。
最も位置付けが解りにくそうなXF56mm F1.2 R APDとXF56mm F1.2 Rの違いに7万5千円の差が付いていますが、APDの搭載によるメリット・デメリットを訴求しなければ7万5千円の価値は判断できないと思うのです。
製品の特長を訴求せず、金額で訴求するようなマーケティング(と言えるのか?)はあまり感心できません。
何のためにこのタイミングで希望小売価格を新設したのか、表に出さない裏の思惑を探ってみるのも面白そうではあります。
以上。
