KIOXIAのマイクロSDが既に流通してた

 以下の投稿でも触れましたが、東芝フラッシュメモリ事業を分社化した東芝メモリ株式会社は昨年(2019年)10月からキオクシア株式会社に社名変更されています。
wave.hatenablog.com
 

 旧・東芝のSDカードもSSDと同様にフラッシュメモリ製品であるため、東芝ではなくキオクシア製品となります。それでも、流通在庫はしばらく東芝パッケージのままなんだろうなと思っていましたが、2020年1月に秋葉原の店頭*1で購入したマイクロSDHCカードをよく見ると既にキオクシアに変わっていました。
 

パッケージ

 一見するとパッケージにはTOSHIBAロゴが大きく表示され、パッケージ中のURL表記もtoshiba-personalstorage.netやToshibaMemoryCorp.comが使われており、従来同様の東芝製品に思えます。
 が、裏面中央に以下の通りKIOXIAが製造者である旨の印字がされていますし、所在地もかつての東芝メモリ本社が存在した浜松町ではなく、キオクシア本社が現存する田町のビルの住所に更新されています。

Manufacturer: KIOXIA Corporation
3-1-21, Shibaura, Minato-ku, Tokyo, Japan

KIOXIA THN-M203K0320A4 Package
 

カード本体

 一方で、カード本体の印字はTOSHIBAのままでKIOXIA表示はなく、本当にTOSHIBA時代に製造されたものか、KIOXIAに社名変更後に製造されたものか外見からは識別できません。
KIOXIA THN-M203K0320A4 micro SDHC card
 

CIDレジスタ情報

 SDカード製造時にSDカード自体に記録されるCIDレジスタの内容を確認してみると、以下の通りでした。

[MID] Manufacturer ID 0x02
[OID] OEM/Application ID 0x544d
[PNM] Product name SA32G
[PRV] Product revision 5.0
[PSN] Product serial number 120945****
[MDT] Manufacturing date 2019-07

※シリアルナンバー下四桁は念のため掲載に際し****で伏せています。

  • Manufacture IDは0x02で東芝時代から変更なし
  • OEM/Application IDの0x544DとProduct nameのSAxxG(xxは記憶容量)という点も従来の東芝製品と同一体系と思われる*2
  • まだ東芝メモリ時代の製造月(2019-07)であるが、前述のKIOXIA表記のあるパッケージで販売されている

 

 というわけで、(その必要があるかは別として)パッケージを処分してしまうとKIOXIAなのかTOSHIBAなのか識別することは不可能です。どうしてもKIOXIAとTOSHIBAを識別したいという需要があれば、シリアルナンバー毎に購入時のパッケージ表記にKIOXIAが含まれるかをメモしておくとかでしょうかね。
 なお、KIOXIAに社名変更された2019-10以降の製造月の製品についても、同様のCIDとなるのかは判りません。
 



以上。

*1:日本国内でのサポートが受けられない旨の表記があるため、いわゆる海外版製品。

*2:少なくとも、手持ちの東芝時代の64GBのmicroSDXCと同じ体系。