現在首都圏で鉄道に乗る場合はSuica/Pasmoを使う人が殆どだと思います。これらの非接触式ICカードが登場する以前、JRならイオカード、私鉄各社ならパスネットという磁気カードが広く利用されていました。
Wikipediaによればイオカードは先行するパスネットに合わせて仕様が決定されたようですが、現在のSuica/Pasmoとは異なりイオカードで私鉄路線を、パスネットでJR路線を乗ることはできなかったと記憶しています(1枚のパスネットでパスネットが利用可能な私鉄路線を乗り継ぐことはできました)。
磁気カードと非接触式ICカードという技術的差異はありますが、Suica/Pasmoのご先祖様のようなパスネットは、今から約9年前の2008/1/10に発売を終了し、2008/3/14に自動改札での取り扱いが終了しました。
以下、手元に残っていた使用済パスネットの券面を紹介します。年末の大掃除の際に発見しましたが、変色など状態は良くありません(ので、現物は廃棄しました)。
表面
東急
東京急行電鉄固有のカード名称は無かったようです。
裏面
所在地以外は同じことが書かれています(営団、メトロ、TWRは勢い余ってスキャンする前にシュレッダーにかけてしまったので画像はありません)。
なお、○で囲まれたK,C,Mといったマークが見当たりますが、©でも著作権表記ではなく、Wikipediaによれば印刷所を表しているようです。
パスネット - Wikipedia
西武
「埼玉県所沢市くすのき台1-11-1」この住所は現在も西武鉄道の本社所在地です。他にも西武ホールディングスを始め西武グループのいくつかの企業の本社所在地でもあるようです。
東武
「東京都墨田区押上一丁目1番2号」この住所は現在では東京スカイツリーこと東武タワースカイツリー株式会社や東京ソラマチの所在地となっていますが、東武鉄道の「本店」所在地でもあるようです。東武鉄道HPによれば「本社」所在地は「東京都墨田区押上二丁目18番12号」となっています。東京スカイツリー建設時に付近の本社屋も移転していましたからね。
ゆりかもめ
「東京都江東区有明3-22」この住所は現存しない(?)ようです。ゆりかもめHPによれば「東京都江東区有明3丁目13番1号」が本社所在地となっています。ただ、プレスリリース等を探してみても本社移転などについては見当たらず、地番変更があったのかもしれません。
ということで調べてみると、有明3丁目を対象に住居表示が実施されたことが江東区HPに掲載されていました。
トップページ/生活情報/暮らし・住まい/平成21年度住居表示実施地域/平成21年11月1日付住居表示の実施について
これに合わせて、同じく有明3丁目でゆりかもめ本社に隣接する東京ビッグサイトから「住所表記変更のお知らせ」がリリースされていることから、ゆりかもめ本社も住所表記が変わったのだと思われます。
住所表記変更のお知らせ(PDF)
こうして振り返ってみるとパスネットが終了してからのわずか9年ほどで、副都心線が開通したり、東京スカイツリーができたり、有明地区が発展したりと、少なからず街が変化していることを実感させられます。パスネットがPasmoに発展したように、都市もまた発展を続けていくのでしょう。
なお、パスネット終了から10年となる来年2018/1/31まで、払い戻しが可能なようですので、お手元に残高のあるパスネットがある場合は、各事業者で返金してもらうといいかも知れません。
以上。