関東上空を飛行する航空機が減少中(2020/5)

 COVID-19の影響により飛行している航空機が激減していることを、以下の投稿に記載しました。
関東上空を飛行する航空機が激減中 - 記憶は人なり
関東上空を飛行する航空機が激減中(2020/4) - 記憶は人なり
 また月が替わりましたので、5月末までの実績値を集計して再度プロットしてみました。
 

元データの取得方法

 前述の投稿と同じで、個人宅に設置したADS-Bレシーバで受信した日毎にユニークなICAO 24bit codeの数をカウントしたものです。如何なる場合もデータの正確性・完全性を保証するものではありません。
 

日別観測航空機数推移

 日別に観測したユニークな航空機の数をプロットすると以下のグラフになります。
 COVID-19が初めて確認された2019年12月以降の影響を見るために、2019/12/1~2020/4/30までの期間をプロットしています(貨客運輸の季節性変動も想定し、前年同日も合わせてプロットしています)。
Daily # of observed aircraft
 だいぶ減少のペースは落ちてきましたが5月も減っています*1 *2 *3
 

月別平均観測航空機数

 日別では曜日による差異などでグラフがガタついてよく見えないので、月別に平均を採ってみます。

2019(or Dec’18)平均 2020(or Dec'19)平均 前年比
12 562.2 606.3 107.84%
1 582.0 618.0 106.19%
2 579.1 576.4 99.54%
3 597.8 475.3 79.50%
4 620.9 300.0 48.31%
5 638.5 257.4 40.31%

 4月は平均すると1日辺り約300機でしたが、5月は260機弱まで落ち込みました。それでも3月から4月にかけての落ち込みよりはマイルドな減り方です。
 この月別平均をプロットしてみると以下のようになります。

Monthly average # of observed aircraft
 観測できた稼働中の航空機の数は5月には前年の約4割となっています。国内の緊急事態宣言は解除されましたが、都道府県や地域を跨ぐ移動が推奨されている状況ではありません。海外についても国際旅客需要が急速に回復することは考えにくいでしょう(日本国内や東アジアの状況が落ち着いているだけで、アメリカ・ロシア・ヨーロッパなどは依然酷い状況です)。
 海外では飛ばさない航空機の駐機場代わりになっているような空港があるといった趣旨の報道も先月見かけました。一方で、旅客需要が激減しつつも貨物輸送の需要はあるため、旅客機の客席に荷物を積んで飛行しているような報道も見かけました。
 航空各社だけではなく航空機メーカーも含め、まだまだ厳しい状況が続くであろうことが予想されます…。

 国内では現時点では緊急事態宣言は解除されていますが、東京アラートのような警告状態は継続しています。引き続き各自できる対策を怠らないようにしましょう。
 



以上。

*1:前年5月の線が途切れているのは欠測日を1日含むため。

*2:先述の通り、これは機体数を数えているので便数ではありません。一つの機体が便名を変え、国内便では多ければ一日に10便程度も運航していることもありますから、減便数にするとより大きな数になると想定されます。

*3:ただし、観測できる航空機の中には関東上空を通過するだけで離着陸しない航空機(中国・台湾・韓国などと世界各国を結ぶ航空便など)も含まれますので、日本の航空事情だけを表したものではありません。