とあるソフトウェアシンセサイザーをインストール後、PCを再起動したらブルースクリーンで起動しなくなりました。
原因が判った今となってはこう書けるのですが、当初はソフトシンセを入れたらシステムが壊れるとは全くの想定外で原因が判らず、OS再インストールも覚悟しました。同様の事象を記した記事も無さそうなので参考までに残しておきます。
経緯
Windows10 Pro 21H2 (Build19044.1766)環境に、SONiVOXのTWIST2をインストールし、インストール完了後に再起動を薦めるダイアログが表示されました。が、再起動はせずにDAW(FL Studio)を起動し、特に問題無く動作することを確認しました。その後、同じくSONiVOXのEIGHTY EIGHT ENSEMBLEもインストールしました。再起動を薦めるダイアログが表示されましたが、やはり再起動せずにDAW(FL Studio)を起動し、特に問題無く動作することを確認しました。
その後しばらく再起動せずに数日使用していたのですが、念のため再起動しておくかと思って再起動したところ所謂BSoDで起動しなくなりました。この時ブルースクリーンに表示されるエラーメッセージは、"SYSTEM THREAD EXCEPTION NOT HANDLED"でした。
対応
- 画面の指示に従って何度か再起動してみても事態は変わりませんでした。
- セーフモードの起動を試みても"SYSTEM THREAD EXCEPTION NOT HANDLED"が発生し起動できませんでした。
"SYSTEM THREAD EXCEPTION NOT HANDLED"の原因を検索してみるとハードウェアやメモリ周りの障害で起きることが多いらしいようなので、以下の対応をしてみました。
他にもドライバ周りの障害でもこの事象が起きることがあるようで、そういえばSONiVOXのソフトウェアシンセサイザーのインストール途中でiLokのドライバも自動でインストールされていたなと思いだしました*1。SONiVOX iLok SYSTEM THREAD EXCEPTION NOT HANDLED辺りをキーワードに調べてみたところ、以下の動画が見つかりました。
www.youtube.com
自分が遭遇しているのは、まさにこの動画の状態と同じです。この動画中では対策も示されているので試してみました。
で、再起動したところ無事にWindowsが起動するようになりました!
私の場合、元々iLokを必要とするソフトウェアシンセサイザーを他にも使用しており、現行バージョンのiLok用ソフトウェア(PACE License Support Win64)がインストール済です。が、SONiVOXのインストーラは現行バージョンのiLok用ソフトウェアの存在を検知せず、大昔のバージョンのiLok用ソフトウェアも同時にインストールする挙動になっているようです。
このため、新旧2つのバージョンのPACE License Support Win64がインストールされた状態になっています。複数バージョンのソフトウェアが存在すること自体は問題ではなく、古い方のPACE License Support Win64に現行のWindows10と非互換のTpkd.sysが含まれることが問題です。そもそも古い方は不要なのでアンインストールしておきます*3。
その他
私の場合はSONiVOX製品でこの障害に遭遇しましたが、上記動画によればinMusic Brands系(AIR, SONiVOX, Softube, Mixmeister等)の一部の古めのソフトウェアのインストーラで同様の問題が発生するようです。
これらのソフトウェアを導入した場合にはシステムの再起動する前に以下のチェックが必要でしょう。
- 旧バージョンのPACE License Support Win64もインストールされた場合にはアンインストール
- 現行のWindows10と非互換の古いC:\Windows\System32\drivers\Tpkd.sysが存在しないことを確認
これを怠ってうっかり再起動してBSoDに陥った場合にはコマンドプロンプトを起動し、C:\Windows\System32\drivers\Tpkd.sysをリネーム(or 削除)する対応が必要になります。
以上。