インドメディアによるXiaomiの落ち込みを報じる以下の記事を目にしました。冒頭には「中国のAppleとも称されたことのあるXiaomiが、年間スマートフォン需要が22%低下してインド市場で4位まで滑り落ちた。グローバル市場では7位で売上高は16%低下した。」といった趣旨の事が記されています。
Although it crossed $1 billion in revenue in 2016 within the first two years of its operations in India, Xiaomi — once touted as the “Apple” of China — has slipped to fourth spot back home as the demand for its smartphones declined 22 per cent annually — eventually taking it to seventh spot in the global smartphone ranking with a 16 per cent drop in sales.
What exactly is wrong with China's 'Apple' Xiaomi? - India.com
"per cent"
個人的にはパーセントの英語表記"percent"は馴染みがありますが、"per cent"という表記を目にしたのはたぶん初めてです。
蛇足ですが、Oracle DBのディクショナリなどでは、使用率・空き率を表すカラムに"PCT_USED"とか"PCT_FREE"といった名称が使われ、"percent"が"PCT"と略記されています。
閑話休題、英英辞典で調べてみると、どうやら"per cent"はイギリス英語のようです。
percent (also per cent British English)
percent | meaning of percent in Longman Dictionary of Contemporary English | LDOCE
インドが事実上イギリスの植民地だった経緯もあって、インドメディアによる英文記事でもこの表記なのでしょう。
"per X"
"per何とか"という単位はよく見かけますが、「何とかあたりの」を意味しています。
bps(bit per second), fps(frame per second)といった1秒あたりの何かを示していたり、rpm(revolution per minute), BPM(beat per minute)といった1分あたりの何かを示す単位として目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。例示した単位では"per"は"p"に短縮されていますが、KB/s(Kilo byte per second)のように"/"と表記されることもあります。時速何kmを表す場合には、km/h(kilo meter per hour)といった具合です。
なので、"per cent"ならば「centあたりの」の意味になります。
cent
"cent"(セント)という単位は、人によってはなじみが薄いと思いますが、意外と多様な分野で使われています。
経済では通貨の補助単位のセント(1ドルの1/100が1セント*1 )、音楽ではチューニングの際などに用いるセント(半音の1/100の意味)といった具合です。
ちなみに今では為替相場位でしか目にしませんが、円の補助単位として存在した銭(せん)も1/100円を表す単位で、セントに因んでいるという説もあるようです*2。
パーセントを学校で習ったのは小学校の算数だと思いますが、日本語では「百分率」という言葉で表されます。文字通り100で割った割合という意味ですが、通貨単位も音程の単位でもセントはいずれも基準単位の1/100を意味する補助単位として使われています。だから「パーセント」は「セントあたりの」の意味で"percent"も"per cent"も本質的に同じ意味になるわけです。
これでもう1セントが何ドルだとか、チューニングが何セントズレていると半音に対してどのくらい乖離しているのか失念しても混乱することはありません。全て基準単位の1/100を意味しているのですから。
なお、LinuxのCentOSは"Community ENTerprise Operating System"の略称で、"cent"とは関係ないようです。
以上。