関東上空を飛行する航空機数が底打ち?(2020/6)

 COVID-19の影響が直撃し、飛行している航空機が激減していることを毎月観測してきました。7月になりましたので、6月末までの観測実績値を集計したところ、どうやら底打ちしたようにも見える結果となりました。
関東上空を飛行する航空機が激減中 - 記憶は人なり
関東上空を飛行する航空機が激減中(2020/4) - 記憶は人なり
関東上空を飛行する航空機が減少中(2020/5) - 記憶は人なり
 

元データの取得方法

 前月までの投稿と同じで、個人宅に設置したADS-Bレシーバで受信した日毎にユニークなICAO 24bit codeの数をカウントしたものです。如何なる場合もデータの正確性・完全性を保証するものではありません。
 

日別観測航空機数推移

 日別に観測したユニークな航空機の数をプロットすると以下のグラフになります。
 COVID-19が初めて確認された2019年12月以降の期間をプロットしています(貨客運輸の季節性変動も想定し、前年同日も合わせてプロットしています)。
Daily # of observed aircraft
 (6月末にかけて再び急落したようにも見えるのですが、)これまでの一連のデータを通してみると増加傾向に転じつつあるように見えないでしょうか?
 

月別平均観測航空機数

 日別では曜日による差異などでグラフがガタついてよく見えないので、月別に平均を採ってみます。

2019(or Dec’18)平均 2020(or Dec'19)平均 前年比
12 562.2 606.3 107.84%
1 582.0 618.0 106.19%
2 579.1 576.4 99.54%
3 597.8 475.3 79.50%
4 620.9 300.0 48.31%
5 638.5 257.4 40.31%
6 635.9 285.5 44.90%

 月別平均にすると、5月は1日辺り260機弱でしたが、6月は約285機まで増えています。前年比では45%弱と半分にも満たない厳しい状況が続いていますが、5月よりは5%弱改善しています。
 この月別平均をプロットしてみると以下のようになります。

Monthly average # of observed aircraft
 国内の緊急事態宣言は解除され、東京アラートも解除され、都道府県や地域を跨ぐ移動の制限も無くなった状況ですが、飛行している航空機数の回復はまだまだ落ち込んだままであることが判ります。
 また、一部アジアの国との旅客便再開が検討されているとの報道もありますが、(主に欧米方面の)動向が大幅に改善されたわけではないため、国際旅客需要が急速に回復することは引き続き考えにくいでしょう。

 国内は相対的には落ち着いた状況ですが、東京都で1日辺り100人を超す新規感染者と報じられたりしています。気を緩めず、引き続き各自対策を怠らないようにしましょう。
 



以上。