Aterm MR05LN/MR04LN/MR03LNの比較

　NECのモバイルLTE ルーター Aterm MR05LNが新たに9/1に発売になりました。
　過去機種との比較がメーカーサイトには掲載されていないようなので、MR03LN/MR04LNとの比較を簡単にまとめてみました。
　

比較表

　通信機能について主要なスペックを比較すると以下の通り。

	MR03LN	MR04LN	MR05LN
LTE Band	1,9,6,19,5	1,3,8,11,18,19,21,17	1,3,8,11,18,19,21
LTE RX Speed(max)	150Mbps	150Mbps	150Mbps
LTE TX Speed(max)	50Mbps	50Mbps	50Mbps
LTE Advanced RX Speed(max)	-	300Mbps	375Mbps
LTE Advanced TX Speed(max)	-	50Mbps	50Mbps
HSPA+ Band	9	1,8,9	-
HSPA+ RX Speed(max)	21Mbps	21Mbps	-
HSPA+ TX Speed(max)	5.7Mbps	5.7Mbps	-
HSPA Band	1,9,6,19,5	1,6,8,9,19,5	1,6,8,19,5
HSPA RX Speed(max)	14Mbps	14Mbps	14Mbps
HSPA TX Speed(max)	5.7Mbps	5.7Mbps	5.7Mbps
WCDMA Band	1,9,6,19,5	1,6,8,9,19,5	1,6,8,19,5
WCDMA RX/TX Speed(max)	384kbps	384kbps	384kbps
GPRS Freq.Range	GSM850, EGSM900, DCS1800, PCS1900	GSM850, EGSM900, DCS1800, PCS1900	-
GPRS Speed (per slot)	21.4kbps	21.4kbps	-
WiFi (WAN side)	IEEE802.11 a/b/g/n	IEEE802.11 ac/a/b/g/n	IEEE802.11 ac/a/b/g/n
WiFi (LAN side)	IEEE802.11 ac(max 433Mbps)/a/b/g/n	IEEE802.11 ac(max 867Mbps)/a/b/g/n	IEEE802.11 ac(max 867Mbps)/a/b/g/n
Bluetooth PAN Speed (max)	3Mbps	3Mbps	3Mbps
SIM card slot	microSIM	microSIM (dual)	nanoSIM (dual)
SIM lock	locked	free	free

　箇条書きで書き起こすと、主要な違いは以下の通り。

MR03LN⇒MR04LNの変化

対応バンド(周波数)の増加
LTE Advancedに対応
IEEE802.11acの最大速度が高速化
デュアルSIMに対応
SIMロックフリー化

MR04LN⇒MR05LNの変化

LTE Advancedによる受信速度の高速化
HSPA+, GPRSに非対応
SIMカードのnanoSIM化
バッテリ容量の増加(2300mAh⇒2500mAh)
- 連続通信時間の延長(12⇒14時間@WiFi テザリング時) ※上表には抜粋していません

仕様詳細

まとめ

　枯れた通信規格については進化が無く、LTE AdvancedやIEEE802.11acなどの新技術については順当進化しているように見えます。

　但し、最新のMR05LNではGPRSやHSPA+といった古い通信規格のサポートが一部削除されているようです。GPRSについては日本国内では使用されていないため、国内使用においては影響ありません。逆に海外使用を主眼にしているユーザは渡航先の回線事情によっては不便を強いられる可能性も大いにあります。HSPA+は日本国内では旧emobileで展開され、現Y!mobileではどういった位置付けなのかよく解りませんでしたが、多くの人が利用するであろうMVNOがdocomo(或いはau)回線であるため、事実上影響無しと判断して、削除されたのかもしれません。

　なお、LTE Advancedは現時点では対応エリアが極一部に限られており、その恩恵を得られる地域は広くは無いようです。
受信時最大速度375Mbpsのサービスエリア(PDF)

　これらのことから判断するに、必ずしもMR05LNを選択すべき理由は無く、MR04LN/MR03LN*1の方が便利に使えるケースもあるでしょう。国内利用しかしないユーザであれば、MR05LNを購入するのが良さそうですが、従来機との価格差と、利用地域のLTE Advanced対応状況も踏まえて選択するのが良さそうですね。