フィリップスブランドのヘッドフォンSHL3075を購入しました。
もともとローエンドというかエントリーというか、そんな位置づけの製品なのですが、現在では多くの店で千円台で買えるようになっているようです。
フィリップスについて
フィリップスと言えばデジタルオーディオ規格のS/PDIFをSONYと共に生み出した会社です(Sony/Philips Digital InterFace) *1。
そして、このヘッドフォンはフィリップスブランドと書きましたが、フィリップス製ではありません。
日本国内ではオンキョー&パイオニアイノベーションズが販売代理店となっていますが、ONKYOやPIONEERが製造しているわけでもありません。
フィリップスはオランダが本拠地の企業ですが中国製です。製造工場が中国にあるのは珍しくもありませんが、上記画像の真ん中あたりにはGibson Innovations Limitedの文字が見えます。
"This product has been manufactured by and is sold under the responsibility of Gibson Innovations Ltd."と書いてあり、ギブソンイノベーションズが製造・販売しているようです。
このギブソンはあのギターで有名なギブソンです。
フィリップスの音響機器部門を2014年にギブソンが買収し、2015年からオンキョーが業務提携して販売していたものの2018年に提携終了、ギブソンが経営破綻という流れで在庫が放出されているのではないかと思われます。
米ギブソン、フィリップスの音響機器部門を買収 :日本経済新聞
オンキヨー株式会社:お知らせ>Gibson Innovations Limitedとのオンキヨーブランドに関する業務提携の終了について
スペック
前述のような経緯があるためか、日本語の公式な製品情報ページが既に存在しないようです。パッケージに印刷されたスペックは以下の通り。
- 周波数特性: 9~23KHz
- インピーダンス: 32Ω
- ドライバ径: 32mm
- 感度: 103dB
- 最大入力: 40mW
周波数特性はこの価格では優秀で、人間の可聴域20~20KHzを超えるレンジまで再生可能*2とされています。ハイレゾ対応ヘッドフォンなら、(どうせ聴こえないのに)上方向にレンジが広い製品は多くありますが、売価を考えるとSHL3075は優秀です。
パッケージには英語日本語中国語など各国の言語が印字されていますが、何故か有害物質についての記載は中国語だけでした。中国語は読めないのですが、PbにXマークがついていることから鉛を使用しているようですので、お子さんが舐めたりしないように保管場所には注意しましょう。
ケーブル
4極のミニプラグが使われています。単なるヘッドフォンではなく、実はマイクも付いておりスマートフォンなどでの使用を想定したモデルとなっているようです。
なお、エントリーモデルだけあって、ケーブルは本体から外れません。
イヤーパッド
安価ながらもきっちり縫製されており、この部分について安っぽさを感じることはありません。
全体的に樹脂素材感丸出しですが、肌に触れる部分はコストかけているようです。
雑感
樹脂素材で高級感が皆無*3な反面、軽くて疲れません。サイズ調整可能な幅も広く、装着していても変な圧迫感は感じません。
そして何よりBass+と謳っていることから、重低音ばかりが煩いチューニングなのかと思いきや、そんなことはなく低音が多少強めなだけで他の帯域もしっかり鳴ってくれます。多少でも低域だけ強調されるのが好みではないという場合には、繋いだプレイヤー側でEQ調整すればいいだけですし。
これが千円台前半なら何も不満は無いどころか、満足感高いです。
以上。