COVID-19絡みの新語がオックスフォード事典に追加された

 意図やニュアンスが良く解らない英語を調べる際などに、英英辞典を使います。個人的には"Oxford english english dictionary"と検索して上位に出てくるサイト*1で調べることが殆どですが、Oxford Advanced Learner's Dictionaryに新語が追加された表示が出ていたので興味本位でリンクを見てみたところ、2020年5月に追加されたのは全てCOVID-19絡みの用語でした。
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 見慣れない単語も多くあったので、いくつか引用しつつ紹介したいと思います。
 

COVID-19

 まずは、COVID-19そのものについて。COrona VIrus Disease 2019の略ですが、それについては言及されておらず、「2019年に初めて報告され、パンデミックになったコロナウイルスの種類」と説明されています。
 いや、これ違うんでない?「~コロナウイルスの種類」ではなく、「~コロナウイルスによる症状」が正しいはずで、COVIDの末尾のdiseaseの意味が抜け落ちてます…。日本でも疾患・症状ではなくウイルスそのものとして誤用されてることが多いですが、この用法も間違いではないってことになるんでしょうか。重複の読みが「ちょうふく」だけではなく「じゅうふく」も正しいみたいな感じで変化したように。

a type of coronavirus that was first reported in 2019 and became a pandemic

covid-19 noun - Definition, pictures, pronunciation and usage notes | Oxford Advanced Learner's Dictionary at OxfordLearnersDictionaries.com
 

covidiot

 COVID + idiot(バカ)による造語と思われますが、「COVID-19の広まりを防ぐためのソーシャルディスタンスを取ることを拒否して他人を困らせる人」と説明されています。日本でも東日本大震災後に放射脳という造語(スラング)が出来ましたが、それと同じようなノリでしょうか。

a person who annoys other people by refusing to obey the social distancing rules designed to prevent the spread of COVID-19

covidiot noun - Definition, pictures, pronunciation and usage notes | Oxford Advanced Learner's Dictionary at OxfordLearnersDictionaries.com
 

herd immunity

 単なる複合語ですが、どちらの単語も私は知りませんでした。日本語で言う「集団免疫」に該当するはずの語です。
herd-immunity noun - Definition, pictures, pronunciation and usage notes | Oxford Advanced Learner's Dictionary at OxfordLearnersDictionaries.com
 

panic buying

 日本でもマスクや消毒液が店から消えました。当初はトイレットペーパーやティッシュペーパーまで無くなりました。あの現象を指す複合語で「品切れや価格高騰の懸念から、食料品や燃料などの日用品を大量に購入する行為」と説明されています。日本語では単に「買い占め」と言ってしまうと転売目的だったり違うニュアンスも出てきてしまいますが、panic buyingに該当するシンプルな表現あるんでしょうかね?

the act of buying large quantities of everyday items such as food, fuel, etc. because of concerns about them running out or prices rising

panic-buying noun - Definition, pictures, pronunciation and usage notes | Oxford Advanced Learner's Dictionary at OxfordLearnersDictionaries.com
 

wet market

 この語はちょっとニュアンスが解らないのですが、「(中国や東アジアで)新鮮な肉や魚や野菜などを売る市場」と説明されています。わざわざ"(中国や東アジアで)"の注釈をつける意味が解らないし、何が"wet"なのかも良く解りません。COVID-19絡みで追加された語であることから、武漢の海鮮市場のような市場が念頭にあるのだと思いますが、青空市場的なオープンエアなマーケットだったり、建物の中ではなく店の前にも商品を並べてるような商店のことを指しているのかと想像しています*2が違うのかもしれません。

​(in China and South-East Asia) a market selling fresh meat, fish, vegetables, etc.

wet-market noun - Definition, pictures, pronunciation and usage notes | Oxford Advanced Learner's Dictionary at OxfordLearnersDictionaries.com
 

WFH

 "work from home"の略語だそうで、それさえ判れば意味は解ります。日本語で言う「在宅勤務」に該当する語ですね。

work from home (= to do your job in your own home, especially a job that is usually done in an office)

wfh abbreviation - Definition, pictures, pronunciation and usage notes | Oxford Advanced Learner's Dictionary at OxfordLearnersDictionaries.com
 

 といった具合に合計31個の新語が登録されています。興味のある方は冒頭のリンクからご確認ください。
 


以上。

*1:ちらほら変わりますが、とりあえず調べられればいいので気にしてません。

*2:雨が降ったら濡れるからwetなのではないかと思いますが、或いはジメジメして清潔ではないというようなニュアンスでwetという語を使っているのか、いろいろ想像はできますがこの説明では解りません…。