TX16Wx用プログラムを公開しました
サンプラープラグインのTX16Wx用音色プログラムを公開しました。
github.com
TX16Wxとは
TX16Wxはその名から察せられるようにYAMAHA TX16Wの機能を模しつつ機能拡張されたサンプラープラグインです。
https://www.tx16wx.com/
個人的に近年はFL StudioのサンプラープラグインDirectWaveを愛用していますが、音色プログラムを量産するのは手作業が必要でなかなか面倒なのです。
ファイルフォーマットが公開されていれば音色プログラムを量産するのは自動化できることになり、だいぶ楽になるはずです。
TX16WxはXMLでプログラムが保存されるため、この用途に適しています*1。また、無料のFree Versionでも機能的に困る局面はあまりないので多くの人にお勧めできるかと思います。
音色プログラムについて
TX16Wxに限らずサンプラーで音を鳴らすには波形が必要です。
一般的には自前でサンプリングしたり、買ってきたりすることになりますが、多少プログラムが書けるなら自前で生成してしまうという手段もあるわけです。
というわけで、機械的に生成した波形(*.wav)とTX16Wx用プログラム(*.txprog)ファイルのセットをGitHubで公開しました。
Initial commit時点では*.txprogのEGやFilter設定値は全プログラム同一で、アタック・リリース共に短く、直流成分除去のためにカットオフ周波数20HzのHPF、折り返しノイズ除去のためにカットオフ周波数20KHzのLPFを設定しており、意図的な音作りはされていません。このためデフォルト状態では概ね単調なシンセ音です。
機械生成のため大量に音色プログラムはありますから、気になる音が見つかったらアンプやフィルタ設定値をEGやLFOで加工して好みの音に仕上げるような使い方が良いのではないでしょうか。
WAVファイルについて
TX16Wxユーザー以外でも、WAVファイルは事実上全ての現代的なサンプラーなら使えるはずです。
上記リポジトリに格納してあるWAVファイルにはループマーカーも埋め込んであるので、対応しているサンプラーなら自動的にループポイントが設定されます。後は通常のシンセサイザーと同様にサンプラーのEGやフィルタを設定して音作りが可能です。
もしループマーカーが読み込まれない場合は、単純に波形全体をループするように設定すればOKです。通常、任意の波形からループポイントを探すのは時間がかかるうえに退屈で面倒でできることなら自分でやりたくない作業ですが、リポジトリに格納してあるWAVファイルは単に先頭から末尾までをループできるように設計して生成されています!
なお、リポジトリ内のWAVファイルは概ね2KB以下とコンパクトなサイズになるよう設計・生成されています。無理にFLACで圧縮するとファイルサイズは逆に肥大化してしまいますので圧縮しないことをお勧めします。
波形について
何の音なのかというと、何かの音をサンプリングしたわけではないので何の音でもありません。
個人的に日々収集しているデータを基に、その変化を音声波形として出力しています。
例えば、リポジトリのTemperatureディレクトリ下は気温変化を基に音声波形として出力したものです。ざっくりと、「気温は昼に向かって高くなり、夜に向かって低くなる」を繰り返しているわけですから、発振してると考えることができます。すなわちオシレーターなんじゃねーの?という発想です。
ただ、現実にはそう単純ではないのです。測定する都度、上下にブレが生じます。複数回の測定値を平均したり中央値を採ったりすると「気温は昼に向かって高くなり、夜に向かって低くなる」に近づき、細かいブレは打ち消せます。が、そうした場合は音として聞いた場合の高次倍音が減ってしまうわけです(細かいブレ=高周波成分)。といったことも踏まえて、色々ごにょごにょ検査しながら「この範囲を1周期とする」と判定して、いわゆる波形メモリ音源の要領で音声波形を生成します*2。このため、プログラム名・波形名が日付になっているのです。
ライセンス
CC-BYで公開していますので、(使えそうな音があれば、)ライセンス表示の上、ご自身の楽曲等で商用含めご自由にお使いください。
以上。