sigrokをUSB接続ロジアナで使う

 Amazonで1000円もしない低価格でロジックアナライザが販売されているのを見つけました。

 PCとはUSB接続で8ch入力/24MHzまで対応ということなので、ちょっとしたデジタル信号を観察するには十分すぎるスペックとなっているのですが、ドライバも含めソフトウェアが全く付属していません。
 レビュー欄によればオープンソースのsigrokが使えると記載されていたので試してみることにしました。
 

Logic Analyzer本体

 中国発送で届きましたがロジアナ本体以外に、付属品はminiUSBケーブルと8本のジャンパ線(プローブ的に使う)だけでした。事前に解っていたことですが、ソフトウェアの類はありませんし、説明書のような紙もありませんでした。
f:id:kachine:20170308183841j:plain
↑PWR○と表示されていますが、LEDの光が見えたりはしません。筐体の作りはかなり雑で、歪んでいるようで樹脂パーツ間に隙間が多くあります(隙間を覗くと内部のLEDの光が見えますので通電状態は確認できます)。
 

miniUSB端子

 接続は最近減りつつあるminiUSB端子となっていました。付属品のminiUSBケーブルはノイズ対策でも配慮しているのかかなり太いケーブルでしたが、手持ちの普通のminiUSBケーブルでも問題なく動作しています。
f:id:kachine:20170308183902j:plain
 

入力端子

 10本のピンヘッダ的な端子(8ch + GND2つ)が備わっています。ここに取り付けるジャンパ線が付属していますが、プローブのようなクリップはありません。ブレッドボードなどに挿すのであれば困りませんが、基板上のICから信号を抜きたければ適切なクリップが必要になります。
f:id:kachine:20170308184054j:plain
 

sigrokの導入

 以下はWindows環境を前提とした記述です。

ダウンロード&インストール

 以下のページから"Binaries and distribution packages"の箇所にある"Windows Nightly installer binaries"のpulseview-NIGHTLY-32bit-static-release-installer.exeをダウンロードします。
 (GUIで信号波形を観察する用途であれば、sigrok-cli-NIGHTLY-32bit-static-release-installer.exeの方は必要ありません。)
Downloads - sigrok
 
 ダウンロードしたインストーラを実行し、画面の指示に従ってインストールします。インストール完了後はスタートメニューにPulseView、Zadig、Zadig (Win XP)の3つが追加されます。
 

ドライバインストール

 Logic AnalyzerをUSB接続後にZadigを起動して、[Install Driver]ボタンを押下してドライバをインストールできます。
 ※Zadig自体はsigrokとは別のGPL準拠の独立したソフトウェアですが、先述の通りPulseViewと共にインストールされます。
 

使用

 Pulse Viewを起動し[Run]ボタンを押下すると、Logic Analyzerに接続した各CHの信号が表示されます(特に何も設定しなくても使用可能でした)。
 なお、オシロスコープのようにリアルタイムにパルス波形が表示され続けるわけではありません。ツールバーにサンプルサイズとサンプリング周波数のドロップダウンメニューがありますが、そのサンプルサイズに達したら表示が止まります。サンプルサイズを大きくすればモニタ的に使用することもできますが、信号を記録することが主眼のソフトウェアとなっているようです。

 また、サンプリング周波数のドロップダウンの右隣りのボタンを押下すると、多くの信号フォーマットが表示されます。I2CやI2Sをはじめ、各種信号のデコード機能も備えているようです*1
Protocol decoders - sigrok
 



以上。

*1:個人的にはI2Sをキャプチャするためにロジアナが欲しかったのですが、観察対象LSIがSQFPパッケージのためその足を掴めるクリップが無く、まだ試せていません。