Folding@home 7.6.9がリリースされた
Folding@homeの新しいクライアントバージョン7.6.9が4/17にリリースされました。
New Folding@home software with the option to prioritize COVID-19 projects – Folding@home
更新内容
公式の上記ページより抜粋引用すると以下の文言が記載されています。
In response to popular demand, we have created an update to the Folding@home software that allows you to prioritize COVID-19 projects.
We encourage you to upgrade as the new software includes important bug fixes and security updates.
COVID-19を扱ったプロジェクトへの貢献を明示的に指定できるようになったことと、重要なバグ修正とセキュリティ更新を含むことから、アップグレードが推奨されています。
サポートフォーラムにはもう少し詳しい情報が記載されています。
Folding Forum • View topic - New Client Released - 7.6.9
前回のパブリックリリース(7.5.1)以降、以下の更新が加えられているようです。
## v7.6.8
- Remove bug submission dialog, point to GitHub instead
- Use PUT instead of GET to access web session ID. Probably more secure.## v7.6.7
- Make sure Web control gets opened when requested.## v7.6.6
- Fix ``slot-options`` command response header## v7.6.5
- Always allow 127.0.0.1 access to web server.
- Update GPUs.txt even if GPUs are not currently enabled.
- Instead of altering data dir in Windows, confirm removal.
- Remove unsupported windows themes on install.## v7.6.4
- Make sure Windows data directory ends with ``\FAHClient``.
- Fix Linux service shutdown.
- Avoid caching old Web interface.
- Fix for Windows service install.
- Fix Windows start menu.## v7.6.3
- Organize info blocks## v7.6.1
- Mask newer GLIBC calls for better Linux compatibility.
- Add COVID-19 option.
- Hardened command server and Web interface security.## v7.5.2
- Updated missing GPU slot messages to prompt user to install the driver.
- Updated copyright.
COVID-19を明示的に選択可能になった以外には、コマンドサーバーとWebUIのセキュリティが強化されたこと、その他細かい修正といった感じのようです。
(2020/4/20追記ここから)
コマンドサーバーのウェルカムメッセージや一部コマンドのレスポンス、コマンド誤入力時の挙動などが変わっているようです。圧倒的少数のユーザだけだと思いますが、expectスクリプト等でコマンドサーバーと自動対話していたような方は、自動応答スクリプトがそのままでは動かなくなると思います。
(2020/4/20追記ここまで)
更新方法
どこにも書かれていないようなので、私が行った手順を参考までに記載します(Windows環境)。
- Folding@home公式サイトから、最新のインストーラーをダウンロード
Start folding – Folding@home - (現在実行中なら)Folding@homeをタスクトレイアイコンからQuitを選択し終了する
- ダウンロードした最新版のインストーラーを実行して、新バージョンをインストールする
※新旧の2バージョンが両方インストールされているような状態にはならず、所謂アップグレード処理になるようなので、旧バージョンを明示的に事前にアンインストールする必要は無い模様 - 新バージョンを実行
※旧バージョンで途中まで処理済みのWorkUnitの処理は0%からではなく、途中のセーブポイントから再開された
※ユーザー名やExtra client optionなどの設定値も維持された
更新後の貢献対象の選択肢
WebUIの”I support research fighting”ドロップダウンまたはFAHControlの[Configure]-[Advanced]-[Cause Preference]から貢献対象の疾患が選択できますが、従来はCOVID-19の選択肢は無く、"Any disease"(何でも)を選択するとCOVID-19のWorkUnitが送られてきていました。
前述の通り、今回のUpdateでCOVID-19を明示的に選択できるようになっています。 COVID-19だけではなく、"High Priority"という選択肢も追加されているようです。昨今のWorkUnitが枯渇気味の状況を鑑みると、システムリソースを無駄に遊ばせないためには、"High Priority"を選択しておけば優先度の高い他の難病にも貢献できそうですのでいいかもしれませんね。
WorkUnit枯渇気味の現状について
サポートフォーラムのトップページに以下のメッセージが記載されています。
- The Folding@home team know about the work unit shortage.
- It's happening because of an approximately 20x increase in demand.
- The Folding@home team are working on it and hope to have a solution very soon.
- Keep your machines running, they will eventually fold on their own.
Folding Forum • Please Read First
意訳すると、以下のようなことを言っています。今すぐに改善されることは無さそうな雰囲気でしょうか。
- Folding@homeチームはWorkUnitが不足していることを把握しています
- 約20倍の需要が生じているために不足しています*1
- Folding@homeチームはこの問題に対応中で、早期に解決策を出したいと望んでいます
- あなたのマシンを動かし続けていてください、早晩に処理がはじまるでしょう
なお、ユーザー(FAH用語的にはドナー)側で工夫できそうな事項は、以下の投稿に記載しています。
wave.hatenablog.com
以上。
*1:最近は毎日約1万前後ものユーザーが増えているような感じです。